2024年1月5日金曜日

 ドル円上昇のピッチが早いですね。
11/13の高値151.90から12/28の安値140.23の下げ幅に対して
38.2%戻りをわずか4営業日で達成。

ドル円日足

このドル円上昇の背景は、日米両サイドの材料があるように見えます。
特に今日は「ドル高」というより「円安」の側面も大きかった印象。

※通貨インデックス一覧 ドル上昇より円の下落が大きい
円売りの背景は、地震=日本経済停滞リスク・マイナス金利解除の後ズレ観測
なども指摘されていますが、今日は大発会、日本市場が動き出したこともあり
新NISAの買いによるドル買いがあったのでは、という指摘も聞かれます。

というのも今日の日本株市場の値動きにも
それを伺わせるような買いが断続的に入り、
日経平均は一時770円安まで売り込まれるも、
大引けでは175円安まで下げ幅を縮小しています。

※日経平均日足 長い下ヒゲがついた
個人投資家の間では、NISA枠は年初一括投資が優位性が高いとする
シミュレーションなどが話題となっていたりするのですが
実際にそれを実行した投資家もそこそこいたような印象です。

実際には積み立てでも年初一括でも
投資期間が長くなればあまり差は出ないようですが・・・

今日、NISA積み立て枠の年初一括勢による日本株買いがあったとするならば
更に多額の米国投信買いも入ったと思われます。
ネット証券5社集計の購入予約上位3銘柄は米国株投資です。
(1位のオルカンは全世界株式ですが6割が米株)

①つまり、新NISA開始に伴う円売りドル買い需要があった、という仮説。

②もう一つは「ドル金利上昇」 

今日もドル金利上昇は続いています。これがドル円にとっては大きいでしょう。
※米国債利回り一覧
米金利上昇の背景は?

①昨日公表された12月FOMC議事録は
 早期利下げ期待に水を差す内容だった。

米早期利下げになお慎重論、市場と溝 FOMC12月要旨
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0332K0T00C24A1000000/
②更に昨晩リッチモンド連銀総裁が講演会で
 潜在的な追加利上げは依然、選択肢にあると、
 追加利上げの可能性も除外しない発言を行ったことなども
 行き過ぎた利下げ期待を後退させた側面があったかと思われます。

③そして今夜発表の労働市場関連経済指標が軒並み良かった。

・12月ADP雇用統計:+16.4万人(予想:+11.5万人、11月:+10.3万人)
          ~予想を大きく上回る雇用者数 ◯
          
・先週分新規失業保険申請件数:20.2万件(予想:21.6万件、前回:22万件)
              ~失業保険申請件数、約3カ月ぶりの低水準 ◯
              
・失業保険継続受給者数:185.5万人(予想:188.1万人、前回:188.6万人)
              ~失業保険継続受給者はやや減少 ◯
              
・12月チャレンジャー人員削減数(前年比) ▼20.2%  11月▼40.8%
              ~人員削減(リストラ)減少 ◯
              
明日発表される雇用統計もいい数字になるのではないか、
という期待が高まりますね。

1月5日22:30発表 米雇用統計予想
    
     非農業部門雇用者数 [前]+199千人    [予]+174千人        
           失業率 [前] 3.7%    [予]3.8%    

       平均時給[前月比] [前]    +0.4%    [予]+0.3%    
       平均時給[前年比] [前]    +4.0%    [予]+3.9%
       
雇用統計発表前まではドル高基調が続きそうです。
ドル円ロング継続します。
雇用統計前にはポジションをどうするか再考します。

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今日はドル金利上昇でドル高だったわけでもないんですよね。
欧州時間からユーロやポンドが強かった。

※ドルストレート通貨日足 一覧 ユーロドル、ポンドドルが強含む
背景にあるのが欧州指標の好結果。

・12月スペイン非製造業PMI 51.5(予想51.2:前回51.0)
         総合指数   50.4(前回49.8)

・12月フランス非製造業PMI確報値 45.7(速報値44.3から上方改定)

・12月ドイツCPI 前年比 +3.7 予想+3.8 前回+3.2
        前月比 +0.1 予想+0.3 前回▼0.4
       
これら欧州指標が欧州金利を上昇させました。

※主要国長期金利比較  これみてるとクロス円上昇が理解できますね。

というわけでユーロリバウンド大きくなったため       
1.0971ドルのユーロドルショートは1.0945ドルで買い戻しました。。。
まだ下がると思っていたのですが、
今日の値動きが思っていたのと違うのでここからは様子見です。

同じくポンドも欧州時間に上昇しました。

12月英非製造業PMI確報値が53.4と速報値52.7から上方改定
されたことが背景とされていますが、そんなんでこんなに上がる?
やはり英国の金利も勢いよくリバウンド上昇していますので
ポンドにもショートカバーが入っているような印象です。

そうそう、英スナク首相が、英国総選挙は年内、今年後半に実施する可能性を
示唆した、という報道もありました。

Rishi Sunak suggests general election in second half of year
https://www.bbc.com/news/uk-politics-67883242

法的には来年1月28日というのが最も先延ばしされた場合の最終期限ですが
今年の候補として5月の地方選挙と同日実施か、
党大会が終わったあとの10月以降とされていました。

ここ数週間、5月に総選挙を行うのではないかという憶測が流れていたようですが
5月の線が消えたということですね。

これがポンドにどのような影響をもたらすかは良くわかりません・・・

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NOTE
イランで爆発、約100人死亡 殺害司令官の墓近辺 「テロ攻撃」と当局
https://jp.reuters.com/world/security/MO5HKNYTFFJPJDDE33WVW5IQG4-2024-01-03/

米原油先物、一時4%高 イラン爆発・リビア油田停止で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN040B60U4A100C2000000/
・イランの爆発で中東情勢の緊迫が意識された
・リビアのシャララ油田が地元住民による抗議活動で操業停止に追い込まれた。
 同油田は日量30万バレルの生産能力を持つ。
 
昨日は上記ニュースを受けて原油が反発していたのですが
今日は反落しており、上昇基調は続かないようです。
※WTI原油日足
現時点では需給がタイト化するほどの材料ではないということのようです。

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