2023年9月4日月曜日

雇用統計を受けてまたもドル円乱高下。
(前日木曜はロンフィクで乱高下してましたよね💦)
まずは雇用統計の数字から。

・8月非農業部門雇用者数:+18.7万人
                           (予想:+17.0万人、7月:+15.7万人←+18.7万人)
   ~NFPは予想を上回る強さも、7月分は下方修正されている。
   
・8月失業率:3.8%(予想:3.5%、7月:3.5%)
   ~1年半ぶりの高水準へと悪化
 
・8月平均時給:前年比+4.3%(予想:+4.3%、6月:+4.4%)
   ~22年2月来で最低
   
・労働参加率は予想外に62.6%から62.8%へ上昇
   ~パンデミック前の20年2月来で最高

労働市場の減速を示す結果を受け
年内追加利上げ観測が一層後退することとなり、
雇用統計の数字が発表された直後はドル金利が急低下。
金利低下を受けてドル円も急落したのですが、
あっという間に金利が反騰し(特に長期金利)
ドル円も急落前の水準より上昇して取引を終えました。

※米長期金利5分足 下落したのは一瞬だった

金利がすぐさま切返した理由は定かではありませんが、
NYクローズにむけ金利上昇を加速させたのが、
雇用統計の後に発表された指標が予想を上回る強さだったためでしょう。
   
・8月ISM製造業景況指数:47.6(予想:47.0、7月:46.4)
    50を下回っているものの、6ヶ月ぶりの高水準へ上昇
 持ち直しの機運。


・8月製造業PMI改定値:47.9(予想:47.0、速報値:47.0)
・7月建設支出:前月比+0.7%(予想:+0.5%、6月:+0.6%←+0.5%)

※ドル円5分
日足で見ると、レンジですね。
※ドル円日足 ながい下ヒゲをつけましたが実体はもみ合っているだけ


144.50を割れて下落するかと思ったのですが、
なかなかにしつこいドル買いが入りますね。
ああいう下落時に介入でも入れば効きそうですが、
介入警戒などほとんどなくなってしまったような相場です。

米長期金利が再浮上しそうなことがドル強気の背景にあったわけですが
ドル金利のピークアウトに確信が持てないうちは、
ドル円もトップアウトしないということでしょう。

この記事読んでると、もうドル金利はトップアウトしたから
ドル円売りでもいいという見方になるんだけど、、、、

米利上げ完了と投資家は判断も-雇用統計受けブラックロックやピムコ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-03/S0DPPOT0G1KW01?srnd=cojp-v2

熱の下がった米雇用市場、FRBに利上げ見送りの余地-今のところは
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-01/S0BBIBDWLU6801

ドル円はレンジだと思って取引したほうが良さそう。。
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9月、米国FOMCの利上げ織り込みはほとんどありませんが、
欧州ECBはどうでしょうか。
9月14日にECB理事会です。

8月31日に公表された7月ECBr次回議事録。
ECB、9月利上げ視野 予測次第で不要との主張も=議事要旨
https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-accounts-idJPKBN3061EB
・9月の利上げを視野に入れると同時に、
 新たな経済予測が発表されれば追加利上げは必要ないとの主張も

7月ECB理事会の後に発表された欧州圏のPMI指標などは軒並み悪かったですからねぇ、
9月利上げ不要論が強まっている可能性はありそう。

ECB、利上げサイクルの終了に近い-ビルロワドガロー仏中銀総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-01/S0APYJDWRGG001
・今月の政策委会合で何をするかはまだ決めていないが、利上げサイクルの終わりは近い

焦点:久しぶりに不透明なECBの次の一手、経済軟化とインフレ高止まりで
https://jp.reuters.com/article/eurozone-markets-ecb-idJPKBN30727F

31日時点での短期金融市場の9月ECBでの利上げ織り込みは30%程度
(先週は一時60%まで上昇していた)

インフレはまだ強いものの景気へ配慮するなら利上げは打ち止めとなるのでは?
というコンセンサスが形成されているとの記事。
となると、ユーロはやはりトップアウトしてしまっているのではないか。

※ユーロドル 週足 戻り売り狙い



今週は欧州の7月生産者物価指数にも注目。
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そして今週は9月5日(火曜)豪州RBA会合にも注目。

今回9月会合では 政策金利は 4.1%で据え置かれる見通し。

コロナショックで0.1%まで引き下げられた政策金利(過去最低金利)ですが
22年5月から利上げスタート。
23年3月会合まで10会合連続で利上げし3.6%へ。
4月RBAで金利据え置き。
ところが5月と6月、市場予想に反して利上げを実施し4.1%へ。
7月.8月は利上げなし、据え置きです。

