2024年2月19日月曜日

 米PPI、1月は総合とコアがともに予想上回る-インフレ根強く
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-16/S8YAW0T0AFB400?srnd=cojp-v2
米1月PPI 前月比+0.3% (予想+0.1% 前月▼0.1%)
     前年同月比+0.9%(予想+0.6% 前月+1%)
     
    コア前月比+0.5%(予想+0.1% 前回+▼0.1%)
  コア前年同月比+2.0%(予想+1.7% 前回+1.7%)

■PPI=生産者物価指数・米製造業者の販売価格1万品目調査(売り手価格)
 ~病院の外来診療やポートフォリオ運用などのサービス部門の価格上昇を反映
 ~サービス価格は0.6%上昇し、昨年7月以来の大幅な伸び
 ~食品とエネルギー、貿易サービスを除いたPPI0.6%上昇、ここ1年で最大の伸びし
 ~いくつかのカテゴリーが個人消費支出(PCE)価格指数の算出に使用される
  ⇒FRBが重視するPCEが上がっている可能性(1月のPCEは今月29日に発表される)
  
総合、コアともに予想を超える上昇となっていました。
先週発表されたCPI(消費者物価指数)も強かったですね。

米CPI、コア指数が8カ月ぶり大幅上昇-利下げ期待に冷や水
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-13/S8SQW1T0G1KW00
1月コアCPI前月比+0.4%(予想+0.3%)
     前年同月比+3.9%(予想+3.7%)
     
要するに、利下げなんかすれば再びインフレが加速するリスク。

Fedウォッチを確認すると5月の利下げ確率も後退。
市場の現在のコンセンサスは6月、53.7%の確率での利下げの可能性。
これも日々目まぐるしく変化するので、
6月に利下げが始まるかなんてまだわかりません。

これ、昨年見た光景と良くにています。
23年は利下げ開始期待が後ズレしていくことでドル円相場が
11月151.90円台まで買われていくのですが、
今回はすでに150円台まで上昇しています。
しかし、週末金曜PPIが強かった割には意外と上値が重いですね。

※米金利15分足 CPIで急伸、小売で低下するもPPIで更に上昇
※米金利日足 金利は上向きトレンド

ところがドル円、CPIでは勢いよく上昇したものの
PPIでは上昇が鈍く、上ひげが出現。
なぜドル円は上値が重くなってきたのか?

考えられる材料は3つくらい

1・介入警戒水準にある

先週2/14は財務大臣、財務官らから介入牽制発言が。

鈴木財務相
「為替の急激な変動は望ましくない」
「より一層強い緊張感を持って市場動向をみている」
神田財務官
「最近の為替の動きはかなり急速」
「必要があれば適切に対応」
「高い緊張感を持って注視」
「災害対応と同じで24時間365日対応できる準備を整えている」
「投機的な動き、いかがなものか」

日本のGDPが2四半期連続でマイナスであったことと
1-3月期もマイナスとなる可能性があることから、円安への国民不満が
たかまり支持率が低下する流れを断つには、介入を使うのでは?との観測も。

2・米住宅着工件数が悪かった
米住宅着工件数、20年4月以来の大幅減-許可件数も落ち込む
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-16/S8YB3IT0G1KW00
・住宅着工件数 前月比▼14.8% 133万1000戸(予想 146万戸)
・全米4地域全てで減少
・前月 156万2000戸(速報値146万戸)に上方修正
・住宅建設許可件数 147万戸に減少
・12月に急増していた集合住宅の着工件数は35%余り減少
・戸建て住宅の完成物件数は2020年5月以来の低水準

・1月は特に集合住宅の着工が約35%減と大きく落ち込む
・パンデミック以来の大幅減
1月は気温が低かったためで、利下げを見込んで回復できるとした
楽観論もあるようですが、やはり長期化し始めた高金利政策が効いてきた、
ということではないのか。とするならば先週発表された小売売上高など
米経済の失速を嫌気した株価の調整が来てもおかしくない。
と考える投資家による米株の利食いが旺盛となり上昇基調が崩れるかも?

