2011年12月13日火曜日

ユーロドル相場を見るとじり安展開で、先週のECB理事会とEU首脳会議を
評価していないような印象ですが、5日にトリプルA格付け国の格下げを
示唆したS&Pはまだ決定的な発表をしたわけではありません。

ECB理事会では金利引き下げは想定の範囲内であったものの
マリオドラギ総裁の
「国債買い入れ枠拡大について言及した事はない」という
市場の期待を裏切る発言にネガティブに捉える向きが多く、
ユーロはジリジリ下落している状況にあります。

ECB理事会のドラギショックとEU首脳会議の力不足を指摘する声のほうが
大きい印象ですが、(またMarketもそういった反応が優勢な印象ですが)
果たしてそのバイアスに傾けていて問題ないのでしょうか。

ポイントは「しかし、国債買い入れを止めるとは言っていない。」こと。
現在週200億ユーロの国債の買い入れを実施していますが、
これは継続されるということなんですよね。
計算すれば月間で1000億ユーロ、
年間で1兆ユーロを超える規模になるわけですが、
これを意外に市場が評価していない。
さらに36ヶ月物の固定金利・無制限供給オペの新設・・・・。

ECB総会は一般報道ではドラギショックとして
この危機にも融通がきかないドイツ寄りの頭の固い総裁だった・・・・
という失望を煽るものが多かった印象ですが、見る人が見れば
「銀行にバズーカ砲を提供する内容」であった、という内容で
(これはかなり少数派解釈です)
ポジティヴに評価する声もあるということを
本日とある有識者から教えていただきました。

さらに。

今週はFOMC。
あまりにも欧州問題に関心が高くあまりアメリカの問題には
市場が反応していないように思いますが、
今度のFOMCでは昨今では誰も口にしなくなった
QE3にどれだけ言及があるのか、が注目ポイントとなってくると
思っています。

つまり、このままアメリカが逃げ切りの景気回復が出来るとは
考えられないということですけれど、
個人的に米株がこのまま堅調推移するとは思えない幾つかの材料を
記しておきたいと思います。

■住宅在庫は依然高水準のまま。
住宅在庫は全米でなお400万件近い。
00~02年の200万件前後から比較しても倍近くの高水準。

■ クリスマス商戦の出足好調の誇張。
今年のクリスマス商戦は通常より早めに始まっている。
クリスマスデコレーションは通常感謝祭の直後から始まるが
今年は2週間前からスタート。
またいわゆる「ブラック・フライデー」も例年は朝5~6時開店する店が
多いのだが、今年は真夜中からセールを開始している。

■ 11月の失業率が大幅に低下したのは労働参加率の低下が主因。
(64.2→64.0%)
職を探していた失業者が探すのをやめ、労働市場から退出したことを反映。

■ 今年、米政府は1年限定で6.2→4.2%へ社会保障給与税の
減税を行なっているが、年末にこの減税が期限切れを迎える。
オバマ大統領は減税継続、あるいはさらなる1%の減税追加を
求めているが議会の対立の構造から延長がスムーズに
決まるかどうかは不透明。

状況が悪いという意味ではマーケットにネガティブな視点を持っているのですが、
今週のFOMCでQE3に言及するようなことがあれば一時的には
ポジティブサプライズ。S&Pが今回格下げに踏み切る事がなければ
これも+に作用するはずで、それらを鑑みると今週はリスクオフが
進行する相場にはならないのではないか、とみているのですが、
なんだかユーロはじり安で形勢不利。
前回安値を割り込んでしまえばこれはシナリオ変更ですが、
さて今夜はどこまでだらだら下げ続けるのか
その下げ止まりのポイントが難しいですね。

アストロロジー的にみると
明日13日は水星の逆行が順行に転じることから
神経質な相場からトレンドが出やすい地合いに変わってくるはず。
これがユーロ安からの一時的な大転換ということになるのではないか、
そうみているのですが、今夜のじり安は買い手にとっては
苦しい下落であることには違いありませんね。

今週も引き続き材料の多い1週間です。
あまり思い込みから全力でポジションを取らないほうが得策。
打診でポジションをとり、動き始めたら乗せて膨らませる方向で!!

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