2023年10月2日月曜日

 米つなぎ予算成立、政府機関の閉鎖いったん回避 11月中旬まで
https://jp.reuters.com/world/us/OJIFU2Y6ZROY7I3PSBHDWM5H3I-2023-10-01/
30日の夜、米国「つなぎ予算」を可決。
あくまでつなぎ予算を使って政府機関閉鎖を回避した
というだけであって、10月1日スタートの
新たな会計年度の政府予算案はまだ合意できていません。

つなぎ予算は11月17日まで、ということで
それまでに予算規模やウクライナ支援などで
両党が歩み寄れるのかどうかがここからの焦点。
つなぎ予算にウクライナ支援が盛り込まれていません。
ウクライナ支援に反対しているのは共和党に多い。
また、共和党強硬派が強く求めている
国境警備強化案もつなぎ予算には含まれていませんでした。

なぜ政府機関閉鎖が回避されたか、というと
共和党のマッカーシー下院議長が、共和党強硬派を切り捨てて
民主党に歩み寄った結果とされています。
マッカーシーが国境警備を外し、
災害支援を盛り込む民主党の要望を受け入れました。

共和党強硬派がこのまま引きさがるとも思えず、
議長の解任に動くという指摘もあります。

政府機関閉鎖となれば民主党は共和党の反対のせいだ、
と主張しますから、マッカーシーはそれを避けるための
判断だったわけです。

共和党の不協和音がくすぶる中で
11月17日までの45日間に新年度予算を成立させられるのか。

11月半ばに再び政府機関閉鎖リスクが高まるものと思われますが、
ひとまず、今回はその危機を先送りできたということで
その分安心感からの株の巻き戻しなどは入りそう。

米国債売りからの米金利上昇も一服するでしょうから
一旦はドル安気味になるのでは?と思われますが、どうかな。

また、米金利上昇がそろそろ止まるのでは?というのが
これらのニュース。

◆ニューヨーク連銀総裁、米利上げが既に完了した可能性を示唆
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-29/S1RAL6T0G1KW01?srnd=cojp-v2

米コアPCE価格指数、8月の伸び2年ぶり4.0%下回る 基調圧力軽減
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/FOFNOLH7CJMA5PMYTMWYWFK27U-2023-09-29/
・食品とエネルギーを除外したコアPCE,
 前年同月比3.9%(前月4.3%)から減速(20年終盤以来の小幅な伸び)
・前月比は+0.1%にとどまる。

インフレの鈍化は、追加利上げの思惑を後退させるものです。
米短期金利(2年債利回り)の急低下は
追加利上げの公算が急速に後退したことによるものと考えれます。

※米国債利回り一覧

長期金利もつなぎ予算可決で、一旦は下げに転じるものと思われます。

となると、ドル円上昇も一服でしょうか??

通貨インデックスを比較すると
この夏まで強かった欧州通貨が随分下落しました。
そしてドルが今年最強通貨に躍り出たところですが、
一旦このドル高の流れが一服するのかどうかに注目。

※通貨インデックス比較
今週ドル金利上昇が一服してドル安のターンが来るようなら
ポンドドルショートは買い戻さないと、です。

今週はポンドショートを買い戻して、
豪ドルあたりを買ってみたいと思います。

というのも、中国の指標が改善してきたことを好感する可能性が。

中国製造業PMI、3月以来の拡大-先行きなお不透明も明るい兆候か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-30/S1S1X9DWLU6801
9月製造業PMI 50.2 (前月49.7) 半年ぶり50超え
 非製造業PMI 51.7 (前月51.0)
 製造業と非製造業を合わせた総合PMI 52.0(前月は51.3)

中国のリバウンドは、豪ドルのリバウンドを誘うかも、ということですが
投機筋はかなり豪ドルのショートを積み上げてきましたので
これ、ショートカバーが入ると結構豪ドルが戻りそうよね。

米国商品先物取引委員会 豪ドル 投機的ネットポジション

※日本の長期金利も上昇していますが
 これは米金利が上昇していることに連れ高となっているのと、
 日銀が29日、臨時で国債を買い入れるオペ=公開市場操作を
 10月2日に実施すると発表しています。

