2010年8月31日火曜日

白川日銀総裁が、予定を繰り上げて急遽帰国。
日銀は今日緊急で追加金融緩和策を発表しましたが、
典型的な知ったら終いの相場になってしまいました。
先週末、金曜のNY時間には
「月曜30日にも臨時会合で追加緩和の可能性」というニュースが流れ、
ドル円は今日の発表直前まで期待から
大きく買い戻しが入っていたのですが、、、。
一時85.91円の高値を付けるところまでの円安水準まで。

市場の期待は日経平均の大幅高をみても明らかでしたが、
お昼にその内容が伝わると上げ幅を縮小。
ドル円は一転して円高に走り始めます。
日経平均はそれでもプラスで終わっているので、
政府の経済対策への期待が支えになっているようですね。

結局はその内容が「市場の予想範囲を出なかった」ということに尽きるようです。

①無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.10%のまま据え置く
②「新型オペ」の期間を現行の3カ月から6カ月に延長
③その供給額を現行の20兆円程度から30兆円程度に引き上げ

86円近くまでの円安という期待で市場が織り込んでいた満額回答は
「新型オペの総額を30兆円に増額し、期間も6ヶ月に延長」というもの
だったようですが、実際は「これまでの新型オペはそのままで、
追加のオペを6ヶ月間で10兆円追加」という内容で
期待の下限に近いという失望もあったものと思われますが、
加えて、これが全会一致で決められたのではなく、
須田委員が「追加の金融緩和策に反対」したことも伝わると、
さらに円高が進行したように思います。

今のところ、市場は完全に期待を削がれ、
更なる円高を覚悟し始めたかに見えますが、
一方で、昨年ドバイショック後の混乱で
日銀が新型オペの導入を発表した12月の時も
直後の日本勢の評価は思わしくなかったものの、
これを素直に評価した海外勢らの日本株買いで
日経平均は大きくリバウンドし、9300円台から4月の年初来高値
1万1408円まで22%上昇となったことを指摘する向きもあります。
(ただし、08年のリーマンショック以降、海外勢は日本株を
約6.6兆円も売り越していたことため、その買い戻しに過ぎないとの見方も。
現状ではそれほど海外勢の売りが溜まっているわけではない)

ただ、T&Cの荻野金男さんがYMTVでも何度か解説下さいましたが、
外国人勢は「日銀」に(というより各国の中央銀行に対して)敬意を払っており、
その政策を素直に評価する傾向が強いということですので、
今日の動きを以てして、さらなる円高がどこまでいくか分からないというような
底なし沼への失望に繋がるものと判断するのは、早い気がします。
ジワジワと評価されてくるかもしれないです。。。
株価が支えられればドル円も戻りやすくなるでしょうし。
ということで、ここからのドル円クロス円売りは慎重に。

・・・でも、噂で買って事実で売り。
この格言通りの典型的な動きとなった今日はクロス円が良く下げました。
日銀の発表後にファンドがクロス円を売ってきたとの情報もありますが、
素直に失望売りに乗れば良かった・・・。
といいますか、私はユーロドルショートを持っていたので
あまりいろいろやらない方がいいかと思ってみていました。
ユーロドルSより圧倒的にクロス円Sのほうがパフォーマンスが良かったなぁ。

金曜にブログを更新した際にはバーナンキ氏の発言に
追加緩和に踏み込んだ内容が確認できなかったのですが、
時間をおいて確認してみたら、「手段はまだ多数残されている」と、
必要ならば追加での緩和策を行う意向が示されいたことが判明。
これで、ダウは大きく買い戻されました。ドル円、クロス円の上昇も
日銀会合のネタだけではなくて、バーナンキ発言も下支えとなったのかな。

しかしながら今夜のダウは冴えない動き。
まだまだリスクオンというムードには程遠いようですが、
しかし、日米ともに緩和策へのカードが切られたということを考慮すると
今囁かれ始めた2番底の懸念は後退し、
キッカケさえあれば、底打ち反転上昇、という相場に
あっという間に変わるんじゃないか、と思っています。

そのキッカケってなんぞや?!
今週の雇用統計とか・・・かなぁ。そこまでは今夜は考えが及びません。
予想以上に悪い数字となり、
本格的な量的緩和に期待が高まって意外に買われるとか?!
いろいろと思うところはありますが、ユーロドルはこのままSで様子を見ます。
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ロイターにFRBが一層の緩和に踏み切るとしたら、どんな可能性があるか、
って記事が掲載されていました。少し割愛しましたが、
メモとして引用させていただきます。

<一段の資産買い入れ>  FRBはMBSの一段の買い入れを行う可能性がある。もしくは、MBSの保有高がすでに大規模になっていることを考えると、長期の米国債買い入れを強化することもありうる。  国債の買い入れ拡大は、巨額の財政赤字と債務をファイナンスするために単に紙幣を刷っているだけではないか、との疑問を持たれかねない。そうなればドルの信認が低下、金利が上昇する可能性が。
   
<異例の低金利を長期間維持することへのコミットを強める> FRBは2009年3月からFOMC声明でFF金利を「長期間」「異例に低水準」とすることが正当化される可能性が高いと引き続き予想する、との文言を入れている。その前提となる経済状況は、高い失業率、抑制されたインフレ基調、安定的なインフレ期待、と定義されているが、この定義を手直しし、「景気回復が始まっても低金利を維持するとの姿勢」を表明することで、市場に強い保証を与えることができる。

<超過準備に支払う金利の引き下げ>  民間の銀行がFRBに預け入れる準備預金のうち、所要額を超えて預けている超過準備に対して、FRBは現在0.25%の金利を支払っている。FRBは、銀行の貸し出し拡大を目的に、この金利を引き下げるという選択肢もある。
 
<新たな貸し出しファシリティーの創設>  商業用不動産など、特定のセクターへの信用拡大に向けて、FRBには新たな貸し出しファシリティーを創設する、という手段がある。  FRBが銀行以外のセクターに貸し出しを行うには、危機的な状況が存在することを国民に納得させる必要があるだろう。2007─2009年の金融危機で同様の措置をとった際、強い批判を受けた経緯があることから、FRBは実行にためらいを感じるかもしれない。  

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