2024年6月17日月曜日

 今日の日本株市場の弱さは一体何が背景にあるのか?

日経平均 ▼712.12 38102.44 一時800円を超える下落となる局面も
TOPIX    ▼46.60  2700.01 

下落の解説は3通りあります。

1)米景気減速懸念、長期化する高金利警戒
  
  週末はミシガン大学の消費者信頼感指数が悪化。
  6月の消費者マインド指数は65.6に低下(予想72)
  5-10年先のインフレ期待、3.1%に上昇(前月3.0%)
  
  ダウ平均が▼57.94ドル 38589.16ドルと下落していたことを引き継いだ。
  
  ~といいますけど、ナスダック指数は絶好調で最高値更新していましたので
   米国株市場を受けて日本株が下落したという解説はしっくり来ませんね。
   
2)フランスの混乱、フランス株、債券急落でリスクオフ警戒
  
  日本株は6月に入り最大の下落、フランス政治懸念でリスク回避鮮明に
  https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-16/SF6Z96T0G1KW00
  
 CAC40フランス主要株価指数
 

リスク回避相場だというなら、日経VIがもっと急伸しても良さそうですが、、、
 
 日経VI
 
VIX指数も上がっていません。
 ただし、このところの米金利、日本金利の低下はリスク回避資金が
 安全資産である債券市場に向かったため、と言われればそうなのかもしれません。
 
 ■米債券ETFに大量の資金流入 今年は過去最高も
  https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/T7NUCVPLMBP7PGBL5B5RDMIDWY-2024-06-17/
 

  また、今日はクロス円が反発基調を強めており、
 ~これはドル円が結局上昇基調を強めたためと思われますが~
 クロス円が崩れていく相場でないのにリスクオフ相場である、というのも違和感が。 
   

3)日銀が量的緩和縮小を決定した

  次回7月会合から、ということではありますが、日銀がいよいよ
  国債買い入れ額の減額を決定。次は利上げはいつ?という市場の催促と思惑が
  日本株市場の上値を重くしているというもの。
  
  う~ん、実際の量的緩和縮小が始まるのは7/31の発表を受けた後でしょうし
  まだ1ヶ月以上先。市場はすでに利上げを織り込んでいるというのか。
  
  日本経済が決して強いわけではないのに、日銀が引き締めに動き出す
  リスクを先取りしている可能性は否定できませんが
  今日発表された日本の機械受注も悪かったですね。
  
 ■機械受注4月は前月比2.9%減、判断「持ち直しの動き」で維持
 https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/ODP4GJVLU5PYRC2EPDSUKRV4FE-2024-06-17/
  設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額は
  前月比▼2.9% 3ヶ月ぶりマイナス。
  
これらの材料のどれか、ということではなく
複合的に弱気が市場を支配したものと見ていますが、
今日は海外勢による株価指数先物への売りが優勢な展開でした。

 ■「英国の日本株売り」に注意、リスクオフでも円安加速か
 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL1721O0X10C24A6000000/
 
日経平均のチャートは形が著しく悪化しましたね。
※日経平均日足

まだまだ下値余地がありそうです。

今夜はユーロがリバウンド基調に。
なにか状況が好転したわけではありませんので
ショートカバーだと思われます。

■レーンECB専務理事、仏国債救済の必要性を否定
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/PK523WQFSZNCJJOUUB26TM2CNI-2024-06-17/

現時点ではECBが救済に乗り出すほどのリスクではない、ということです。
しかし、実際解散総選挙を受けて極右政党が議席を伸ばすなら
いつぞやのポンドショック(トラスショック)の再来の可能性がありますし、
フレグジットのリスクもゼロではありません。

というわけで、ユーロは戻り売り目線。
ユーロドルだけでなく、ユーロスイスなども狙ってみたい。
※ユーロクロス

ユーロ円は、ドル円上昇に引っ張られて
利益がみるみる減ってしまいました。
169.38円ショートは168.88円で買い戻しました・・・・
ユーロドル1.0844ドルショートは継続。

しかし、昔のように株下落でリスク回避となれば円高になるという
相関はすっかりなくなってしまいました。
メキシコペソ円などの下落は大きいのですが、他市場には波及せず。
コロナ禍以降は、バブルとバブル崩壊は局所的に起きていて
全体に広がることが少なくなりました。
過剰流動性マネーが負の連鎖を妨げているのかもしれません。

※リスク回避相場で日本株下落との指摘もあるなかで
 ドル円はしっかり 


今夜は米指標が悪くなかったこともあり、ドル金利反発。
■NY連銀製造業景況指数、6月はマイナス6.0に上昇-予想マイナス10
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-17/SF851AGENSW000?srnd=cojp-v2NOTE

※米国債利回り

■家計の円売り、はや前年上回る 新NISAで1〜5月5.6兆円
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1422Z0U4A610C2000000/

ドル円がリスクオフで円高にならない理由の一つに
日本勢が淡々とドル買いを続けており、これはリスク回避局面でも
レパトリが起きないからなのかもしれません。。。

ひろこのX

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