2024年1月3日水曜日

 1月1日の能登半島地震の被災者の方々へ心よりお見舞い申し上げます。
翌2日の日航機と海保機の衝突も大変悲しい事故でした。
職務にあたられ犠牲となった海上保安官のご冥福を心よりお祈りいたします。

今年令和6年は辰年。
龍は成功や発展の象徴で縁起の良い生物ですが
干支の中で辰(龍)だけが架空の生物。
日本は休まらぬ正月となりましたが
天に登る龍のように尻上がりに運が向いてくるものと信じて頑張ろうと思います。

23年大納会、日本株は方向感なく小安く引けましたが、
日経平均は12月に33年ぶり高値を更新していますし
最終週はマザーズインデックスの力強い反発も見られました。
日経平均、大発会は25800円台、大納会は33460円ですから7660円も上昇。
23年卯年は株式市場にとっては大変良い1年でした。

24年は、23年のパフォーマンスを超えられるでしょうか。

日経平均株価、半数が「最高値を更新」 経営者20人予想
2024年の株価見通し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC06AB30W3A201C2000000/?n_cid=SNSTW005

主要企業の経営者20人の2024年の株式市場の見通し、
半数が日経平均株価は史上最高値である3万8915円を超えると回答。

企業経営者が日本経済、株に強気というのはイイ話です。
特に日本の場合は「賃上げに伴う個人消費の回復」期待がある。

日本株の勢いが続くということは、
米株のクラッシュはない、ということが前提でしょう。
ソフトランディングシナリオがコンセンサスとなってきましたが

米国株は2024年に最高値更新、リセション回避へ-MLIV調査
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-11/S5HA10T1UM0W00

年初、1月2日の米国株マーケットはSOX指数とNASDAQが大きく下落して始まりました。
S&P500も下落かな。上昇したのはダウ平均だけ。

※主要米国株インデックス
米国株式市場=ナスダックとS&P下落、アップルに売り
https://jp.reuters.com/markets/us/Q66MXZTZJVP5ZDFZB3EJNCA5RM-2024-01-02/

主因はバークレイズによるAppleの投資判断引き下げとされています。

アップル一時3.5%安、バークレイズが投資判断引き下げ 米株取引初日
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/DKRC24EF3JLS7B7DPE6OURYVOY-2024-01-02/

バークレイズは、24年のiPhoneなどアップル製品への需要低迷に懸念を示し、
投資判断を「ニュートラル」から「アンダーウエート」に引き下げ、
12カ月の目標株価を1ドル引き下げ160ドルとしました。
これで、Apple株は3.6%もの下落となるのですが、
売りはNVDAやMETA、MSFTなどのビックテック企業にも広がりました。

しかし、ショックというような下落ではありませんし
ダウ平均は上昇していますので、物色のセクターが変わるだけで
米国株市場全体が沈む=リセッションを示唆するようなものではないでしょう。

日本の大発会も半導体関連はやや売りが優勢となる可能性はありますが
ドル円相場が再び円安方向に動き始めましたので、
全体の地合いとしてはこれを好感するような気もします。

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24年年初から、なぜドル円相場は反転上昇しているのか。

※ドル円相場 日足 2日から反発上昇中
1日の能登半島地震の影響で一部に残っていた早期(1月)の
マイナス金利解除の芽がなくなった、年前半も困難になったため
という指摘もあるようです。

大地震受け円安進行、日銀のマイナス金利「早期解除は困難」との声も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-02/S6M6VST0G1KW00

地震の直後は、2日のマーケットオープンからレパトリの円高があるのでは?
という声も散見されましたが、

短期的に円高に振れる可能性も、石川県能登地震で-ストラテジスト
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-01/S6KTL7T0G1KW00

寄り付きでややギャップダウン(円高)スタートとなったものの、
すぐさま切り返し、東京時間から円安気味で推移していました。
つまり、今回はレパトリ(思惑の)円高はありませんでした。

