2023年4月3日月曜日

 銀行破綻などの金融システム不安は一服、
再び経済指標を重要視するマーケットに戻ったということでしょうか。

先週発表された米インフレ指標で金利が再低下。
これがドルを低下させ、株を上昇させています。要するにリスクオン!

■米PCE価格指数、コアの伸びが予想下回る-実質個人消費は減少
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-31/RSDXGDDWLU6801
・PCEコア価格指数、前月比0.3%上昇(予想0.4%上昇)
          前年同月比 4.6%上昇(予想4.7%上昇)
                   2021年10月以来の低い伸び
・インフレ調整後の実質PCEは前月比▼0.1%(1月+1.5%)
          財とサービス共に支出が減少した
※PCEは「個人消費支出」
CPIに比べてPCEの方がカバーする範囲が広く、より実態に近い指標と
されておりFRBが金融政策を司る際に重要視するインフレ指標です。

このPCEが予想を下回っていた。
ということで、米市場金利はこの通り、再び低下。

※米国債利回り一覧

FedWatchでは5月の利上げ折込みが後退。
3月FOMCでの利上げが最後になる可能性が強まっている状況。
9月FOMCでの利下げ開始を織り込んでいます。
これはあくまで現状の折込であり
実際には今後の経済指標次第で日々変化するものですが。
FRB当局者も今後の政策はデーター次第と発言していますね。

■NY連銀総裁、金融政策は「データと責務の達成度合い」が導く
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-31/RSEHBADWX2PS01
・ウィリアムズ総裁、CPI今年約3.25%に低下、その後2年で2%に一段と近づく
 ~銀行システムの一部にあるストレスは、信用状況の引き締まりにつながる可能性

・クック理事、銀行不安が今年の経済成長に逆風、
     さらなる利上げは今後のデータの強さ次第

元財務長官サマーズ氏は金融システム不安についてまだ安心できないぞ、と発言。

■米金融問題、峠越えたと青信号を出すには「時期尚早」-サマーズ氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-31/RSE7DODWLU6901
信用収縮につながる他の「アクシデント」が起こる可能性は依然としてある

先のことはわからない、とはいえ、インフレ指標の軟化で
金利が下がり、秋口からの利下げ期待も織り込まれる中では
リスク資産投資への悲観が後退しリスクテイクに動く向きも出てきます。

というわけで米株はご覧の上昇。
特に金利に敏感なセクターであるテック関連、ナスダック総合が
高値を更新する勢い。

※米国主要株価インデックス
となると、日本株も上がってくれるかも・・・
日経平均はレジスタンスを超える期待を持ってもいい?!
ただし、為替市場では典型的なリスクオン相場という動きには
なっていませんので注意。
ドル安であり、円安であるというのが典型的なリスクオン相場。
どちらかというとドル安の圧力が強くドル円が上昇、
そしてドル円の牽引されてクロス円が上昇する、というのがリスクオンですが
先週末金曜日は、ドル円クロス円が売られて終わっています。

※ドル円、クロス円日足チャート一覧  金曜日は上ヒゲ示現、

これはなぜなのか?

チャート的にドル円がボリンジャーのミドルラインできれいに反落しており
テクニカルな手仕舞いがあった可能性もありますし、
先週は月末であり年度末でもあったため
先週のドル円反発上昇の動きは年度末の特殊なドル需要があっただけだという可能性も。
となれば新年度入りでドル円上昇の流れがガラリと変わってしまうこともあり得ますね。
※ドル円日足
また前述したように、米国インフレの鈍化で米金利が低下しており
これ以上の日米の金利差拡大が見込めないとなれば
ドル円上昇の燃料不足となります。

更にこんなニュースも。

■ブルーベイ、日銀のYCC放棄予想-日本国債ショート最大限に増やす
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-31/RSDWXWDWRGG001?srnd=cojp-v2

また仕掛けてきているのですね。ブルーベイ。
12月のYCC修正発表で成功したので、再び、というわけね。
ブルーベイはリスクマックスで勝負に出ているようです。

つまり、日本国債売り➡日本国債利回り上昇です。

10年金利をチェックすると主要国の金利は米国に歩調をあわせる恰好で
すべからく低下しているのに、日本の金利だけが上昇しています。
ブルーベイは6月に日銀がYCCを解除すると読んでいるようですが、
こうした仕掛けがマーケットの流行になれば
ドル円は催促相場の様相を呈して下落(円高になる)していく可能性があります。

それも、ドル金利が大きく上昇している局面では意味がないですが
ドル金利上昇圧力が低下しているとなると、
ドル円相場には円高となって効いてきてしまう可能性が。

先週つくったドル円、ユーロ円のポジションですがすでに手仕舞いました。

ドル年131.60円ロング➡133.04円で手仕舞い
ユーロ円142.70円ロング ➡144.43円で手仕舞い

戻り売り相場になりそう、、、という気がしていますが
4月新年度スタートで実需筋の新たな動きも影響してくるでしょうから
それらを見極めてから動いても遅くはなさそうです。

あ、今週は米国3月分の雇用統計発表もありますね。
これはまた今週何処かで取り上げます。

****今週の予定*********

4/3(月)
●3月調査日銀短観(8:50)
●中国 3月 Caixin 製造業 PMI(10:45)
●米 3月 ISM 製造業景況指数(23:00)
4(火)

●米 2月製造業受注(23:00)
●米 2月 JOLT 求人件数(23:00)
●休場:インド

5(水)
●NZ準備銀行金融政策決定会合
●米 3月ADP雇用統計(21:15)
●米 2月貿易収支(21:30)
●米 3月 ISM 非製造業景況指数(23:00)
●休場:中国、香港

6(木)
●インド準備銀行金融政策決定会合

7(金)
●2月毎月勤労統計調査、2月家計調査(8:30)
●2月景気動向指数(14:00)
●米 3月雇用統計(21:30)
●聖金曜日により米(為替は通常取引)、欧州、アジア主要市場が休場

8(土)
●黒田日銀総裁、任期満了

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