2023年3月20日月曜日

 VIX上昇は限定的、リスクオフ相場も沈静化しつつあります。
先週の米国株市場はダウこそ2週連続下落となったものの
S&P500やナスダック指数などは週間では上昇しています。
●ダウ平均 週間で▼0.15%
●S&P500種株価指数    週間で 1.4%上昇(銀行株が下落し続けているが)
●ナスダック100指数は週間で 5.8%上昇

VIX

米主要株価インデックス
銀行破綻リスクは去ったのでしょうか。
足元では資金供給プログラムが効いていると見られます。
おかげでFRBのバランスシートが急拡大。

●米FRB資金供給制度の利用が過去最高更新、バランスシート拡大
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-lending-idJPKBN2VJ00I
FRBの金融機関への資金供給制度の利用額が過去最高を更新
➡バンクターム・ファンディング・プログラム(BTFP)利用額は119億ドル
➡連銀窓口貸出利用額は15日までの1週間で1529億ドル
 (これまでの最高額である1120億ドル(2008年)を上回る)
➡FRBバランスシートは過去1週間で約3000億ドル増の約8兆7000億ドルに
➡昨年夏以降、9兆ドル弱あったバランスシートを縮小してきたが、一部が帳消し
これってQE再開も同然では?
ということで株があまり落ちなかった可能性が。
ゴールドが急騰しているのが象徴的ですね。
しかし、これが正しかったのか?
イエレン財務長官、共和党員に詰められています。

●Watch: Yellen Stammers After Senator Corners Her On Bailouts, Protecting CCP-Linked Deposits
https://www.zerohedge.com/political/watch-yellen-stammers-after-senator-corners-her-bailouts-protecting-ccp-linked-deposits

シリコンバレー、シグネチャーバンクの預金全額保護、
他の銀行も全て助けてくれるのか?という質問に対してYESと言えないイエレン。

さらに、中国共産党との関係を含む多くの中国のファンドや新興企業が
SVBに投資していた、これらも救うのか?とも問われ
「外国人預金者も含まれる可能性があると思う」と答えています。
マルコ・ルビオ上院議員は、水曜日にイエレンに宛てた書簡で、
米国政府は「敵対的な外国の敵対者」がSVBの破綻から利益を得ることが
ないよう要請していますが、
この点来年の大統領選挙に響きませんか?民主党。

結局、全ての預金を政府が全面的に保証することを
意味するわけではないと答えています。
●米銀行システムは健全、預金全ては保証されず=財務長官
https://jp.reuters.com/article/global-banks-svb-yellen-idJPKBN2VI1JY
保険対象外の預金全てが保証されるのかという議員からの質問に対し、
銀行がそのような措置を受けるのは、
米連邦準備理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)、
そして「私が大統領と協議の上、保険対象外の預金を保護しなければ
システミックリスクが生じ、経済・金融に重大な影響を及ぼすと
(圧倒的多数が)判断した場合のみ。

FRBとFDICと大統領と私が協議の上決定する、ですって。
しかし地銀など中規模銀行団体は、全額保護しろ!と要請。

●米中規模銀行の団体、今後2年間の預金全額保護訴え-規制当局に書簡
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-19/RRQS66T0AFB401
モラルハザードとかダブルスタンダードが生じるのでは?など紛糾し
それが事によってはまたマーケットのセンチメントを冷やすことが
あるかもしれませんね。
今起きていることは、規模の小さな銀行から
破綻リスクが小さい大きな銀行への資金シフト。
この流れの中で、ビットコインなども上がっているとの指摘も。
米国でも銀行再編が進むのでしょうか?
日本がバブル崩壊後大再編が起きたように。

●米ファースト・シチズンズがシリコンバレー銀行買収を検討-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-19/RRQZJ8T1UM0W01
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先週は預金者保護プログラムが発表されたこととで
ひとまずマーケットが落ち着いた格好ですが、
今週の注目はFOMCですね、利上げがあるのか、ないのか。

●FRB、利上げの継続か一時停止かで難しい判断に直面-今週FOMC
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-19/RRR8HMT1UM0W01

Fedウォッチでは0.25%利上げ確率が60%程度。
40%程度が利上げなしを見込んでいます。
そして5月FOMCでは利上げせず、
6月には利下げが開始されるとのコンセンサスが
醸成されつつあるようです。

