やはりFOMC後の早朝5時台のドル円急落は介入だった模様。
日銀当座預金増減要因と金融調節 (5月7日<火>分)
https://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/jp240507.htm
・財政等要因 ▼43,600(4.3兆円)
~為替介入を想定していない市場予想 ▼7000億~▼1.1兆円
その差は3~3.5兆円程度。
今朝、5/2 AM5:05~のドル円下落は
3~3.5兆円規模の介入だあったのではないか、と推計されます。
早朝の流動性の低い時間帯だったこともあり
前回4/29の13:05よりも少額でも効果的だったと言えます。
神田財務官は介入の有無についてはノーコメントとしつつ
「過度な変動が大きな影響を日本経済に及ぼすことは看過できない」
「必要な場合には、私が機内にいようが海外にいようが
24時間適切な対応は取っていく。今後もそれは続けていく」
まさに、24時間気が抜けないことを改めて確認した今朝の値動き。
数日前のブログで介入資金はGDPの2%以内に収めないと
米国から為替操作国認定される可能性がある、と書きましたが、
正確には「自国通貨売り、ドル買い」介入のケースにのみ該当するそうで
今回のような「自国通貨買い、ドル売り」介入には
当てはまらないのだそうです。この点、訂正いたします。
つまりGDPの2%程度(おおよそ12兆円以内)の介入しかできない、
ということはない。
神田財務官のおっしゃるように必要な場合は介入が入ると
構えておいたほうがいい、ということですね。
また、このところ急速にSNSで共有され広がっている情報として
IMFの為替介入ルールというのがあります。
それによると介入は
・半年の間に3回以内
・介入期間は3営業日を超えないようにする
・実行から3営業日を過ぎて、再度実行する場合は再度申立が必要。
とのルールに沿って行わなければならない、という話なのですが
これは2009年9月公表の「ワーキング・ペーパー」(論文)
2023年7月公表の「為替アレンジメントと為替規制に関する年次報告書」で
「自由な変動相場制」の条件として指摘されているものですが、
これは特に罰則があるわけでもなく、過去の日本の大規模介入や
スイスの介入の際も何らペナルティが指摘されたわけではありません。
神田財務官は、G7声明、日本の主張も踏まえ為替のコミット再確認と
先日話していましたが、IMFの条件については触れていません。
22年の介入時にIMFルールが取り沙汰されることはありませんでした。
なぜ今年はこれが突如引っ張り出され拡散されているのかわかりませんが
この条件下でしか介入が実施できないという縛りがあるわけではない、
と想定しておかないと、読み違えるリスクとなります。
とはいえ、無制限に介入できるというものでもないでしょうから、
もう玉切れではないか、と足元をみて
ドル円ロングで参戦してくる向きもあり、
今日は東京時間10:30ころまで猛烈にリバウンドして
介入とみられる下落に対して半値以上も戻りを入れていましたが、
V字回復とはなりませんでした。再下落中です。
※ドル円15分足
大規模介入効果を剥落させない「隠密介入」が続けられているのでは?
という一部指摘もあります。介入のやり方はいろいろある、ということです。
昨日神田さんを甘く見ないほうが良さそう、ということで
ドル円のロングを作らず様子見としたのは、
どんな手を使って再び下落するかわからないと思ったからですが
まさに、今日の午後からはそのような動きになっています。
ドル円を155.40円から少額づつ売り参戦しています。
明日の雇用統計も要注意です。
強い数字が出てドル金利、ドル円上昇となった場合でも
今週の介入が無駄にならないよう再度の介入で頭を叩いてくる可能性は
十分にあるでしょうし、
逆に、弱い数字が出てドル金利低下、ドル円下落となった場合に
追い打ちをかける格好で介入することでチャート形状の悪化を実現させれば
一連の介入の勝利を確信させるものとなるでしょう。
その好機を神田財務官は逃さないのではないか、という気もします。
要するに明日の雇用統計はどんな結果になっても
もう一弾の介入がある可能性は否定しないでおく、ということですね。
今週160円を突破する円安ドル高が進行したことで
外資が軒並みドル円相場の一段の円安予想をだしてきたこともあり
ここは手を抜けない局面であると思われいます。
■円は1986年以来の低水準に落ち込む可能性、1ドル=165円も-RBC 5月2日 18:04
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-02/SCUMQCT1UM0W00
■円安「通貨危機」の様相、米当局も注視-口先介入強まるとオニール氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-02/SCU45CT1UM0W00
みんな、介入効果は一時的だと思っているんですよ。
私もそれは否定しませんが
米金利が低下してくれば話は変わってきます。
さすがに今週の雇用統計で早期利下げ期待が急速に再燃する、
というミラクルは期待薄かとは思われますが、
何が起きるかわかりません。米経済は思ったより強くなさそうだ、
というのはFOMCのパウエル議長のハト派スタンスにもあらわれていました。
今夜米金利は低下傾向。
今夜の指標も弱かった。
製造業新規受注(3月)1.6%(予想 2.1% 前回 1.2%(1.4%から修正)
今週は4月ISM製造業景況指数が49.2と(予想:50.0/前回:50.3)
再び景気の分水嶺となる50を割り込んでいたことが確認されましたが
新規受注の数字も予想を下回りました。
このままドル金利低下がトレンドとなれば
ドル円相場もまだ崩れていきそうです。
安易に押し目完了と買うのはリスクが高いような気がしています。
金利低下で、今夜の米株は堅調推移です。
株がなかなか崩れず、インフレが低下しない問題もありますが・・・。
NOTE
来週はBOE、英国の金融政策はどうなるでしょう。
■英中銀、ベイリー総裁悩ます分裂-利下げ時期巡り足並みそろわず
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-02/SCUE0NT0G1KW00?srnd=cojp-v2
・投資家は英中銀が利下げに踏み切るのは9月とみている
・一部のエコノミストは早ければ6月の利下げもあり得ると予想
・年初には今年6回の利下げを予想していた投資家も、今では1回しか織り込んでいない
・中銀はピーク時に11%を超えていたインフレ率が今四半期には目標の2%まで下がると予想
■異次元円安「予想超える変化」、輸出企業も戸惑い-業績プラスも
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-02/SCQ9U4T1UM0W00
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