2014年9月14日日曜日


先週、雇用統計明けの9/8~12日までの1週間で
ドル円相場は2円以上、上昇しました。

104.98円安値~107.39円の高値までですから
一体何があったのか?と整理しておかなくてはならないでしょう。

①米金利上昇

10年物国債利回り8/28の2.33%を底に上昇基調に入りました。
先週末9/12は2.614%と大きく上昇してきていることを考えると
米国の早期金利引き上げ思惑が働いている?
という側面もあるのでしょう。

8月分の雇用統計の数字が悪く、低金利政策は長期化するだろうという
思惑からか、9/5の雇用統計発表直後は
一瞬ドル円が売られる局面もありましたが、
利回りの方はそれほど下がらなかったんですよね。

先週のブログでも取り上げたのですが、
サンフランシスコ連銀エコノミストのレポート

金融市場は米利上げペースを過小評価-サンフランシスコ連銀
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NBLOLL6JIJV301.html 

FRBによる利上げペースを過小評価している可能性がある、
というこのReportが出てから、金利の上昇が勢いづいたような印象も
ありますね。今週のFOMCで声明文の内容をタカ派的に変えるにあたっての
影響を和らげるために、このような形でマーケットに先に小さな
ショックを与えて反応を見る、、あるいは影響をはかったのかも?
という見方もあります。

これを受けて金利が上昇している、と見ることもできますね。

そしてその影響が株式市場にも表れているのか、
確かに米株は8月末から上昇が止まり、
9月はほとんど横ばいで上昇していません。
足元では若干崩れそうな印象です。
ウォールストリート関係者のほとんどがブルに回った、という
情報もありますが、皮肉なことにやはり、それは天井のサインと
なるのかもしれません。

少しアドバルーンを上げて置いて、FOMCで少しタカ派的な声明文に
変えてくるというシナリオはゼロではないので今週のFOMCは要注意。

※FOMC声明文注目は
フォワードガイダンス(将来の金融政策指針)の
低金利政策を「相当な期間」との部分が削除または
変更されるかどうか。。。?

10月にテーパリングが完了しQE3(量的緩和政策)が終わるという
タイミングです。市場はFRBの声明に通常より高い関心を示しています。
9月はイエレン議長の記者会見があるのですが、10月には会見がない、
ということで、より今回の9月に注目が集まっているのです。

WSJ紙のFEDウォッチャー、ヒルゼンラス記者は、声明の変更は
9月FOMCではなく10月FOMCでQE3が終了してから、と予想しているようです。
仮に10月FOMCでの削除になれば、重要な金融政策の変更となることで、
イエレンFRB議長の緊急記者会見が行われることになるそうですよ。

米国の株価もQE1終了時、QE2終了時に比較的大きな調整を強いられた
ことを考えると、今週の米株には注意を払っておかないと…。

米株下落は日本株下落に繋がりますので、ドル円も調整局面入りと
なるやもしれません。

といっても、せいぜい105円台じゃないでしょうか。
というのはドル円の上昇は金利や、米株だけに支配されている
わけではないからです。

②日銀の追加緩和期待

どうやら、海外勢は本気で日銀の追加緩和期待で
ドル円を買っている模様。

http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970203714004580147120389727574
安倍晋三首相は11日正午すぎから、日銀の黒田東彦総裁と首相官邸で会談した。黒田総裁は会談後、「2%の物価目標達成に向け全力を挙げる。達成に困難を来せば、ちゅうちょなく追加緩和だろうと何だろうと金融政策の調整を行う」と記者団に語った。

4-6月期のGDPは改定値で▲7.1%に沈んでいます。

消費税再増税ありきの路線でいくならば景気減速は避けられずですが、
黒田さんはこんなことも繰り返し発言しています。

来年10月予定の消費税再増税について
「増税で景気が落ち込みば財政・金融政策で対応可能だが、
延期で国債価格が下落(金利は上昇)すれば対応が難しい」

つまり、増税での景気の落ち込みよりも
消費増税延期のリスクの方が大きい。

黒田総裁と安倍首相との会談でも、
この点でのコンセンサスを取っているでしょうから、
消費税増税は決断されるのでしょう。

であるならば、どうしても、景気減速をカバーするために
日銀は手を打たねばならないだろうと、そう見込んでいるわけです。

今週は16日14:30に黒田総裁の講演があります。

現在のドル円の急ピッチなドル高は
米金利上昇の流れに加えて、日銀の追加緩和期待がドル円上昇を
加速させている、ということでしょうか。

もちろん、ユーロ安、ポンド安などが進行して、
相対的にドルが高いということもあるのですが、
ポンドあたりは週後半にかけて結構な戻りが入っていますし
ユーロドルも、先週1週間だけを見ると下げ止まっていますね。

◆アリババ上場に向けて

19日に中国の電子商取引大手アリババ集団が
米株式市場への上場するとみられていますが、
アリババ株を取得するために、現在保有している資産を売って
キャッシュにしておくという「換金売り」が
現在の米株の頭の重さに、さらに、ドル高に繋がっているという
指摘も一部にあります。もし、それがかなりの比重で現在の
ドル高要因であるなら、上場後はドル高が一服する可能性も。

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18日に控えたスコットランド独立住民投票、
最新の世論調査でも、賛成、反対は拮抗している模様です。
調査機関によって結果が異なるようですが、
ポンドの値動きは派手ですねぇ。

今週は

16日㈫日銀黒田総裁講演
17日㈬FOMC
18日㈭スコットランド住民投票 ECB第1回TLTRO実施
19日㈮アリババIPO

相場を動かすだろうと思われるイベントがてんこ盛り。

それでも、ドル円、日経平均ロングは継続保有。
その他のトレードはまたひらめいたら報告します。

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