2024年4月14日日曜日

 週末4/12(金)突如NY市場はリスクオフ相場へ。

朝方、イスラエルが、イランによる本土攻撃に備え
警戒態勢と報道され、米政府が在イスラエルの米大使館職員に
エルサレム外への移動を禁止する通達がなされたことでNY市場はリスクオフ。

その後13日(土)夜にイラン革命防衛隊は、
イスラエルの特定の標的に対しドローンとミサイルを発射したと発表、
実際に報復を実施しています。
しかし実際にはNYマーケットがクローズした後の有事でした。

イスラエル側も報復を想定していたこともあり、
イスラエル軍はほとんどを迎撃。軍事施設1箇所の軽微な被害と
少女ひとりの被害に止められたと報じられています。
米軍が援護しドローンミサイル数十発を撃墜したとも報じられています。

イランの国連代表部は、これを以て
「ダマスカスの外交官施設への攻撃(革命防衛隊の司令官が複数殺害された)
に対する報復は終わったとイラン政府は考えている」と述べています。
イランとしても本音としては事態を大きくしたくないのだと考えられます。

そもそもはイスラエルによるダマスカス外交官施設への攻撃に対する報復です。
やられっぱなしではイラン国内の世論が抑えられないと
いうことでの報復であり積極的に戦争をしたいわけでは
ないのだろうと思われます。
ということで、ここでイランは報復終了と発表しているわけですが
再びイスラエルからの報復があれば、事態はさらに悪化しますが
ここからはイスラエルがどう出るか次第です。

この件については今日14日G7が協議する模様。
■G7首脳、14日にビデオ会議開催へ イランのイスラエル攻撃巡り
https://jp.reuters.com/world/us/7COZZMJIMBJDBDZP3WACBFBTGY-2024-04-14/

イランの報復も軽微な被害にとどまり、
今後の展開はG7にも委ねられるとなると
中東の緊張は一旦落ち着くものと考えられますが
週明け以降の日本株市場がどの様に動くか。

有事イベント一服で上がりそうな気もしますが
先物市場は38850円まで下げてクローズしていますので
まずは下落してスタートするでしょう。
その後、買い戻されて大きく反発できるでしょうか。
企業業績、決算相場が重要となってくるでしょう。

※VIX 恐怖指数が急上昇するも、上ヒゲに終わるか

※米国債利回り一覧 利回り低下=リスクオフで債券市場に資金が流れ込んだ
※ゴールドは2448ドルまで急騰するも、利食い売りに押されて長い上ヒゲが
ゴールド上昇トレンドもさすがに一服でしょうか。

※日経平均 週末12日金曜は39523円で引けたが、、
※先物は38850円でクローズ。39523円から比べると・・・・
 まずは下落スタートですね。
米国株市場はというと、やはり有事への備えでのキャッシュ化が
旺盛だったようで軒並み安く引けています。

※主要米国株インデックス一覧
週末の米株の軟調地合いは地政学リスクへの警戒に加えて
銀行決算の影響もあったと見られます。

■JPモルガン、第1四半期6%増益 金利収入見通しは予想下回る
https://jp.reuters.com/markets/japan/IGTG4W2NANINNFKVUEBO64D35I-2024-04-12/
トレーディング収入は5%減の80億ドル。
純金利収入(NII)の見通しが市場予想を下回ったことが
ネガティブサプライズとなりました。

通期のNII予想890億ドル、従来予想の880億ドルから引き上げるも
アナリスト予想の906億8000万ドルは下回っている。

NIIとは、金利収入から預金者に支払う金利支払いを差し引いたものです。

銀行セクターは負債の多い地銀はこの高金利で傷んでいるところが多いのでは?
と警戒されているのですが、大手に関しては資産も大きいため、
金利収入によって好決算が出てくるものと市場は楽観していましたが
予想を下回る内容だったのです。
※JPモルガン日足
ここからの金融機関の決算に注目ですね。
金融セクター上昇が止まり、米株の調整が始まるのかもしれません。

シティの決算は予想を上回りましたが、地合いが悪かったせいか
株価は下落を強いられました。

■シティグループ、利益が予想上回る-企業・消費者の借り入れ活発
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-12/SBTWV5DWRGG000
トレーディング収入は7%減
NIIは135億ドルで、市場予想を上回った。