3・上昇一服となりそうな米国株市場
※米国主要株価インデックス 週末金曜は全てマイナスで終わった。
それと、先週金曜日2/16は米個別株OPのSQだったんですよね。

このところミーム株の様相を呈している
SMCI(スーパーマイクロコンピューター)が急落しています。
この株はオプションで踏み上げられて来たと見られSQを機にご覧のチャート。
トップアウトしたようにしかみえません。
そして今週は21日にNVIDIAの決算を迎えます。
決算の度に予想を超える内容で株価水準が押し上げられてきたNVIDIAですが
今回もそのような展開となるでしょうか。
警戒の声は広がっています。
米株式市場に大きな調整が入るようなら、日本株市場にも調整が入るリスクで
日経平均はあと50円で史上最高値に到達というところで力尽きるのか・・・
日本株が下がることがあれば、日本株買いと同時に円ショートのヘッジを
かけていた海外投資勢のヘッジ外しがドル円相場を押し下げるリスクもあり
株式市場への高値警戒がドル円の上値を押さえているのかもしれません。

4・通貨先物市場で短期筋は円ショートを急激に膨らませている

IMM通貨先物ポジション ドル円のCFTC建玉明細です。
先週火曜日までの時点のデータ‐が最新で、それが週末発表されたわけですが
先週、投機筋は円ショートを11.15万枚まで積み上げていた事がわかりました。

ドル円の過去最高ネット円売り持ち高は2007年6/26-188,077枚ですが
その後は13~14万枚まで積み上がると反転(ポジション解消)する傾向があり
11万枚まで買われちゃうと、ここから先は円安というより
彼らのポジション整理によっての円高リスクに気をつけたいという環境といえます。

短期的には、米株下落、ドル円ロングの解消による円高に気をつけたい。
そういうセンチメントになっているのではないか、と思われます。

150.25を超えたところでドル円、一旦買ってみたのですが
上値が重いため結局やめました。
ノーポジですが、株が崩れる相場に発展すればドル円売りたいと思います。

NOTE
日経平均高値更新が今週あるかどうかわかりませんが、
長期的には日本株はまだまだ割安。

オイルマネー、日本株に流入 運用受託の「争奪戦」激化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR08EM00Y4A200C2000000/

今週の主な予定 月曜米国株市場は休場です

19日(月)
中国市場取引再開
日本12月機械受注(8:50)
EU外相理事会
◎プレジデンツデー祝日のため米株式・債券市場は休場

20日(火)
豪中銀議事録(2月6日開催分)
中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)(10:15)
ECBユーロ圏交渉賃金指標
カナダ消費者物価指数(1月)

21日(水)
◎1月貿易統計(8:50)
1月訪日外客数(16:15)

豪賃金指数(第4四半期)
FOMC議事録(1月30日-31日開催分)
ボスティック・アトランタ連銀総裁、イベント挨拶
G20外相会合(22日まで)

22日(木)
ECB議事録(1月25日開催分)
英製造業PMI・非製造業PMI速報値(2月)
独製造業PMI・非製造業PMI速報値(2月)
ユーロ圏製造業PMI・非製造業PMI速報値(2月)
米製造業PMI・非製造業PMI速報値(2月)

ジェファーソンFRB副議長、質疑応答
ボウマンFRB理事、講演(質疑応答あり)
クックFRB理事、世界経済について講演
ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、経済見通しについて講演(質疑応答あり)
カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、経済動向および2024年の見通しに関する討論会参加(質疑応答あり)
EU財務相理事会(24日まで)

23日(金)
天皇誕生日祝日のため東京市場は休場
NZ小売売上高(第4四半期)
中国新築住宅販売価格(1月)
ECB消費者インフレ期待(1月)
グリーン英中銀委員、講演
ナーゲル独連銀総裁、講演(質疑応答あり)
シュナーベルECB理事、イベント「インフレとの戦いに勝ったのか?」講演
ウォラーFRB理事、経済見通しついて講演(質疑応答あり)

24日(土)
米共和党サウスカロライナ州予備選
ロシアのウクライナ侵攻から2年
G7首脳テレビ会議

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