そろそろ来そうだとは思っていました、米株下落。
債券市場ではこのところ米国債1ヶ月金利(Treasury Bills=TB)が
急低下しており、3ヶ月金利との乖離が話題。
この債券市場の混乱は迫る債務上限問題を織り込む動きと思われ、
これが株式市場でも意識され始めたのではないかと推察。
■イエレン米財務長官、債務上限引き上げ改めて訴え-回復「台無しに」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-04-25/RTOB18DWRGG001
■米国債務上限問題 市場はデフォルトリスクを警戒
https://www.pictet.co.jp/investment-information/market/deep-insight/20230425.html
★米債務残高は今年1月に法定上限の31兆4000億ドル(約4206兆円)に到達。
➡政府が国債発行などで借金できる債務残高の枠に到達、これ以上借りられない…
=政府が利払いなどができなくなれば「債務不履行=デフォルト」
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現在、特別措置でデフォルト回避(公務員年金の運用資金の流用など)
➡7~9月には債務不履行に陥る可能性が指摘されていた
⬇
ゴールドマン・サックス 6月にも債務不履行に陥るリスクを指摘
➡4月は所得税納税月だが、見込みより税収が上がらない可能性が・・・
⬇
・債務上限を引き上げるか、期限付きで凍結する必要がある
・債務上限を引き上げるには、議会、上下院で法案を可決する必要。
・上院は民主党が過半数も、下院は共和党が過半数の「ねじれ議会」
・4月17日
共和党のマッカーシー下院議長、NY証券取引所での講演で
「Limit, Save, Grow Act of 2023」と題した法案を披露。
・連邦債務上限の一時凍結又は連邦債務上限を1.5兆ドル引き上げる代わりに
連邦政府の支出を10年かけて4.5兆ドル削減要求
(クリーン・エネルギー税控除の廃止/エネルギー規制改革
学生ローン支払い免除、停止措置の中止などを求めている)
➡この要求は「民主党の目玉政策の廃止(削減)」
民主党はこれを飲めるワケがない
➡また下院、共和党も一枚岩ではない
「フリーダム・コーカス(自由議連)」と呼ばれる保守強硬派は
共和党政策方針に賛同していないため、まとまらない可能性
グダグダやってると2011年の悪夢が・・・
★2011年米国債ショック
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E5%82%B5%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF
2011年7月13日 - ムーディーズ、アメリカの政府債務格付けを引き下げ方向で見直すと発表
2011年7月15日 - S&P、米国債を「クレジットウォッチ・ネガティブ」に指定
2011年7月23日 - オバマ大統領とベイナー下院議長との交渉が決裂
2011年8月5日 - 格付け機関S&Pが、長期発行体格付けをAAAからAA+に格下げ
2011年8月8日 - 世界同時株安。
その時の米株、S&P500の値動き。
この年は3.11もありました。。。
冒頭に書きましたが、
1ヶ月モノの米国債利回りが異様な値動きを見せています。(黄色ライン)
3月の米銀破綻の金融システムリスク以降、預金からMMFへの資金シフトの
傾向が強まっていますが、このMMFマネー、債務上限問題が迫っていることもあり
TB1ヶ月物に資金を集中させているのではないか、と指摘されています。
万が一6月にテクニカルデフォルトに近い事象を経験するリスクに
備えている可能性があるということでしょうか。
3ヶ月~1年利回りは逆に上昇しており、資金が抜けていることが確認できます。
というわけで、債券市場はすでに身構えていたわけですが、
先のピクテの記事から抜粋した米国CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が
ご覧の急上昇。
というわけで、リスクポジションを解消しておこうという動きが
いよいよで始めたのかな、、、とみていますが、
今夜から米ハイテク企業決算が相次いででてきますので
そのリスクも避けたいところでしょうか。
為替市場は久しぶりの、円高ドル高です(よってドル円は小動き)
典型的なリスクオフ時の値動きですので、要警戒。
※ドルストレート通貨日足
※ドル円、クロス円通貨日足
再度、豪ドルドルを0.6654ドルで
豪ドル円を89.10円で売り参戦しました。
NZドル円82.72円S
0.6280ドルキウイドルS継続中。
強かった欧州通貨まで崩れてきています。
この流れが加速するのか、短期的な懸念で終わるのかは
米議会が債務上限問題を使ってプロレスするのを止めて
さっさと上限を引き上げるか、凍結するかにかかっていますが、
来年の大統領選、議会選挙を控えて、
両党共に重要なパフォーマンスの機会でもありますので
簡単には解決しなそうなのがマーケットの最大のリスクです。
最後の最後には必ずどうにかなるのはわかってはいるのですが・・・・
今夜発表の米指標は良かったんですけど、今夜のマーケットは
こうした指標は材料視していないと思われます。
米新築住宅販売、3月は9.6%増の68.3万戸 1年ぶり高水準
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-housing-idJPL6N36S0CR?il=0
米ケース・シラー住宅価格、2月上昇 ローン金利低下で需要増
https://jp.reuters.com/article/usa-economy-homes-caseshiller-idJPKBN2WM1JM?il=0
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