やっぱり今週はギャップダウン、窓を開けて下落してのスタートとなりました。
先週末、にわかに飛び出した
「SECがゴールドマンサックスを、サブプライムに締結されたCDO詐欺で告発」
というニュース、これをこなすまでは日本市場、ロンドン市場と下げ続けるのは仕方ない。
ぐるり一周して再びNY、目先は下げどまったと見えて、ドル円クロス円反発してきています。
さて、今後このニュースはマーケットに影響を与え続けるでしょうか。
今のところ楽観論者が多いように見受けられますね。
大勢が「下落は限定的。良い調整、買い場を与えてくれた」と、押し目買いスタンスを
変えていないように見受けられますが、これがサブプライム初期に見られたような
状況と一緒だとするなら楽観視できませんよね。
FRBのトップからしてたいしたことはないと言っていたのに、、、
あんなことになるなんて。
レイモンド・メリマン氏は
「将来のある時点でこの事件を振り返ったとき、
これをSECまたはゴールドマンサックス、または金融業界にとっての「何か」が
バッドエンドに向かって舵を切った、そのスタート地点として認識させられるだろう・・・・。」
というような意味のコメントを出しています。気になるなー
ジム・ロジャーズ氏も
「この種のことが起こるときは、市場が15%~20%の調整の準備に入っている可能性がある」
とインタビューに答えており、慎重な姿勢を見せています。
気がかりは、これがゴールドマンの問題だけで終わるのか否か。
すでにドイツ銀行、メリル、JPモルガン・チェースとの利益相反疑惑が浮上しています。
大倉さんは「この件をきっかけにサブプライムローンからリーマン破綻にかけて大きく損をした投資家が
(個人を含めて)、訴訟に踏み切るかどうか。こうなると他の大手金融機関も蚊帳の外ともいえず~」と
今後考えられるリスクを考察しています。
著名弁護士のジェイク・ザマンスキー氏によると、
CDOで多額の損失を被った投資家の間では、ゴールドマンの訴追を受け、
早くも訴訟を検討する動きが出ており、
「すでにゴールドマンの顧客から、損失を取り戻すため訴訟を起こしたいとの打診があった」と話す。
(ロイター記事から)
私にはこの問題の根の深さを探る手段も能力もありません。
ただ、どちらかというと悲観論者なのでサブプライムの時も
これはとてつもないことだというネガティブなニュースを拾ってきては
大暴落シナリオも想定していましたが、
(かといって大勝ちしたわけではないのですが)
今回もひょっとしたら2番底形成の理由があるなら、これがきっかけになるかも。
なんて想像してみたりしてます。
ただし、このままズドンと下がるわけではなく。
サブプライム問題が表面化してからの相場がそうであったように
問題の本質がつかめず何度も上昇する局面をみせ、
油断しきった頃に再度蒸し返される形での大調整がある・・・・
といったような「わかりにくい」下げ方をするのではないかと思っています。
昨日18日から5月11日までは水星の逆行期。
方向性がつかみにくく、テクニカルではだましが多く出現する期間とされていますので
この後出てくるいろいろなニュースに振り回されないように注意が必要。
慎重論者の間ではボルカールールへの道ならし、布石に
ゴールドマン・サックスが生贄にされたとの見方もあるようで
コレを機に、ボルカールールの策定が加速することの影響のほうを
懸念しているようです。
今は下げどまって買われていますが、下手についていくと
戻りを大きく叩かれてしまいそう。
それでも、ただ見ているのは退屈なんだけどね・・・。
米国発のこのニュースの他にも
①ギリシャを巡るユーロの動向、
・英FTはギリシャはいずれデフォルトする可能性を指摘している
・アイスランドの火山灰による景気下押し観測なども気がかり
②人民元切り上げを巡る要人発言など材料は豊富です。
・胡錦濤・国家主席は16日(金)「中国は段階的に変動相場制を導入へ」と述べ、
これまでより具体的表現となっている
・この週末、24日~25日にはワシントンでG7・G20財務相・中央銀行総裁会議が開催。
人民元について表明あるか注目。
今日の動きはまだ不安定でこの流れに乗って買う気持ちにはなれず。
もう少し様々なニュースがこなされるまで様子見としたいと思います。
※CODとは?「債務担保証券」
ゴールドマンは2007年にCODを販売。
サブプライムショックでCDO価格が急落し投資家は巨額損失を被ったが
なんとゴールドマンは
「CDOの価格下落による損失を補てんする保険商品であるCDSを購入」
していたことで巨額の利益を上げていた。
顧客に販売した商品の下落で利益を上げるという反対取引を
顧客に告げなかったことが問題視されている。
【人気ブログランキングへ登録しています。応援ありがとうございます。】