※ドル円5分足 1月2日ギャップダウンで寄り付くも8時台には切り返し始めた

※レパトリの円高=レパトリエーションとは本国への資金還流という意味です。

日本の保険会社などの機関投資家は国内外で資産運用を行っていますが
外貨で運用している資産を処分して円に戻すことをレパトリと呼びます。

311東日本大震災で大きな被害が出た際、ドル円相場は大きく円高となりました。

※311東日本大震災時のドル円相場 日足
これはあくまで「レパトリがはいるのではないかという思惑」によるものです。

被災した企業や保険会社が、復興や地震保険の支払いなどで
多額の資金が必要となるため、海外で運用している外貨建て資産を処分し
円に戻すのではないか、と考えた投資家による円買いが起きました。

被害状況が把握できない数日のうちに企業や機関投資家が
レパトリを行う事は考えにくく、
後日報じられたところに寄ると実際311震災による企業・機関投資家の
レパトリはなかったとされています。

2011年は思惑だけでドル円相場は5円も下落しました。

今回もこのような円高を警戒する向きもあったようですが
311の際に現実にはレパトリは起きなかったことが教訓になっていたのでしょうか。
あるいは、これで日銀が早期にマイナス金利解除に動くことはないとの思惑が
円売りを優勢にさせたのか?

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最も大きなドル円上昇となっている要因は「米金利上昇」ですね。

※米国債利回り一覧 今年に入って急反発


米国債利回り上昇、世界的に債券売り-大幅な利下げ期待が後退
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-02/S6N1VXDWRGG000
米短期金融市場は2024年に計150bpほどの米利下げがあるとの見方を織り込んでいる。
これは先週末に比べて約7bp少ない。

ECBについては、今年158bpの利下げを行うというのが市場の見方
先週に比べて10bpほど低下した。
ECB当局者の間には向こう数カ月でインフレ率が再び上昇するリスクを
指摘する声がある。5日にはユーロ圏の消費者物価指数(CPI)が発表される。


※日米金利差(10年)とドル円 こうしてみると一目瞭然

今年米政策金利が1.5%も断続的に引き下げられるほど
米国の景気が悪化する兆候は現在のところ見られません。
過度な利下げ期待の修正が入り始めたものと考えられます。

2日米長期金利は3.97%まで反発しましたが4%台を回復してくると思います。
多分。となると、ドル反発は今しばらく続く、ということになります。

加えて日本のマイナス金利解除は年前半には難しくなったと考えるなら
ドル円相場は高値からの下落幅に対してのフィボナッチ・リトレースメント
38.2%の144.70円近辺、
あるいは半値戻りの146.08円近辺まで反発があるかもしれません。

142.14円のドル円ショートは2日、141.05円で手仕舞い、
141.42円でロングにスイッチしています。

また、12月下旬はドル安=ユーロ高となるシーズナリティがあるとして
12月中旬からユーロを買っていましたが、
やはりユーロに強い材料があるわけではありませんので
12月28日から下落が始まっています。
出遅れましたが2日、1.0971ドルでユーロドルショート参戦中。

ドル独歩高ですので、ユーロでなくてもドルストレート通貨でドル買いなら
何でも良さそうではありますが。
※通貨インデックス一覧

今夜は12月のFOMC議事録。
24年に0.25%✕3回の利下げ見通しが示され
声明から「必要なら追加利上げを実施」の文言が削除されたことで
ドル金利が急低下、ドル円相場の一段安に拍車がかかりましたが
議事録でそのセンチメントが戻ってくるか。
足元では、行き過ぎた利下げ期待の修正が入っていますが
議事録の内容次第でまたハト派シナリオに寄っていくかも、、、?

明日4(木)は大発会!
米国では 12月 ADP雇用統計(22:15)発表。

明後日5(金)は米雇用統計。
・12月マネタリーベース(8:50)
・12月消費動向調査(14:00)
・経済 3 団体新年祝賀パーティー後の共同記者会見
・米 12月雇用統計(22:30)
・米 11月製造業受注(6日 0:00)
・米 12月 ISM 非製造業景況指数(6日 0:00)

NOTE
米国、世界最大のLNG輸出国に-2023年に豪州とカタール上回る
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-03/S6NSH8T1UM0W00

ドルが強いわけです。

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