あっても0.25%、そこでパウエル議長がはっきりと
もう利上げがないと明言するか。
あるいは今回見送ってインフレ指標次第ではまだ利上げもあり得ると述べるのか。

利上げしてなお、まだ金利は上がる可能性があるというタカ派メッセージが
出されたら最悪。その時はリスクオフ再開となると思われます。

利上げしてもしなくても、市場に発するメッセージは
ハトにならざるをえない状況になったと思うのですが、
先々週の議会証言でタカ派メッセージを発信したばかりですからねぇ。。。

政策金利比較
米金利が急低下していることや、今後FRBはハト派的にならざるをえないだろう、
ということからドル売りが優勢になってくるのでは?と思いますが
2月にNZ中銀(RBNZ)が4.75%へと0.5%の利上げを実施して米国に並んでいます。
しかも、インフレは依然として高すぎるとし、
追加引き締めを継続するとしています。
中銀はOCRが23年に5.5%でピークに達するとの見通しを改めて示していますが
今回の欧米の銀行システム不安がNZの金融政策にまで影響を及ぼすでしょうか?
次回金融政策は4月5日です。
米国より金利が高くなるならNZドルへと資金シフトが進むかも?
ということで何処かでNZドルを狙ってみたいですね。

3/21 (火) 06:45 NZ 2月貿易収支 ここで下がれば・・・

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クレディ・スイスは国有化されるかも。

●スイス政府、クレディS全体もしくは一部の国有化を検討-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-19/RRRUTAT0AFB401?srnd=cojp-v2

UBSによる買収の可能性も出ていますが
ずいぶん安く買い叩かれそうで、クレディ・スイスが難色を示しています。

●UBS提示の買収案、低過ぎるとクレディ・スイスが難色-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-19/RRRPZ1T0AFB401
UBS、CSを最大10億ドル(約1320億円)で買収することを提案
~GSIB,システム的に重要な銀行認定されているCSの買収額がわずか1300億とは。

日本企業の時価総額ランキングをどうぞ。
https://strainer.jp/companies
1300億だとトクヤマとか阪和興業とかと同じレベルかな。
王将でさえ1364億ありますね。
日本一がトヨタ、36兆4884億円。
世界一がアップル、323兆円。
そりゃCSが1300億ってのは安すぎる気もしますが・・・。

あ、先程、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が、
UBSが20億ドル(約2640億円)以上でクレディ・スイスを
買収することで合意したと報じています。

●クレディ・スイス買収、スイス金融大手UBSが20億ドル以上で合意…英FT
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230320-OYT1T50051/
実現すれば、スイスの2大銀行が統合する大型再編。
2600億円だとイオンフィナンシャルとか、三菱マテリアルとか、
ヤオコーの時価総額規模ね。それでも安いわよね。

ともかく、CSが破綻してリーマンショックのようなことになるなんて事態は
ありませんので、ぼちぼち買えるものを選別して買い出動してもいいのでは?
と思っています。
しかしこのところ週末土日に救済策が決定しますね。
あっという間に事態が進んでいきます。

ナスダックCFD12277ドルロング
日経平均CFD26935円ロング継続。

米個別銘柄ではコインベースを。

相次ぐ米銀行破綻で待望の仮想通貨デカップリング開始?【オピニオン】
https://jp.cointelegraph.com/news/opinion-ledger-insight-of-the-week-2023-0318

*********今週の主な予定************
3/20(月)
●3月 9・10日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」
●日銀副総裁就任予定
●習近平中国国家主席、ロシアでプーチン大統領と会談の計画(今週)

21(火)
●春分の日
●独 3月 ZEW 景況感指数(19:00)
●米 2月中古住宅販売件数(23:00)

22(水)
●FOMC
●イスラム、ラマダン入り(〜4/20 頃)

23(木)
●2月全国百貨店売上高(14:30)
●トルコ中銀金融政策決定会合
●英金融政策委員会
●米 10-12月期経常収支(21:30)
●米 2月新築住宅販売件数(23:00)

24(金)
●2月消費者物価(8:30)
●米 2月耐久財受注(21:30)
●米 3月 S&P グローバル米国製造業 PMI(22:45)

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