対象:残存期間が5年以上、10年以下の国債
買入額:3000億円
 
臨時の国債買い入れは、7月31日、8月3日以来。
YCCの柔軟化を決めた7月の日銀以降、金利の急上昇で
日銀は臨時の買い入れオペを2回実施していますが、今回10/2で3回目。

1%までの上昇を容認するとしていますが
臨時オペを繰り返しながら緩やかに動かしていきたい意思表示。

日銀による買い入れですから緩和の強化になります。
つまりドル円の上昇要因のひとつ。
ただ、上記の理由で米金利が急速に低下してくるなら
日本の長期債利回りも低下するでしょうから、
日本の金利上昇をそれほど恐れなくてもいいと思うのよね。

週末の段階では米政府機関の閉鎖のリスクが高かったため
米金利急騰のリスクも考えられたということで
週明けの臨時オペ実施を通告したということなんだと思います。

それからなかなか来ない日本の通貨当局の介入ですが
日本の個人投資家のショートが積み上がっているのが気がかり。

円、迫る150円 個人が介入にらみ「神田トレード」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB259FU0V20C23A9000000/
・主要業者5社の建玉状況
「ドル・円」取引の総建玉に占める円買い建玉の比率は22日時点で54.7%

・「くりっく365」の「ドル・円」取引データ
円買いの建玉は円売りの建玉よりも25.7万枚程度多い。
13年以降で最大規模に円買いが円売りを上回っている。

こういう損失ポジションが介入時に待ってしたとばかりに
買い戻しに動くと介入効果が薄れると思われるのですが
そうなると神田さん、これらの損失を抱えたドル円ショートポジションが
捌けるまで動かないんじゃないか、と見る向きも出てきます。
つまり、介入が来る前に、
ドル円相場は一度大きく吹き上がる可能性もある、ということ。

逆にいうと踏み上がった高値で介入が入れば効果的。

ドル円には触らずにおります。
というわけで、ペソ円ショートも週明けやめることにします。

今週は米国のJOLTS求人件数、雇用統計などの指標に注目です。

雇用統計 8月NFP+18.7万 9月予想+16.5万 (やや減少予想)
     8月失業率 3.8% 9月予想3.7% (やや改善予想)
     8月平均時給 +0.2% 9月予想+0.3% (ややインフレ上昇) 

NOTE
米原油生産、過去最高に近づく-テキサスのシェール生産が急増
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-29/S1R6E4DWLU6901?utm_content=japan&utm_campaign=socialflow-organic&cmpid%3D=socialflow-twitter-japan&utm_medium=social&utm_source=twitter

サウジ・ロシアが自主減産を長期化させる中、
米国の原油が政府在庫も民間在庫も低水準というのが
材料となって吹き上がってきたWTI原油市場ですが
シェール生産、増えているようですね。

需給がタイトな状況には変わりがないので
このニュースだけで原油上昇が止まるとはいえませんが。

週末の原油下落は、月末リバランスの影響もあったように思います。

原油上昇の一服も米金利上昇を一服させる要因でもありますね。

********今週の主な予定************

2日(月)
日銀短観(第3四半期)
日銀主な意見(9月21日-22日開催分)
米ISM製造業景気指数(9月)
マン英中銀委員、イベント「英国のマクロ経済と金融政策」講演
パウエルFRB議長、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、
中小企業経営者らとの討論会参加
ウィリアムズNY連銀総裁、NY連銀主催2023年環境経済政策会議出席


3日(火)
日本10年利付国債入札(2兆7000億円程度)
豪中銀政策金利
★★米求人件数(8月)
米自動車販売(9月)

4日(水)
日銀「需給ギャップと潜在成長率」
NZ中銀政策金利
★★米ADP雇用者数(9月)
★★米ISM非製造業景気指数(9月)
ラガルドECB総裁、ECB金融政策会議「インフレと金融不安」講演

OPECプラス合同閣僚監視委員会(JMMC)

5日(木)
日本国庫短期証券(6カ月)入札(4兆円程度)
日本30年利付国債入札(9000億円程度)
英中銀「インフレ期待に関する意思決定者パネル月次調査」

6日(金)
日本実質賃金指数(8月)
★★米雇用統計(9月)
EU非公式首脳会合

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