2013年4月4日木曜日


日銀、やってくれました。

期待を超える内容にマーケットは驚かされた格好です。
日経平均は事実売りとなる警戒から280円を超える下落だったのですが、
その安値から550円もの反発となって+272.34円。
日経平均は12635円。新年度入りで12000円を割り込んだ瞬間もあったのが
嘘のような爆あげです。
(株365CFDを12000円割れで追加購入に成功してるわよ)

ドル円は92円台に沈んでいたものが一気に95.60円近辺までの急騰です。

4月4日、黒田新日銀体制での初会合、
最大の注目は「金利」からマネーの「量」にターゲットを変更
したことでしょうか。
マネタリーベースとバランスシートが2年で2倍となります。

金融市場調節の操作目標を
これまでの無担保コール翌日物からマネタリーベースに変更し、
年間60─70兆円に相当するペースで増加させることを決めました。

(無担保コール翌日物とは金融機関同士がお金の貸し借りをして融通させる
時の金利です。金融機関はほぼ毎日互いに融通しあって安定を保っているのです。
これまではこの金利が上がらないように抑えていたのですが、これを目標とせず
お金をどんどんばらまく。。。流通させる政策に切り替えたということ)

これにより、マネタリーベースは2年で2倍になります。
マネタリーベースの残高は2012年末実績は138兆円。
これが13年末に107兆円、14年末175兆円へ大幅に拡大します。

そして日銀全体のバランスシートは
12年末の158兆円から13年末220兆円、
14年末290兆円へとこちらも2年でほぼ倍増させるとな。

(マネタリーベースとは市場に流通している現金通貨と日銀の当座預金合計。
一方、マネーサプライとは市中銀行を除く公衆の現金と預金の合計のこと。
マネーサプライには金融機関が除かれているのがポイントです。
マネタリーベースが増えても、すぐにマネーサプライが比例して増えるわけでは
ないということは覚えておいてもいいかと思います)

これは1979年にボルカー元FRB議長が、米国のインフレを止めるために、
マネタリーベースの量をターゲットにし、インフレを退治したことを彷彿させる
インパクトだ、と評価する声が出ています。

シティグループ証券チーフエコノミストの村嶋帰一氏は
ECBのLTROに匹敵する、とコメント。

だって、日本の国家予算にも匹敵する規模のお金を出すってことでしょう。
すごいことだよねぇ。。。

また、毎月の長期国債のグロスの買い入れ額は7兆円強になる見込みです。
ETF保有算高は年間1兆円に相当するペースで増加、
(ETFの市場規模は4.4兆円程度)
J─REITの保有残高は年間約300億円に相当するペースで増加するよう
買い入れることも発表されています。

長期国債についての市場中心予想は月5兆~6兆円だったようですので
7兆円強というのは思い切ったという評価。
長期国債の買い入れ対象を40年債を含む全ゾーンに設定。
残存期間もこれまでの3年から7年に拡大ということです。
国債の保有も2倍に年間50兆円に増やすとういうことですけれど
新規発行は年間44兆円しか発行できないのよね、
政府が発行している国債のほとんどを日銀が買ってしまうのでは、
という懸念が悪い金利の上昇につながるという見方もありますが、
今日の債券市場の反応は債券買いで金利急低下、10年ものは0.42%ですって。
引き締めが難しくなる、という指摘もみられますが、
今はそういう先のことよりも、まずはデフレ脱却、景気回復へ向けて
思い切ったことをやるってことの方が重要なのね。

