2024年5月19日日曜日

 週末の話題は農林中金の巨額損失による資本増強、
VIX指数がコロナ後最低水準にまで低下。

まずはVIX指数。
2019年11月27日以来の12割れです。

※S&P500種指数のオプション取引の値動きをもとに算出・公表している指数 
 ~VIX20=株価が今後1年間の間に7割程度の確率で現在から上下20%の変動リスク
 ~20超えが市場の強い警戒感を示す。通常運転は10〜20程度
 
つまり、現在米株市場は非常に楽観的な状況のあるということです。
景気の減速の兆候はあらゆる指標で確認されますが
FRBが利下げしてくれるから問題ない、と考えているということでしょう。

足元の米国株市場は利下げ期待から再上昇機運にあります。
※米主要株価指数
米企業決算が好調だったこともありますが、
その意味では今週は5月22日のNVIDIA決算がビッグイベントでしょう。

5月22日(日本時間は23日の午前5時20分、会社説明会は午前6時)
NVIDIAは24年2-4月期決算を発表します。
事前予想は売上高が1年前の3.4倍の245.7億ドル、
1株当たりの利益(EPS)は同5.1倍の5.57ドル前後。

※NVIDIA 過去1年で、株価が3倍に。
どんな決算が出て米株市場がどのように動くか予想できませんが
市場が楽観に傾いているということは
下方リスクへの警戒が薄いということですので
今週は米株の下方向へのリスクに備えたい局面ではあります。

そして農林中金。

■農林中金、1.2兆円資本増強検討 今期5000億円超赤字へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB181IF0Y4A510C2000000/
・米国債など運用収支が悪化、25年3月期は5000億円超の最終赤字に転落
・巨額の資本増強で財務の健全性を保つ必要
・リーマン・ショック後もJAなどを引受先に1.9兆円の資本増強を実施

外債投資の比重が大きいんですね。
今年年初は6回(0.25%×6=1.25%)もの利下げ折込みがありましたが、
この利下げ期待はどんどん後退し、追加利上げ論まで飛び出すところまで
金利が上昇=債券価格が下落しましたので、損失はやむを得ないですが
この局面でも株にもしっかり投資しているGPIFなどは
しっかり利益を形状しているわけで
外債に偏重しすぎていた農林中金の運用には疑問符が・・・。

日本株市場全体を揺るがす信用リスクではありませんが
地銀なども同様の運用スタイルなのではないか?という
悲観的な思惑が広がればPBRが低いというだけで買われてきた
地銀株などにはやや影響が出そうな気もします。

※日本主要株価インデックス
積極的に買える局面ではなさそうですよね。
日本株市場もNVIDIA決算で半導体銘柄が影響を受けるでしょうから
これが良くて米株が大きく上昇するなら上方向の芽もありますが。
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ドル円ですが、やはりレンジ相場入している印象。
先週は156.78円までリバウンドしましたが
米CPIと小売売上高指標を受けて153.60円まで下落。
その後再び反発と方向感が定まりません。

※ドル円
パウエル議長が追加利上げ思惑を打ち消したことと
CPIや小売などの指標で急低下していた米金利ですが
週末にかけて反発上昇していたこともドル円上昇の背景。

※日米金利差は反発
また、13日、日銀は定例の国債買入オペで
5年超10年以下国債の買い入れ額を減額したことで、
日銀が過度な円安進行への対応や金融政策の正常化を早めるのではないか、
などの思惑が広がり、日本の金利も上昇しましたが、
先週金曜日17日、国債買い入れオペの金額を全年限で据え置きました。
2回連続の減額は見送ったため、この時ドル円相場は円安方向に動いています。

■日銀国債買い入れ、根強い6月の大幅減額観測-全年限据え置き
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-16/SDGNP3T1UM0W00

今週は23日にオペの通告が予定されています。
今回は1年超3年以下、3年超5年以下、5年超10年以下です。
13日には減額し、17日は減額せず。
23日はどうするでしょうか。ドル円相場を動かす要因となりますので注目です。

※ドル円15分足

ただ、9日公表の4月開催の日銀金融政策決定会合の主な意見では、
国債買い入れについて「どこかで削減の方向性を示すのが良い」など
減額に前向きな意見が多く記載されていたこともあり
6月の金融政策決定会合で大幅な減額、QTが発表されるのではないかという
警戒、思惑が根強くあるようです。
日本の長期金利1%到達が近い印象。
※日本国債利回り
ということもあり、ドル円相場が再び160円台に乗せるような
勢いを取り戻せるとは考えにくいのですが
VIXが低下、株高というような楽観的な相場では
円キャリートレードが膨らみやすいため
ジリジリとゆっくりドル円は上昇する可能性はあります。
そして、なにかリスクイベントがあれば
(例えば米金利急低下、円金利急上昇、NIVIDIA決算で株下落など)
ドル円がキュンと下がる、というような相場展開となりそうです。
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ユーロ上昇を見込んでロングしたユーロドルは
時間足でみた直近安値を割り込む下落となったため一旦撤退。
1.0859ドル⇒1.0853ドルで損切り(T_T)

しかし1時間足の90SMAで反発してきたため
1.0849ドルで再度買い直しました。
また注目していた豪ドルドルも
時間足90SMAがサポートされて反発してきたので
0.6660で買い参戦。
*********今週の主な予定************

5/20(月)
・3月第三次産業活動指数(13:30)
・中国ローンプライムレート(10:15)
・サウジアラビアのムハンマド皇太子が来日(23日まで)

21(火)
・RBA(豪週)中銀5月分議事録
・4月首都圏新規マンション発売(14:00)
・日銀「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップ開催

22(水)
・3月機械受注(8:50)
・4月貿易統計(8:50)
◯RBNZ(NZ)金融政策会合
・米 4月中古住宅販売件数(23:00)
・4/30-5/1 開催の FOMC 議事録(23日 3:00)

23(木)
・日銀国債買い入れオペ(残存1-3年、3-5年、5-10年)(10:10)
・NZ小売売上高(第1四半期)
・豪消費者インフレ期待(5月)
・英製造業PMI・非製造業PMI速報値(5月)
・ドイツ製造業PMI・非製造業PMI速報値(5月)
・ユーロ圏製造業PMI・非製造業PMI速報値(5月)(17:00)
・米製造業PMI・非製造業PMI速報値(5月)(22:45)
・米 4月新築住宅販売件数(23:00)
・G7 財務相・中銀総裁会議(〜25日イタリア)
・休場:インド

24(金)
・4月消費者物価指数(8:30)
・4月全国百貨店売上高(14:30)
・英4月小売売上高
・米5月ミシガン大学消費者信頼感指数
・米 4月耐久財受注(21:30)

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