22日、FOMCの決定より
イエレン財務長官の発言が金融市場を不安定化させたようです。
●イエレン米財務長官、「全面的な」預金保険の提供検討せず-証言
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-22/RRXM88T1UM0X01
えーたった1日前、21日の米銀行協会イベントの公演では
破綻したSVBら銀行だけでなく全ての銀行の破綻リスクで
全額保護の措置を取る用意がある、と発言していたばかりです。
この発言で21日の米株市場は大幅高となっていました。
●米イエレン財務長官 破綻銀行以外でも全額預金保護を用意
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230322/k10014015511000.html
それをたった1日でひっくり返すとは。
今回破綻した2行の預金を全額保護したのは特例措置だ、と。
これを受けて22日の米株市場、前日はしゃいで上がった分が剥落。
ただ、ネガティブな反応は持続的ではないようです。
今夜の米国株市場は全面高です。
悲観が持続しなくなってきています。
FOMCも市場の想定よりタカ派的だったと思いますが、
かと言って金利が再上昇するわけでもなく、ドル安です。
【FOMC】
ターミナルレート5.125%、中立金利2.5%は12月FOMCから変更なし。
年内もう1回の利上げの可能性を示唆し、
「当局者らは今年の利下げを見込んでいない」とパウエル議長。
声明の「幾分かの追加引き締めが適切となる可能性がある」表現は
前回までの「継続的な誘導目標レンジ引き上げが適切になると見込む」より
マイルドになったことから(断続的な利上げ➡幾分かの追加引き締めが適切へ)
ハト派的だったと分析する向きもあるようですが。
しかしターミナルレート5.1%だというのに
2年金利が3.8%台に低下しているのは
金融システム不安が広がったからとはいえ、
やややり過ぎでは?と思うのですが、
これがFOMCを通過しても上昇してこないのは不気味。
金融システム不安が生じる直前3/8には
2年金利5.08%程度まで上昇していましたので
この時点ですでにFFレートのターミナルレート近辺まで上がっていた。
これでやりきっちゃった、ということなのかしら・・・?
今夜株が強いので足元はリスクオフの金利低下ではなさそうですが
市場にはネガティブ材料への耐性が出てきたように見えます。
※米国主要株価インデックス 半導体指数は再び高値奪還。
どうもしっくりこない値動きではありますが、
ドル安ですので、ゴールドや原油まで堅調。
投資家にとっては悪い相場ではありません。
ドル円132.03円ショート
ユーロドル1.0841ドルロング
ナスダックCFD12277ドルロング
日経平均CFD26935円ロング継続。
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今日は英国、ノルウェー、スイスが利上げを発表しています。
◯英中銀、政策金利0.25ポイント引き上げ-追加利上げに含み
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-23/RRZ2PAT0AFB401
・BOE 0.25%利上げ ➡ 4.25%へ(7:2 反対はテンレイロ委員とディングラ委員)
・英中銀が利上げ停止を表明する構えだとの観測は後退
・2月のCPI上昇率が2桁台を維持
◯スイス中銀(SNB) 0.5%利上げ ➡1.5% さらなる利上げ示唆
◯ノルウェー中銀 0.25%利上げ ➡3.0%
先週はクレディ・スイス問題で不安が広がる中
ECB(欧州中央銀行)も0.5%の利上げを決定しています。
欧米の中央銀行は金融システム不安に日和ることなく、
粛々とインフレ退治、金融引締に動いていますね。
利上げでポンドも堅調ですが1.244ドル近辺に強い抵抗が。
このレンジ上限抵抗を抜けると大きくポンド高が進みそうでもあります。
※ポンドドル日足
というのも月足でポンドドル相場を俯瞰すると
去年の9月のトラスショックの安値で1985年につけた安値と面合わせ。
Wボトム達成で上昇を開始したようにも見えます。
黄色の点線くらいまでリバウンドしてもいいような気がしますね。
時間はかかるかと思いますが。
※ポンドドル月足
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それから気になるのが人民元の上昇。
今日は香港ハンセン指数も上がっています。
これは中露会談が関係しているでしょうか?
中国の習近平国家主席が3月20日から3日の日程でロシアを国事訪問し、
プーチン大統領と会談しました。
ここでプーチン大統領がこんな事を言ったようです。
https://twitter.com/AZgeopolitics/status/1638195164052168705
「ロシアとアジア、アフリカ、ラテンアメリカの決済は人民元でやっても良い」
と人民元決済通貨構想に言及?
これを受けての人民元高、ドル安なのだとしたら不気味ですね。。。
基軸通貨ドルへの対立軸を強化させよようというわけです。
ドルの地盤沈下が進むのが怖い、、、と
長期的にゴールド保有を考える投資家が増えそうです。
※ドル人民元 単純にドル安のせいで人民元高なのかもしれませんが、、、
※香港ハンセン指数 株も上がってます。
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NOTE
●日銀はYCC修正に当面動けずの声、FRBが金融不安で見極めモード
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-23/RRYFLFDWX2PS01
色々思うことありますが割愛。
今日は第一生命経済研究所の永濱利廣氏にお話をうかがいました。
まさしく新植田日銀スタートでの注目点、留意点を解説いただいています。
必見です!!
<植田新日銀と岸田政権の経済政策>
『割安日本への投資は本格化するか』
https://youtu.be/iCHP_pr9QPA
◎米金融不安とFOMC
◎リフレでも反リフレでもない植田日銀
◎岸田政権の経済政策
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