2024年6月16日日曜日

 注目された日銀金融政策決定会合。

今回ではなく、次回7月会合で国債買い入れ額の減額を始めることを決定。

7月30-31日の会合まで、3月日銀会合で決定した
従来の方針である「月間6兆円程度」の買入れが継続されます。

今回からの国債買入れ減額でなかった、ということが
ドル円相場では円安ドル高の反応をもたらしたと言えるでしょうか。
(ブルームバーグのエコノミスト調査では、
今会合で国債買い入れの減額方針が決まるとの見方が54%と過半を占めていた)

しかし、ドル円相場の反応を見ると、決定事項が伝わった直後は円安が進行
158円台まで上昇したのですが、
植田総裁の会見が始まると上げ幅はほぼ全て削る展開。

※ドル円15分足

植田総裁の会見がタカ派的と捉えられたということか。

■日銀総裁会見 国債買い入れ減額は予見可能な形で
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240614/k10014480611000.html

・国債買い入れの減額計画について
「 減額する以上、相応の規模となるというふうに考えている」
「まず1-2年分のスケジュールを大まかに示す」

・7月会合での利上げの可能性
「その時までに出てくる経済・物価情勢に関するデータないし情報次第で、
 短期金利を引き上げて金融緩和度合いを調整することは当然あり得る」

7月日銀の注目度がさらに高まりました。
国債買い入れ額減額計画が具体的に発表されることと、
利上げ予想がぐっと高まったためです。
現状の日本経済で利上げが適切かというと甚だ疑問ですが、
市場は催促に動いています。
植田総裁も、前回4/26日銀会合後の会見での自身の発言で
ドル円相場が160円まで円安ドル高が進行してしまったことから
ハト派的と取られぬよう発言には苦心していたように思われます。

結局のところ、データー次第で、ということですが
今後、日本のインフレ指標に強いものが出てくるとか、
実質賃金が上がるなどのニュースは利上げ期待を一段と高めると思われ
その度に日本の金利には上昇圧力がかかると思われます。

6/21全国消費者物価指数
6/24毎月勤労統計
 等の数字には注目です。

※日本国債利回り 足元日本の金利は低下
日銀が量的緩和縮小を発表したにもかかわらず
日本の金利が下がっているのは、米金利が大きく低下しているせいですね。
結局米金利が世界の金利に及ぼす影響のほうが大きかったりします。

今回米CPI,FOMC、日銀とイベントをこなして
結局ドル円相場はレンジ内での推移ではありますが、
やや円売り、ドル買いが優勢ですね、158円台まで到達しています。

※ドル円 レンジではあるものの、、、

7月30-31日会合まで1ヶ月あまりありますが、ドル円相場はどう動くのか。

国債の買い入れの減額は、日本の長期金利上昇要因です。
ただし、米金利動向にも影響を受けるため、米金利がこれ以上
大きく上がらないならそれほど心配することはないようにも思いますが
米国FOMCは年内1回の利下げ見通しへとタカ派転換。

しかし、マーケットはFOMCの見通しをあまり信用していないとみえ、
週末も金利織り込みは2回のままでした。

※CME FED WATCH 9月に利下げ開始織り込み
米金利もFOMCを受けても上がらず、低下基調。

※米国債利回り
経済指標に悪いものが目立つようになったこともあり
市場はFRBが示すより早い利下げ開始を予想しているようです。

■米消費者センチメント、7カ月ぶりの低水準-ミシガン大調査
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-14/SF2PL1T0AFB400?srnd=cojp-v2
6月の消費者マインド指数は65.6に低下、市場予想は72
5-10年先のインフレ期待は3.1%に上昇、前月は3.0%

今週は6/18の米小売売上高、
6/20の住宅着工、フィリー指数などに注目です。


結局のところ、ドル円相場はレンジが続くのではないか
という気がしていますが、気になるのはクロス円。
ユーロ円はWトップをつけた可能性。

※ドル円、クロス円日足
豪ドルやポンド円なども週末高値を更新したのですが
比較的大きな陰線がつきました。
ドル高となったためにドルストレート通貨が大きく崩れた為です。
※ドルストレート通貨日足一覧

このままドル高が続けばドル円には上昇圧力がかかりますが
クロス円は下落基調を強めることになります。
あまりに大きく崩れる=リスクオフ相場となるようなら
ドル円も結局崩れるという展開も否定できません。

例えばメキシコペソ円は反発局面にあるものの
200SMAを超えて上昇できるでしょうか。

※ペソ円
メキシコペソの通貨先物市場の投機ポジションは
あまり減っていないですね。3日に急落しましたが
8日発表のデーターではその後ペソネットロングは増えていました。

※IMM通貨先物ポジション ペソ

ペソロングの投げが出るような局面には注意をしておきたいですね。
それでもドル円の下値が固いということであれば
それは新NISAなど別の需給要因があるのかもしれませんが・・・

ユーロは弱いです。
いよいよフレグブジット(フランスのEU離脱)の可能性が指摘され始めました。

■マクロン仏大統領が賭けに出た選挙、ブレグジットの悪夢再来リスク
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-15/SF3WHXT0G1KW00

■フランス、総選挙で左派勝利ならEU離脱も-ルメール財務相が警告
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-14/SF27VKT0AFB400?srnd=cojp-v2
ルメール氏:
左派系4党から成る連合「人民戦線」の政策は「経済の崩壊」を招く
「左派連合の政策は完全に狂気だ。
  格下げと大量の失業、EU離脱を保証するものだろう」

■フランス市場混乱、ECB当局者は警戒すべき理由ないと認識-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-14/SF2QUPT1UM0W00

ユーロドル1.0844ドルショートは継続。
先週金曜にユーロ円が上昇し、折り返して下がってきたところを狙って
169.38円でユーロ円ショートを追加しています。

------------今週の主な予定-------------

6/17(月)
●4月機械受注(8:50)
●中国 MLF(中期貸出制度)金利
●中国 5月工業生産(11:00)
●中国 5月小売売上高(11:00)
●中国 5月都市部固定資産投資(11:00)
●米 6月NY連銀製造業景気指数(21:30)


18(火)
●●RBA:豪州準備銀行理事会
●独 6月 ZEW 景況感指数(18:00)

●米 5月小売売上高(21:30)
●米 5月鉱工業生産・設備稼働率(22:15)
●米 4月対米証券投資(19日 5:00)

19(水)
●4月 25・26日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨
●5月貿易統計(8:50)

●米 6月 NAHB 住宅市場指数(23:00)
●休場:米ジューンティーンス
(奴隷解放記念日、2022年から始まった新しい祝日)

20(木)

●東京都知事選挙告示日(7/7 投開票)
●●英金融政策委員会 利下げ織り込みほぼなし(9月か11月の利下げか)
●米 1-3月期経常収支(21:30)
●米 5月住宅着工件数(21:30)
●米 6月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(21:30)

21(金)
●●5月消費者物価指数(8:30)

●6月 HCOB ユーロ圏製造業 PMI(17:00)
●米 6月 S&P グローバル米国製造業 PMI(22:45)
●米 5月中古住宅販売件数(23:00)

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