2014年11月9日日曜日

10月雇用統計。
11月7日㈮夜のドル円市場、雇用統計受けて、
ドル買いの流れは一旦頭打ちかしら?

さらにドルを買い上げるほどの材料じゃなかった、ということで
いったん利食いが、出そうなムード。

日銀のバズーカ2から1週間上げ続けたドル円も
一呼吸というところかもしれません。
金曜がちょうど満月だった、ということを意識した向きもあるかな?(笑)
かといって、大きく下げるとも思えず、
決して売り推奨ではありません。

NFP:非農業部門雇用者数 +21・4万人 (予想プラス23・5万)
失業率 5.8% 前月より0.1ポイント低下
    (08年7月以来、6年3カ月ぶりの低水準)
NFPは20万人を9か月連続で上回っており、
米経済の順調な回復を裏付ける内容ではありますが、予想に及ばず。

そして、現在はFEDがいつ利上げに踏み切るか、は賃金上昇率に注目と
されているため、NFPと失業率だけ見ていてもダメなんですよね。

時間当たり平均労働賃金 前月比0.1%上昇の24.57ドルですが市場予想の0.2%以下。
前年比は9月に続き2.0%で、市場予想の2.1%を下回りました。

ということで、賃金伸びず。
これでは、早期利上げ期待は高まりません。

細かく見ると、FRB議長のイエレンさんが注視している労働市場のたるみが
改善されなければ、早期利上げはないだろうというという指標となるのが
イエレンダッシュボード。労働市場の9つの項目を注視していく、と
されていますが、特になかなか改善が見られないとして市場の関心が高い

1)不完全失業率(パートタイムを余儀なくされている人々)
2)賃金の伸び、
3)失業者に占める高い長期失業者の割合、
4)労働参加率

上記4項目について、MY BIG APPLEの安田佐和子さんが解りやすくブログに
纏めてくださっているので、こちらを参照ください。

米10月雇用統計、賃金は期待に反し伸び悩み
http://blogos.com/article/98350/

かといって、今回の雇用統計が決して悪い内容というわけではなく、
ポジティヴに報道されていたりもします。

米雇用の改善続く 利上げ「来年半ば」強まる
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07H0X_X01C14A1FF2000/

今回の雇用統計は、短期的にマーケットを加熱させるものでは
なかったとはいえ、中長期的には、来年の早期利上げ期待を後退させる
ものでもなかった、というちょっとモヤモヤした結果だったという感じ。

上記記事では

年8回開催するFOMCのうち、記者会見が設定されているのは3、6、9、12月。
04年夏以来、11年ぶりの「利上げ開始」だけに、
市場との対話を重視するイエレン議長はこのいずれかを選ぶとみられている。
市場では「6月」(ドイツ銀行)「9月」(ゴールドマン・サックス)など
15年半ばとの見方が優勢だ。

という観測で、来年6月や9月には利上げするという見方は変わっていません。
流石に3月にも、という声が飛び出すほどの内容じゃなかったというだけで。

ただ、10月31日のバズーカから1週間かけて108円台から115円台まで上昇した
相場には、いったんの材料出尽くし感が出て、利食われているのでしょう。

115・50円でWトップという感じもします。
110円くらいまで下落してもおかしくないかな。
強い相場なら112・80円くらいでサポートされ再上昇。
ここからは112円台後半で打診買いをし、112・50を割ったら撤退。
110円台でまた買い直すという戦略でしょうか。
売ることはしないでおきます。
なんせ、消費税増税のための12月までが勝負の相場。
何が投入されて再度吹き上がるかわかったものではありませんから。。。

また、11月17日には日本の7~9月のGDP速報値が発表され、
消費税再増税論議が盛んとなってマーケットを揺るがすでしょうから、
年末に向けてはボラティリティは高い相場が続くものと思われます。

一部には、衆院早期解散の思惑も高まっているんですって?!

再増税延期はマーケットの朗報か
http://www.nikkei.com/markets/column/globaloutlook.aspx?g=DGXMZO7941192007112014000000

政治的な動きも激しいですから、米国側からのドル高材料が
乏しくても、日本から飛び出す材料には要注意です。

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それと、昨今、貴金属関係者の間で話題なのが11月30日のスイスの国民投票。

なんだかこの夏のイギリスのスコットランド独立住民投票とよく似た構図で
7月にはこの国民投票が11月に行われることが分かっていたのですが、
今頃になって、賛成派が44%にも迫ることが世論調査で分かって慌ててるって感じ。

何が問われるかというと。。。。

先週末金曜のラジオNIKKEIマーケットトレンドで
金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんに伺っていますので
番組ブログを参照してください。
http://blog.radionikkei.jp/trend/post_288.html

スイスが外貨準備で金の比率を20%にまで高めなくてはならない可能性が
出てきた、(国民投票の結果次第で)ということで、
これによるスイスからの潜在的金買いの可能性は1500トンにも上ります。

スイス中央銀行はスイス高防衛のために介入してきましたが、
それを継続できなくなる、ということで、為替市場にも影響がある可能性も。

ユーロスイスの1・2000フロアーが注目される、ということね。

これで、スイスクロスが動く可能性に注目しているトレーダーも
多いのではないかしら?!

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先週は、サウジアラビアが米国向け輸出価格を引き下げる?!という
にわかには信じられないニュースで原油価格がさらに下落していますが、
原油安は景気浮揚にとっては追い風ではありますが、
これだけ下がってしまうとシェール採掘の採算価格に接近してしまうのでは?
懸念されていましたが、やはりです。

米国のシェールブームに陰り、原油安でリグ稼働数が減少
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NEPIKN6K50XT01.html

石油用リグ稼働数は10月10日に記録したピークの1609基
7日集計稼働数は前週比14基減り1568基
原油価格が過去4カ月で24%下落したことから、掘削業者の活動は鈍化。

まあ、これだけオイルやガスがじゃぶじゃぶ余って居れば仕方がないですね。
原油安はロシア制裁の一角との指摘もありますが、
ロシアはおかげで、ルーブル安に歯止めがかからず、
ルーブル買い介入の準備があると口先介入を始めています。

おまけに、資金難から金準備を売却するのではないかという噂も。
スイスが大量の金買いの可能性を秘めるも、ロシアが金を売って
ルーブルを買う可能性も高いわけです。
原油や金は政治的にも大きく左右されるコモディティよね。

シェールの採掘コストは平均で50~60とも言われているので、
まだまだ大丈夫、下値余地は大きいとみる向きもあるようです。
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