今日も介入はなし。
介入に踏み切らざるを得ないような急速な円高の動きがなかった
ということもありますが、
これも「介入警戒」が根強く下値を支えているということなのかもしれません。
先週金曜に75円台へと(一瞬でしたが)歴史的高値を更新したために
当局が牽制発言を繰り返していることが一層の膠着を招いているようですね。
今日だけでも
野田財務相
「あらゆる手段を排除することなく対応する」
「日銀との連携は引き続き継続」
「必要な場合は断固たる措置を取る」
「あらゆる手段を排除しない」
「株式市場の動向についても今後とも注視する」
海江田経産相
「月曜朝から日米協調介入するやり方あった」
枝野官房長官
「投機的な動きがないか、これまで以上に注視していく」
「一方的に偏った円高の動きが強まっている」
菅首相
「一方的円高の動き強まる、断固とした行動を取る」
「為替市場では一方的な円高の動きがさらに強まっている」
「投機的な動きないか注視」
白川日銀総裁
「為替取引を注意深くモニターしている」
「投機的な動きも強い」
「円高は、輸出・企業収益・マインド悪化など経済にマイナスの影響が大きい」
「円高の経済への影響を注意深く見て適切に対応」
これだけ繰り返して牽制発言があっても円安にはなりませんな。
日経平均株価も104.88円高の8733.01円、
今日1日の動きだけを切り取ってみれば
もう少し円高圧力が弱まって円安気味推移となっても良かったんじゃないの?
なのに、どちらかというと欧州時間帯からレンジ幅を20pipsほど円高に進めての推移。
やはり下値をどれだけ支えられていても上値のほうがより重い。
これは一度個人のドルロングが投げさせられるまでは終わらないという相場なのかもしれません。
こうした中、短期金融市場の一部には日銀による「利下げ」を織り込む動きが出始めている。
こんな記事を目にしました。
利下げ?!・・・だって政策金利はすでに0~0.1%、ほぼゼロ金利ですよね・・・。
ところが政策金利の先行きを予想して取引する「翌日物金利スワップ」では
日銀の誘導目標が「0~0.05%」に引き下げられることを想定する形で
前週末から金利気配が軒並み低下しているのだそうです。
また3カ月物の東京銀行間取引金利(TIBOR)を対象にした円金利先物も、
上昇ピッチが加速(金利は低下)しているとかで、
これは日銀が具体的な選択肢として「利下げ」を行うのではないかという思惑を
織り込み始めている動きだというのですが、、、。
一応振り返っておきましょう。日銀のこれまでの緩和策。
2010年10月「包括的な金融緩和策」の一環で35兆円規模の基金を創設
2011年3/14 東日本大震災後介入と連携で5兆円増額
8/4 介入と連携する格好で10兆円増額
今後、オーソドックスに考えれば10兆円規模の基金増額をするのでは?
というのが一般的な見方ですが、、、。
しかしこれまでの緩和策では円高が止まらないということから踏み込んだ政策を
取らざるを得ないのではないか、というのです。
アメリカにやられちゃったせいもあるんでしょうねぇ。
FRBは9日「少なくとも2013年半ばまで(超低金利政策を)継続する可能性が高い」と発表。
米国の金利低下に拍車がかかり再びドル安相場となってしまいました。
これまでの日銀の金融緩和による円高抑止効果が消え去ってしまいました。。。
そこでいよいよ日銀は「伝統的な措置である利下げ」に踏み切るのではないか?!
先進国の通貨安競争は打つ手のないギリギリのところのせめぎあいとなってきました。
アメリカ、スイス、日本・・・欧州も利上げは打ち止めでしょう。
これでは金価格への資金流入をと止めることはできません。
値頃から金を売り向かって苦労されている方もいらっしゃるようですが
大きな資金の流れ、各国の事情を考えれば金がここでピークアウトするとは思えません。
確かに上げ方がえげつない・・・ので一時的には大きな調整局面もあろうかと思いますが、
基本的には先進国が引き締め政策に転じることがない限り
金が買われる基調に変化はないものと考えた方がいいでしょう。
さて、今日の注目はオージー。
RBA副総裁が
「鉱山ブームは予想より強く、2011年のインフレは当初の予想より
も上振れする可能性が高い」と述べたとかでオージーが買われる局面があったようですが、
さて、下がれば買って放置すれば鉄板で勝てたオージーが
今後もそういう特性を保ち続けられるのかどうか。
オージードルのチャートを見ると、これ、綺麗なWトップに見える。
確かに金が上がるとオージー買いという相関性が見られていた時期もありましたが、
それはリスクがなく「過剰流動性マネー」で株も商品も買われていた時代の話。
金だけでなくて他のコモディティも買われていました。
しかし、ここにきてVIX指数急上昇。コモディティも金とシルバーは買われていても
プラチナや銅、パラジウムなどの景気に左右される銘柄は下がっています。
オーストラリアも世界の景気が失速すれば強気継続はできないと思います・・・。
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは
オーストラリアの失業者が2012年3月までに10万人増え、
失業率が7月現在の5.1%から今後6カ月で6%に上昇するとの予測を示しています。
さらにこれを受けて今年11月までに政策金利の引き下げを迫られると予想。
現在の豪州の財政状況が1990年代以降で最も厳しくなっているとしています。
実際、22日に鉄鋼大手ブルースコープ・スチールが従業員1000人の削減と
輸出事業からの撤退を発表したりしていましたね。
バンカメメリルの予測が当たるかどうかはわかりませんが、
チャートを見てもどうもオージーの買いの時代は終わっているように思えてなりません。
ということで、機会があればオージーが上昇したところを売ってっみたいな、
なんてぼんやり考えていますー。
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