2011年3月17日木曜日

底割れしました。商い薄く閑散としている早朝6時に!
16日のニューヨーク外国為替市場で円相場が1995年4月に付けた79円75銭を上回り、
最高値を15年11カ月ぶりに更新した。76.25円までの円高を確認。

早朝6時~6時20分頃までのわずか20分程度の間に3円以上も円高が進みました。
震災後3日間は日銀の大量資金供給に比較的落ち着いた値動きだったように思いますが、
このわずか20分、しかも日本勢がまだ本格始動しない早朝の閑散時間と狙っての動き。
これは明らかに投機的な動きと言えるでしょう・・・。

でも市場ってそういうものよね。
混乱期には必ず投機的な動きが出てくるものですし、
特に日本勢が油断する時間帯っていうのが
多いような気がするのは私だけ・・??
昨日までの80円台でのゆるゆるした動きというのは
これだけの大災害が起こった(しかも進行形)割には気持ちの悪いものでした。
こういう動きがあるのは予想できたことです。(時間帯はアレですが。。。)

また16日のダウ平均は大幅に3日続落で2カ月半ぶりの安値で終了。
前日比242.12ドル安の11613.30ドル。
ダウ平均の下げ幅は一時300ドルに。
2月の住宅着工件数が前月比22.5%減の47万9000戸(予想は56万6000戸)
前月は61万8000戸で速報値の59万6000戸から修正されたものの、
予想より大幅ダウンの衝撃。これは2009年4月以来最小件数。
この「着工件数」の先行指標となる住宅着工「許可」件数は
前月比8.2%減の51万7000件。こちらは過去最小件数。

まあ、この住宅指標もショックですがそれよりなにより震災・原発問題ですね。。
なんとEUのエッティンガー委員とかいうエネルギー担当の方が、原発事故について
「事実上、制御不能」と欧州議会で発言した、というのが伝わってから
マーケットが混乱を極めたようです。
当事者でもなんでもないのですが、ともかく原発に関してのネガティブ発言には
なんでも反応してしまうという空気が醸成されてしまっているので
それが真実かどうかの検証なしに、相場が崩れてしまう。。。

今日与謝野馨経済財政相は
「思惑先行型であり極めて投機的な動き。
今は為替も株も落ち着きは取り戻したと思っている」
レパトリに関して「まったく根拠がない。保険金の支払いと比べて
有り余るほどの現預金などを持っており、
円に替える動きは一切確認していない」と指摘。
介入に言及はなかったです・・・。
「そういうことにはコメントできない」ですって。
過去最高値を割り込んで76円台にまで落ちたのに介入がないとは。
昨年9/15以降、日本は介入が出来ない何らかの理由があるのかもしれません。
それともただ気がつかなかった?!不意を突かれた?!
不思議でなりません。あの日2兆円もの日銀砲を打ちまくったのに。。。

95年の阪神淡路大震災後の、過去最高値更新時の状況を振り返りますと、
本邦単独の円売り介入では円高を食い止めることができなかったんですね。
1月17日の震災後、3月末までに計26回1兆7954億円の介入を実施したのですが、
円高は4月半ばまで止まることはなく、
その後4~6月にも計10回6050億円の介入を実施。
この経緯を考えれば昨年1日で2兆円ってのがどれほどのインパクトだったかわかります。
あ、時代も違うか?!流動性も違っていたのかもしれませんが・・・。

7月7日には「日米協調による七夕介入」が実施されたことで流が変わります。
さらに8月には日米欧による協調介入。
日銀による単独介入から、欧米の協調介入へシフトしたことが円高を阻止したのです。
9月に100円台まで円安が進みました。
ちなみにこの年の円最高値は4月19日79.75円。

こうした経緯を踏まえて考えるなら、今回も単独介入があっても
円高を阻止できても円安に流を変えることは不可能だと思います。

しかしながら今日、野田佳彦財務相がG7の電話会議を明日18日午前7時に行うと述べ、
「協調介入への期待」も広がりつつあります。
それが無理でも円高についての共同声明が出される可能性は強く
今晩から明日明朝にかけてはこうした思惑からvolatileな相場となることが予想されますね。

市場に期待はあるようですが、私的には協調介入はないと思っています。
アメリカの足元もグラグラしてきたでしょ。
ダウも崩れ始めた。ドル安政策を継続擦る必要がある中で
それに反する行為を示すことはないと思っています。
今回ダウは日本のせいで崩れ始めたのだから日本を救済するのが先という見方も
あるかもしれませんが、今回の震災の影響がなくてもダウが崩れる日が近づいて
いたものと予想していましたし、、、。

ということで、そう簡単にこの円高の終焉を見ることは出来ない、そう思っています。
ただ、80円前半くらいまで戻ったりしながらの揉み合いに入りそうな気も。
いつかくる怒涛の円売りの日まではジリジリと円高傾向で
今朝の76円手前までの円最高値を再トライ、ここを割り込むか割り込まないかと
いったところまで円高があってから、大きく反転するんだろうな。
今はぼんやりとそんなことを考えています。

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