2008年6月7日土曜日

一筋縄では行かないのがこのところの動き。
昨日ドル円は106円台乗せの強さを見せていましたが再び105円台前半まで下落、レンジに逆戻りです。昨日ECBトリシェ総裁の発言(インフレ警戒・7月利上げ示唆)にユーロだけは引き続き強い動きとなっていますが、注目の雇用統計もこのユーロ高に拍車をかける結果となりました。

NFP非農業者部門雇用者数は、予想-6.0万人に対して-4.9万人と強かったのですが、今回のサプライズは失業率。予想5.1%に対して5.5%と失業率悪化。ちなみに先月の失業率は5%。NFPの数字ではなくてこの失業率を見てドル売りとなっているようです。この数字がどれほどのインパクトがあるものかピンとこなかったのですが、ちょっと調べてみましたら、失業率が前月から0.5%悪化するのはなんと22年ぶりのことだとか。それなりにショッキング~(エドはるみ)な数字だったようです。
加えて、3月のNFPが ▲8.1万人→▲8.8万人へ 4月が▲2万人→▲2.8万人に下方修正されていることもドル売りに繋がっているんでしょうね。

この雇用統計の結果を受けて、再びFRBに対する利下げ圧力が高まることも出てくるかも?!今週バーナンキ氏が利下げ打ち止めとも取れる発言を行ったばかりですが、この発言と今回の雇用統計の結果とどちらに軍配が上がるのか?次週以降にその答えが試されることとなるのでしょう。発表後は106.30円辺りにあったドル円レートは105.20円程度まで1円強の下落となりました。さてここから切り返して再び106円台を目指すのか?あるいは直近のレンジの下限103円アラウンドまで下げるのか?

そして注目すべきはユーロです。トリシェ発言に続き、弱かった雇用統計の結果が後押ししています。ユーロドルが強い。1.5740台に突入し、前回の高値1.58をトライする動き。1.58を抜ければ、史上最高値1.60を再び目指すのでしょう。これは原油の反発とも歩調を合わせています。現在134ドル台、史上最高値を再び更新するのも時間の問題?!

モルガン・スタンレーがレポートで、7月4日までに原油価格が150ドルまで上昇する可能性を述べたとかで、大変困った事態となっているのですがこのくらいの水準はもう想定シナリオ。再び原油市場に資金がなだれ込んでいるようです。またイスラエル運輸相がイラン核施設への攻撃は不可避だと発言?!きな臭い話題に原油買いに拍車がかかっています。一方 ダウ平均は大きく下落しています。ドル売りユーロ買いの流れですが、次の一手はユーロドルの買いがいいのでしょうか。でも現時点では急騰しすぎですので押し目を待ちたい。原油の騰勢を見るにユーロドルも新高値更新があると思います。


ドル円に関しても押し目買いでいいとは思うのですが、、、。ドル弱気は対ユーロで鮮明ですが対円ではどうなの?というの正直なところ。ちょっと円買いに動くには躊躇があります。

また今日はカナダの雇用統計も発表になりました。5月就業者数の伸びが市場予想を下回り カナダドル売りが優勢。 カナダドル円は104.10円近辺から103.30円くらいまで下落しています。来週10日に政策金利の発表があるのですが、今のところ利下げが確実視されています。原油高から闇雲に売られることはなさそうですが、ここから買う理由が見つからない、ということでカナダドル円は5/29の107.10円が目先の天井だったということになりそうです。カナダ売ってみようかな?でも原油が噴くとやられそうなので手が出しにくいですよね。罫線術からはどうも103・20円割れならショートで固いと読めるのですが、、、。

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