また、ミシガン大学消費者信頼感指数で
弱い消費者センチメントと、
インフレ期待の加速を受けて株式市場の売りが加速したようです。

■米4月ミシガン大消費者信頼感77.9に小幅低下、インフレ期待は上昇
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/453SGOW6KZJT5CMNBIGJLXBXWI-2024-04-12/
結果 77.9 (3月 79.4から低下)

1年先の期待インフレ率 3月の2.9%から3.1%に上昇
5年先の期待インフレ率 3月の2.8%から3.0%に上昇

週末もFRB要人らの発言はタカ派トーン。
■デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「政策金利を調整する緊急性は全くない」
■ボスティック米アトランタ連銀総裁
「2024年の見通しは年末に向けて1回の利下げ」
「私は利下げを急いでいない」
■グールズビー米シカゴ連銀総裁
「FRBはインフレ率を目標まで下げなければならない」
■シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「インフレ率が2%に低下することが明確になるまで
         金利については忍耐強くあるべき」
「インフレは依然として高すぎる」


年内の利下げ折込は完全に2回に減少しています。
※CME FEDウォッチ


為替市場ではドル独歩高です。
利下げ開始見込み時期が後倒し担っているということに加え
有事想定では「ドル買い」が旺盛となる教科書通りの動き。

リスク資産のキャッシュ化はドルへの資金回帰ですね。

※通貨インデックス一覧

元来、有事リスク回避の相場では円高にもなったものですが
このところはドル円相場での円高は続きません。
ドルのほうが圧倒的に強いためですね。

週末は152.58円まで円高となる局面もありましたが
結局押し目となってリバウンド。
153.20円台で引けています。
ただ、クロス円でみると円高なんですよね。
ドルストレート通貨でも圧倒的なドル高となっているためです。
ドルに対してすべての通貨が売られているのです。
そして、円は、ドル以外の通貨に対しては強い、ということね。

※ドル円、クロス円日足
※人民元、ドルストレート通貨日足
ドル円はどうしても介入というイベントが近いと思うと手が出ず。
先週買い直した豪ドル円はこのリスクオフイベントであっけなく損切りです。

ドル高なら、6月利下げがほぼ確定と見られるユーロでのドル買いが
いいだろうということで、先週金曜はユーロドルを1.0711ドルで売り参戦。

ドル高のセンチメントは今しばらく続きそうです。
ドル円もこのボラティリティでは介入がやりづらい。
155円くらいまでは一進一退で上がってしまいそうな気もしますが、
その前に株式市場にリスクイベント発生で上値が抑えられるか,ですね。

そうそう、投機筋は円ショートをさらに拡大捺せました。

なんと16.2万枚のネットショート。円売りを膨らませています。
過去最大が18万枚ですから、
この先の円売り余地はあまり大きくないと思うのですが、どうでしょう。

彼らがこのポジションをひっくり返す=円売りを手仕舞う際には
そこそこの円高圧力となることには注意が必要ですね。
************主な予定**************

4/15(月)
日本:2月機械受注(8:50)
米 4月 NY 連銀製造業景気指数(21:30)
米 3月小売売上高(21:30)
米 4月 NAHB 住宅市場指数(23:00)
IMF・世銀春会合(~20日ワシントン)

16(火)
中国 3月小売売上高(11:00)
中国 3月都市部固定資産投資(11:00)
中国 3月工業生産(11:00)
中国 1-3月期 GDP(11:00)
独 4月 ZEW 景況感指数(18:00)
米 3月住宅着工件数、米 3月建設許可件数(21:30)
米 4月 NY 連銀ビジネスリーダーズサーベイ(21:30)
米 3月鉱工業生産・設備稼働率(22:15)
IMF 世界経済見通し

17(水)
日本:3月貿易収支(8:50)
日本:3月訪日外客数(16:15)
ベージュブック(米地区連銀経済報告)(18日 3:00)
米 2月対米証券投資(18日 5:00)

18(木)
日本:2月第三次産業活動指数(13:30)
日本:3月首都圏新規マンション発売(14:00)
米 4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(21:30)
米 3月中古住宅販売件数(23:00)
G20 財務大臣・中央銀行総裁会議(ワシントン)

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