2023年9月11日月曜日

 ドル円、先週金曜NYクローズは147.70円台ほぼ高値引け。

先週は神田財務官、鈴木財務大臣らから
為替市場への牽制発言があったのすが。

◆6日(水)=神田財務官
・「足元をみると投機的な行動、あるいはファンダメンタルズでは
  説明できないような動きがみられる」
・為替介入に踏み切った昨年に続き「今年も急激な変動が起こっている」
・「あらゆる選択肢を排除せずに適切に対応していく」

◆8日(金)=鈴木財務相
・為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」
・「過度な変動は望ましくない」
・「あらゆる選択肢を排除せず適切な対応を取りたい」

鈴木財務相の発言を受けてドル円相場は
147円前半から146円半ばまで急落する局面もありましたが
すぐさま反発し、結局147円台でNYクローズ。

金曜日はドル金利が反発上昇していました。
結局のところ、ドル金利が完全にピークアウトして下落基調にでもならない限り
ドル円相場は上値追いの展開が続くということか。

そして話題は週末土曜日の読売新聞一面の記事。

マイナス金利解除「物価上昇に確信持てれば選択肢」…植田日銀総裁インタビュー
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230908-OYT1T50416/
「物価目標の実現にはまだ距離がある。粘り強い金融緩和を続ける」との立場は維持
その上で
「経済・物価情勢が上振れした場合、いろいろな手段について選択肢はある」
「マイナス金利の解除後も物価目標の達成が可能と判断すれば、(解除を)やる」
 ちょっと日本語が?ですが、
 物価目標2%達成可能との判断でマイナス金利解除をやる、ということか?
 
その時期について
来春の賃上げ動向を含め、
「年末までに十分な情報やデータがそろう可能性はゼロではない」

この年末までに、データーが揃う可能性があるというのは
ややインパクトが大きい印象です。
年内のYCC解除を予想する向きは増えていますが
年内にマイナス金利解除もありうるということ?
 
※マイナス金利政策(2016年1月~)
金融機関が日銀に資金を預ける「当座預金」を
政策金利残高、マクロ加算残高、基礎残高の3層に分け、
それぞれ▼0.1%、ゼロ%、0.1%の金利を付けることで裁定行動を促し、
無担保コール翌日物金利を小幅のマイナスに誘導する政策。

民間の金融機関が日銀に預けている当座預金金利をマイナスにすることで
金融機関が日銀に金利を支払わなくてはならなくするもので
金融機関は日銀に資金を置きっぱなしにするのではなく
企業への貸出や投資に資金を回すように促す目的があります。

データーが揃えば(早ければ年末判断可能Iということで
明日直ぐに円高になるということでもないと思いますが
異次元緩和を最後まで続けてきた日銀が舵を切る可能性が出てきた、
ということは意外とマクロマーケットへのインパクトは大きいかもしれません。

明日以降のドル円相場、そして世界株動向には一層注目ですね。

週末はエミンさん、岡崎さんと金沢セミナーでしたが
お二方とも、介入はいつ入っても不思議ではないと指摘されていました。
先週のドル円相場は日本の当局の牽制発言に随分反応が鈍かったですけど💦

当局は予告はしたわけですから
いつ介入が入っても大丈夫な資金管理をしておきましょう。

では具体的にどのタイミングで介入が入る可能性があるか。

今週は13日水曜にアメリカの消費者物価指数が発表されます。
総合 前回 +3.2% 予想 +3.6%↑)
コア 前回 +4.7% 予想 +4.3%⬇)

米CPIが強くでて、ドル金利がさらに上昇しドル高が加速した場合。
NY市場で介入が入る可能性も否定できませんね。
海外市場での介入はすでに去年の10月に経験しています。

14日(木)は生産者物価指数・米小売売上高
15日(金)ミシガン大学消費者信頼感指数 

そして9月19-20日FOMC

FOMCでメンバーの金利、経済見通し(ドットチャート)がアップデートされます。
今回9月FOMCでは26年の金利見通しも出てきます。
3年後ですが、これが下がっていれば意外とドル長期金利上昇が止まる可能性
あるんじゃないか、と岡崎さん。逆に26年の金利見通しが高いままだと
高金利政策が長期化するというわけで長期金利上昇圧力は続く。

ということでFOMCはドル長期金利を大きく動かすイベントですので
FOMC前後にドル金利上昇が加速しドル円上昇が加速すれば介入があるかも。

最速の介入の可能性は
今週のCPIイベント前後でドル金利がどう動くか、でしょうか。

※米国債利回り一覧

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今週はECB理事会も。

14日 欧州中銀(ECB)理事会~利上げの継続 割れる意見
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74317140Z00C23A9EA4000/
今回利上げを決めた場合、初の10会合連続利上げ。
0.25%の利上げなら中銀預金金利は4.0%へ。
1999年の単一通貨ユーロの誕生以降で最高を更新する。

しかし、足元で欧州企業の景況感は急速に冷え込み始めており、
7~9月期のユーロ圏の域内総生産(GDP)は再びマイナス成長に転落する恐れ

ところがインフレ率は高止まりしたまま。
8月CPIは+5.3%(コアCPIも+5.3%)米国の7月CPIは+3.2%まで低下している。

インフレ抑制なら追加利上げだが、景気が冷え込んでいるため
今回の利上げは意見が別れている。

ユーロドル1.07713ドルショート継続中。
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今週の主な予定

早ければ13日に内閣改造、岸田首相が表明 経済対策「大至急」
https://jp.reuters.com/world/china/DQEN55DRDBLH7M2CEOJ7YMKBWU-2023-09-10/

FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)(~21日)

11(月)
●8月マネーストック(8:50)
●8月工作機械受注(15:00)
●エルニーニョ監視速報

12(火)
●インド 8月消費者物価指数(21:00)
●独 9月 ZEW 景況感指数(18:00)
●英 7月雇用統計
●米アップル、イベント開催(新型のiPhoneやアップルウォッチ発表)

13(水)
●7-9月期法人企業景気予測調査(8:50)
●8月国内企業物価指数(8:50)
●米 8月消費者物価指数(21:30)
●米 8月財政収支(14日 3:00)

14(木)
●豪雇用統計(8月)
●7月機械受注(8:50)
●ECB 定例理事会(ラガルド総裁会見)
●米 8月小売売上高(21:30):米 8月生産者物価指数(21:30)

15(金)
●7月第三次産業活動指数(13:30)
●中国 8月工業生産(11:00)
●中国 8月小売売上高(11:00)
●中国 8月都市部固定資産投資(11:00)
●米 8月輸出入物価指数(21:30)
●米 9月 NY 連銀製造業景気指数(21:30)
●米 8月鉱工業生産・設備稼働率(22:15)

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