今年5.6月は据え置き予想だったのに利上げしていますので
やるときはやるRBAですが、現在のインフレ指標からは
今回9月RBAでの利上げは考えにくいですね。

8月30日に発表の7月の豪CPIは、前年比+4.9% (予想5.2%)
昨年2月以来約1年半ぶりに5%の大台を割り込む鈍化となりました。
豪CPIピークは22年12月+8.4%
RBAのインフレターゲットは2~3%です。
まだターゲットよりはインフレ率は高いことは高いのですが、
インフレ基調は低下傾向ですので、経済を壊す方向に動くまでもないでしょう。

◆豪1〜3月GDPは +0.2%(22年10-12月期の+0.5%から鈍化) 
 ~個人消費の伸びが鈍化、21年9月以来伸び率が最低水準
 ~家計の貯蓄率は3.7%と前四半期の4.4%から下落し、08年6月以来、最低水準
◆豪州4-6月期GDPは9月6日(RBAの翌日)に発表されます。

今回が現RBA総裁であるロウ氏の最後の会合です。
(2016年9月18日から7年に渡って豪中銀総裁を務めた)
(新総裁は現副総裁のミシェル・ブロック氏)

先週は豪ドルの反発狙いでロングポジを持っていましたが
伸びないので撤退しています。23.6%戻りで止められた格好。
※豪ドルドル日足

半値くらい戻ってくれたら売り向かいたいところですが
そこまで上昇はないでしょうか。
この位置から売るのはどうも気が進みませんね。

**********今週の予定************

◆4日(月)
08:50 日8月マネタリーベース
10:30 豪4-6月期企業営業利益
15:00 独7月貿易収支
16:00 スイス4-6月期GDP統計
16:00 トルコ8月消費者物価指数
16:00 トルコ8月生産者物価指数
17:30 ユーロ圏9月投資家信頼感指数
22:00 イスラエル中銀、政策金利発表

[米国]レーバーデーの祝日で株式・債券市場休場

◆5日(火)
08:01 英8月BRC小売売上高
08:30 日7月全世帯家計調査
10:00 NZ8月ANZ商品価格指数
10:45 中国8月財新メディア非製造業PMI
13:30 オーストラリア中銀、政策金利発表
18:00 ユーロ圏7月生産者物価指数
18:30 南ア4-6月期GDP統計
23:00 米7月製造業受注指数
23:00 米9月IBD/TIPP景気楽観指数

◆6日(水)
10:30 豪4-6月期GDP統計
14:00 高田日銀審議委員、記者会見[下関市]
15:00 独7月製造業受注
16:30 独9月建設業PMI
18:00 ユーロ圏7月小売売上高
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
21:30 米7月貿易収支
22:00 前セントルイス連銀総裁のブラード氏講演
22:15 ベイリー英中銀総裁、財務委員会で議会証言
23:00 カナダ中銀、政策金利発表
23:00 米8月ISM非製造業総合指数
27:00 米地区連銀経済報告[ベージュブック]

◆7日(木)
07:45 NZ4-6月期製造業売上高
10:30 豪7月貿易収支
12:10 ロウ豪中銀総裁、講演
14:00 日7月景気動向指数[速報]
15:00 英8月ハリファックス住宅価格
15:00 独7月鉱工業生産
16:00 ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ウンシュ・ベルギー中銀総裁が講演
16:30 ビルロワドガロー仏中銀総裁、ノット・オランダ中銀総裁が講演
17:00 伊7月小売売上高
17:30 エルダーソンECB理事、講演
17:30 英中銀、インフレ期待に関するパネル調査を公表
21:30 米新規失業保険申請件数
23:00 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、講演
28:30 ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、ブルームバーグのイベントに参加
28:45 ボスティック・アトランタ連銀総裁、経済見通しについて講演

◆8日(金)
08:30 日7月毎月勤労統計
08:50 日4-6月期GDP統計[二次速報]
08:50 日7月国際収支統計
14:00 日8月景気ウォッチャー調査
15:45 仏7月鉱工業生産/製造業生産
17:00 台湾8月貿易収支
21:30 加8月雇用統計
21:30 加4-6月期設備稼働率
23:00 米7月卸売在庫[確報]
23:00 米7月卸売売上高
25:00 米資金循環統計[FRB]
28:00 米7月消費者信用残高

◆9日(土)
10:30 中国8月消費者物価指数
10:30 中国8月生産者物価指数

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