リーマンショックの教訓からか、米国の対応は早い。
東京市場オープン前にはSVBの預金全額保護スキームを発表。
信用リスクの拡大に歯止めをかけようとスピーディな決断です。
●シリコンバレー銀行の預金全額保護 FRBが緊急融資枠
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN122WD0S3A310C2000000/
「バンク・ターム・ファンディングプログラム(BTFP)」FRBの融資プログラム。
➡米国債や住宅ローン担保証券を担保として最長1年の融資
➡政府の基金から最大250億ドルを利用できる
米当局は預金者を見捨てない--
このメッセージは大きい。
同様の問題を抱える他行の取り付け騒ぎが起こるリスクを低減させます。
これを受けて月曜の先物市場ではダウ、NASDAQなどが急反発しました。
しかし、これは預金者のみが保護対象。
銀行や株主等は保護の対象外です。
今日13日はシグネチャーバンクが事業停止に追い込まれ
(わずか1週間で3行目の破綻)
ファースト・リパブリック・バンク、
ウエスタン・ライアンス・バンコープなど銀行株が軒並み急落しています。
●シグネチャー・バンク事業停止、NY州当局-SVB破綻の余波
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-12/RRFICYT0G1KW01
●米銀行株が全面安、地銀急落で取引停止続出-当局行動も売り止まらず
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-13/RRGUCJT1UM0W01?srnd=cojp-v2
・ファースト・リパブリック・バンク一時79%安、数回にわたって取引が停止
・ウェスタン・アライアンス・バンコープ一時85%安、上場来最大の下落率
・パックウェスト・バンコープ60%下落、過去最安値を更新
・カスタマーズ・バンコープ、コメリカ、イースト・ウェスト・バンコープ、
ハワイ銀行なども下落率が20%超え、取引が停止
オンライン取引のチャールズ・シュワブなども大きな下落に見舞われています。
●シュワブ株が上場来最大の下げ、不安払拭に躍起-顧客資産7兆ドル超
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-13/RRGS6CDWLU6801
・売買再開後に一時23%下げて45ドルに、その後は8%安近辺で推移
・銀行預金の80%超はFDICの保険適用下にある
ところが今夜の米国株市場、銀行株銘柄群は軒並み安ですが
インデックスは反発基調にあるんですよ。
※主要株価インデックス 軒並み反発基調に
米金融政策のピボット=引き締めの終わりを先取りしている可能性も。
~というのも、ゴールドマン・サックスやPIMCOが
3月今月のFOMCでの利上げはないと予想を出してきた。
●ゴールドマン、3月の米利上げもはや想定せず-今後の不確実性に言及
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-13/RRFV8AT0AFBC01
●FRBは状況を留意、3月に利上げ停止も-ピムコのアイバシン氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-13/RRGQRYDWRGG001
先週まで0.5%の利上げをほぼ折り込んでいましたが、
やはり0.25%になるだろう、という見方が大勢となっていますが
まさかの利上げの停止?!
●米利上げ停止の観測広がる、SVB余波で国債に逃避-円が上昇
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-13/RRGDZ5T0AFB401
Fedウォッチは7月の利下げまで折り込み始めました。
こうした見方が広がる中で急速に米金利が低下。
これを受けて株式市場は意外と下げ渋っているということのようです。
※米国債利回り一覧
しかし、米金利の急低下、これちょっと尋常じゃありません。
これを見て株を買う勇気はないです💦
当局の預金者保護=流動性の供給は市場に安心感を与えようというものですが
金融関係者らの一部からは否定的な見解も。
モラルハザードにつながる、ということね。
●米当局の銀行救済策、アックマン氏とガンドラック氏はトラブル警告
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-13/RRG9XKT0G1KW01
・ガンドラック氏
連邦準備制度は額面よりも価値が40%低い証券を担保に
額面と同額の融資をするということだ。ひどい話だ。
・ラボバンクのストラテジスト
当局が金融環境の事実上の大幅緩和を容認したと考え、
モラルハザードが高まるだろう
混乱は欧州市場でも。
今週木曜はECB理事会がありますが、利上げ幅が縮小されそう。
●ユーロ圏規制当局、米SVB破綻の域内銀行への影響は限定的と想定
https://jp.reuters.com/article/global-banks-svb-ecb-idJPL4N35L3ZL?il=0
・13日の取引でユーロ圏銀行株が一時7%安、独コメルツ銀行も15%急落したが~
・今週のECB理事会、市場は0.25%利上げの確率を60%織り込む。
これまで0.5%利上げ予想が大勢だった。
NOTE
●焦点:イランとサウジの正常化電撃合意、米の影響力低下鮮明に
https://jp.reuters.com/article/iran-saudi-diplomacy-china-idJPKBN2VF0BR
これ、長い目でみれば基軸通貨ドル体制のプレゼンス低下となる話では?
ペトロダラーからペトロ人民元へ。
政治的に中国が存在感を示すというだけでなく
石油の決済を人民元で行う構想を着々と進めているようにも見えます。
繰り返される米国の金融危機とドルのマネタリーベース増加。
対立国へのドル資産凍結などの制裁。
米国と距離を置こうという国が増えていくリスクです。
そうなると、ゴールドです。
足元は米金利低下がゴールド急反騰の材料ですが
長期的にはドル信任低下によるゴールドの時代到来という可能性も。
※ドル建てゴールド
ドル円135.95円
豪ドル円89.94円
ダウCFD32350ドル
NASDAQ12045ドル
ショート継続です。
明日は米国2月CPIの発表にも注目。
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