報道を見ているとどうやら「異次元」金融緩和策
というのが、今回の黒田新総裁の緩和策へのネームとなりそうです。

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以下日銀HPから転載して今日の緩和策の概要です

(1)「量的・質的金融緩和」の導入
日本銀行は、消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を、2年程度
の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現する(注1)。このため、マネタリーベ
ースおよび長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍に拡大し、長期国債買入れの
平均残存期間を2倍以上に延長するなど、量・質ともに次元の違う金融緩和を行う。
①マネタリーベース・コントロールの採用(全員一致)
量的な金融緩和を推進する観点から、金融市場調節の操作目標を、無担保コー
ルレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更し、金融市場調節方
針を以下のとおりとする。
「マネタリーベースが、年間約60~70兆円に相当するペースで増加するよ
う金融市場調節を行う。」1
②長期国債買入れの拡大と年限長期化(全員一致)
イールドカーブ全体の金利低下を促す観点から、長期国債の保有残高が年間約
50兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う2。
また、長期国債の買入れ対象を40年債を含む全ゾーンの国債としたうえで、
買入れの平均残存期間を、現状の3年弱3 から国債発行残高の平均並みの7年程
度4 に延長する。
③ETF、J-REITの買入れの拡大(全員一致)
1 この方針のもとで、マネタリーベース(2012 年末実績138兆円)は、2013 年末200兆円、
2014 年末270兆円となる見込み(別紙)。
2 毎月の長期国債のグロスの買入れ額は7兆円強となる見込み。
3 「資産買入等の基金による長期国債の買入れ」と「金融調節上の必要がある。

資産価格のプレミアムに働きかける観点から、ETFおよびJ-REITの保
有残高が、それぞれ年間約1兆円、年間約300億円に相当するペースで増加す
るよう買入れを行う5。
④「量的・質的金融緩和」の継続(注1)(賛成8反対1)(注2)
「量的・質的金融緩和」は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを
安定的に持続するために必要な時点まで継続する。その際、経済・物価情勢につ
いて上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う。
(2)「量的・質的金融緩和」に伴う対応
①資産買入等の基金の廃止
資産買入等の基金は廃止する。「金融調節上の必要から行う国債買入れ」は、
既存の残高を含め、上記の長期国債の買入れに吸収する。
②銀行券ルールの一時適用停止
上記の長期国債の買入れは、金融政策目的で行うものであり、財政ファイナン
スではない。また、政府は、1月の「共同声明」において、「日本銀行との連携
強化にあたり、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造
を確立するための取組を着実に推進する」としている。これらを踏まえ、いわゆ
る「銀行券ルール」6を、「量的・質的金融緩和」の実施に際し、一時停止する。
③市場参加者との対話の強化
上記のような巨額の国債買入れと極めて大規模なマネタリーベースの供給を
円滑に行うためには、取引先金融機関の積極的な応札など市場参加者の協力が欠
かせない。市場参加者との間で、金融市場調節や市場取引全般に関し、これまで
以上に密接な意見交換を行う場を設ける。また、差し当たり、市場の国債の流動
性に支障が生じないよう、国債補完供給制度(SLF)の要件を緩和する。
(3)被災地金融機関支援資金供給の延長
被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーションおよび被災地企業等
にかかる担保要件の緩和措置を1年延長する。
5 CP等、社債等については、本年末にそれぞれ 2.2 兆円、3.2 兆円の残高まで買入れたあと、
その残高を維持する。なお、CP等、社債等、ETFおよびJ-REITの銘柄別の買入れ限
度については、従来通りとする。
6 「金融調節上の必要から行う国債買入れ」を通じて日本銀行が保有する長期国債の残高につい
て、銀行券発行残高を上限とするという考え方(2001 年3月 19 日決定)。
2.わが国経済は下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもみられている。先行き
は、堅調な国内需要と海外経済の成長率の高まりを背景に、緩やかな回復経路に復
していくと考えられる。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は足も
と小幅のマイナスとなっているが、予想物価上昇率の上昇を示唆する指標がみられ
る。また、ここ数か月、グローバルな投資家のリスク回避姿勢の後退や国内の政策
期待によって、金融資本市場の状況は好転している。
日本銀行は、1月の「共同声明」において、「物価安定の目標」の早期実現を明確
に約束した。今回決定した「量的・質的金融緩和」は、これを裏打ちする施策とし
て、長めの金利や資産価格などを通じた波及ルートに加え、市場や経済主体の期待
を抜本的に転換させる効果が期待できる。これらは、実体経済や金融市場に表れ始
めた前向きな動きを後押しするとともに、高まりつつある予想物価上昇率を上昇さ
せ、日本経済を、15年近く続いたデフレからの脱却に導くものと考えている。
以 上

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