2023年12月1日金曜日

 月末週の神経質な値動きとなる中、
ドル円相場は148.50円台まで戻る局面も。

※ドル円日足

90SMA、一目均衡表の雲を下抜けたところでしたので
一旦は売り方の利食いが出やすい局面でもあり
ショートカバーによるドル上昇と見られますが、
今日11/30はドルが買い戻されるファンダメンタルズ材料も
いくつか出ていますので整理しておきます。

1・フランス・ユーロ圏CPIの予想以上の鈍化でユーロ売り

ユーロ圏インフレ率は2.4%、予想以上に鈍化-ECB目標達成が視野
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-30/S4XL66T1UM0W01
11月ユーロ圏CPI:前年比+2.4%(予想:+2.7%、前月:+2.9%)インフレ低下
    コアCPI:前年比+3.6%(予想:+3.9%、10月:+4.2%)インフレ低下
    
11月フランスCPI:前年比+3.4%(予想:+3.8%、前回:+4.0%)インフレ低下
         前月比▼0.2%(予想:+0.2%、前回:+0.1%)インフレ低下  

昨日はドイツのCPIが発表され、鈍化が確認されていましたね。
11月CPIは前年同月比 +2.3%(前月+3.0%:予想+2.5%)インフレ低下

というわけで、欧州は4月の利下げを完全に織り込みに行く動き。
   
ECBは来年4月に利下げ開始、市場が初めて完全に織り込む
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-30/S4XFHUT1UM0W01
・3月利下げ確率も約50%、来年は4回利下げへ-スワップ取引が示唆

つまり「ユーロ安」であり反対側では「ドル高」となる展開に。
このドル買いが他市場にも影響、ドル円も上昇する展開となりました。
2・FRB要人らのタカ派発言に反応、ドル金利反発

ウィリアムズ米NY連銀総裁
「インフレ2%目標達成への仕事は終わっていない」
「当面かなりの引き締め政策を維持すると予想」

デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「現在利下げは全く考えていない」

NY連銀総裁というのは議長、副議長に次ぐ権限のあるポジションで
発言の重みが大きい。
デイリーさんは23年の投票権はないのですが
もともとハト派寄りの方です。
この方がタカ派発言というのはやや驚き。

というわけで、今夜は米金利が反発。
これがドルの買い戻しに繋がりました。

※ドル金利 2年10年30年
とはいえ、市場は追加利上げの可能性を織り込みに行っているわけではなく
あくまで相場のあや、揺り戻しの範疇と見ています。

※FEDウォッチ 追加利上げの確率は全くあがっていない
3・OPECプラス、日量100万バレルの追加減産で合意ー会合参加者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-30/S4XY84T1UM0W01?srnd=cojp-v2
・日量100万バレルの追加減産で合意
・サウジ、同規模の自主減産継続

元々26日の会合が足並みが揃わぬことで30日に延期されたという経緯もあり
もし、減産合意でまとまらなかったら原油が大きく下がるのでは?
と警戒されていましたが、さらに日量100万バレル減産追加でまとまった模様。

WTI原油は今夜79.60ドルまで買われる局面があったのですが、
事実売りでしょうか、その後急速に値を削っています。
※WTI日足 一時は上昇基調になっていましたが、、、
※WTI15分足 その後急速に売り叩かれる
原油高は米金利高、ドル高をもたらす一因ですが
追加減産合意でも原油が上がらないとなれば、
今夜のドル高局面は戻り売りの好機ということかもしれませんね。

原油が上がらない=インフレ再燃のリスクは小さい。
要するに世界の景気はあまり良くない。
利下げ期待だけで株を買っていいかどうか難しいところです。

※ブラジルが2024年1月からOPEC+に参画するという報道が。
Brazil set to join OPEC+ from January, delegate says
https://www.reuters.com/markets/commodities/brazil-set-join-opec-january-delegate-says-2023-11-30/

今日のドル高が一時的な揺り戻しである可能性。
今夜のPCEの数字もそれを裏付けています。
■米個人消費支出、10月は伸び縮小-価格指数も鈍化で景気減速示唆
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-30/S4XUZ1T1UM0W01
・米・10月コアPCE価格指数:前年比+3.5%(予想:+3.5%、9月:+3.7%)
              前月比+0.2%(予想+0.2%、前月+0.3%)
      
        PCE価格指数:前月比+0.2%(予想:+0.2%、前月+0.7%)
       
更に今夜のイニシャルクレームも前回より増加
(失業保険を申請する人が増えた)
・先週分新規失業保険申請件数:21.8万件(予想:21.9万件、前回:20.9万件)

インフレ低下、労働市場の逼迫の緩和。
ドル金利が大きく上がる環境は終焉していると見ています。

■一方で日銀からは繰り返し緩和継続のメッセージが発せられています。

政策修正、慎重にみないと「取り返しつかない」=中村日銀委員
https://jp.reuters.com/opinion/forex-forum/UFVY755OFROWXEQWWU5OGW7RBE-2023-11-30/
「政策修正、慎重に見ていかないと取り返しのつかないことになる」
「賃金と物価の好循環を実現させる千載一遇のチャンスが到来」
「今は慎重な対応が必要で、(緩和修正には)もう少し時間がかかる」

これは円売り材料でありドル円上昇の燃料となるものですが
今は米国経済、米金利動向による影響が大きい相場のセンチメント。

キウイロングも継続しています。

今夜はダウ平均だけが上昇。
S&P500,NASDAQ、SOX指数などが軟調。
11月は随分株が買い戻されましたが
12月もこの基調が続くでしょうか。
株が調整入りするなら円キャリーの手仕舞いがさらに入るのでは・・・
(ポジショントーク)

NOTE
カナダの景気もよくないのね。
カナダ第3四半期GDP、1.1%減 予想に反して減少
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/I2MAQVFG6BOI7L5JZSKQJP2NJU-2023-11-30/

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