先週は、ギリシャ支援4か月延長合意で世界の株価がリスクオン!
ダウ平均も史上最高値、ドイツDAXも連日の史上最高値更新、
そして日経平均も18800円台示現の上昇。
2月半ばに18000円台に乗せてからは踏み上げ相場の様相で、
株価は一方向に糸の切れた凧のような上昇ですが、
ドル円相場は118~119円台でモタモタしていた動かず。
この「日経とドル円のデカップリング」の不思議について
大倉キャプテンが週末のYMTVセミナーで解説くださったのだけど、
◆日経の買い手は本邦勢ではない。
・確かに日銀のETF買いは2月10日以降ありません。
http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_etf.htm
そりゃそうです。
株価が下がらないので、支えるために買う必要がない。
・GPIFの運用成績が月末ということで発表に。
GPIFが予想超える日本株買い、「余力」大きく期待残る
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LV11L20150227
年金買いじゃないか、という指摘もあるようですが、
週末発表された数字は10-12月期のもの。
昨今の状況はわかりません。
記事では、まだ買い余力が5兆円ある試算だということですが、
今後下がる局面があれば出てくるものと思われますが、
高値更新時に高値を買ってくる性質のものではないでしょう。
・KKR(国家公務員の年金)が買った?という思惑
KKR、国内株運用比率25%に引き上げ
http://www.morningstar.co.jp/msnews/news?rncNo=1510364&newsType=stock
週末のカンフル剤がこのニュース。
どこにも、KKRが買ったとは書いていませんね。
これまでにも安い局面では買っているのかもしれませんが、
公務員年金です。高値掴みはしないんじゃない?
おそらく、今週はこの発表があって売り方が慌てて買い戻したんでしょう。
KKRがGPIFに比率をそろえることで1兆2000億円の国内株買い余力
さらに、地共連、私学共済年金も同様にGPIFと比率をそろえると、、、
11兆円の日本株の買い余力があることが明らかに。
約130兆円の公的年金を運用するGPIFは昨年10月に基本ポートフォリオを見直し、国内株式を12%から25%に引き上げた。こちらの国内株買い余力は8兆円。単純計算になるが、GPIF8兆円、KKR1.2兆円、地共連1.7兆円、私学共済0.6兆円を足すと国内株式には約11兆円超の巨大な買い余力が発生したことになる。日本株とっては大きな追い風となりそうだ。
◆海外勢はドル円市場で円売りをしていない。
IMM通貨先物ポジションを見れば一目瞭然。
日経が高いのに円売りが減ってる、、、ということは
海外勢がこれまでの「日本株買い、円売り」というセットでの
取引をやらなくなっているということです。
海外勢は、日本株を買う際に、円を買う(円で日本株を買うから)
でもアベノミクス、黒田日銀バズーカ、貿易赤字による需給で円安になるから、
日本株を買うために円買いした為替部分では損そしてしまう。
ということで為替取引上において「円売りのポジション」を作ることで
日本株を買うための円買いをヘッジしてきたわけですが、
これを辞めているというのが大倉キャプテンの見立て。
何故?!
彼ら回外勢も、貿易収支の赤字縮小(近いうちに黒字化するという試算も)を
意識しているというのです。だから、ドル円で円売りはしない。
しかし、株式市場では本邦当局によるさまざまなカンフル剤に驚いて
日本株を買わざるを得ない状況になって、慌ててショートを買い戻した、
と思われるということ。
日本株の上昇は
①売りの買戻し
②新規買い
③裁定取引のヘッジ外し
のどれだかわからないとしながらも、たぶん、売りの買戻しじゃないか、
とキャプテン。だとしたら、新規で買ってきたらどうなっちゃう?!
日経平均もさらに買われ、為替市場も結局はこれに連れて
レンジを上に放れるんじゃないか、と予想。
ただ、キャプテンは4月以降は売り目線だとおっしゃってるので、
長期的に日本株、ドル円がどこまでも上がるとは思ってらっしゃらないようで。
この辺りのストラテジーはまた2週間後の「YMTV本音で言わせて」で
伺いますね。
短期的には、どんどこ上がるバブル的な相場がきそうです。
金曜には黒田日銀総裁が
日銀総裁が目標柔軟化に反論、デフレ脱却「十分な速度と勢い」で
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0LV09I20150227?sp=true
「15年間続いたデフレから脱却するには「ロケットが強力な地球の引力圏から離れるときのように、大きな推進力が必要」
と発言したことも注目されており、日銀が年内どこかでさらなる
追加緩和策に踏み切ることも想定されます。
これもイケイケ相場のトリガーとなってきそうです。
パフォーマンスを上げる資産となりそうですが、
こんな時こそ、キャプテンの言うように
どこで利食うか考えないといけないかしら。とも思います。
利益は最大限伸ばしたいところですが。
*****************************
ポンドドルロング、まだ利益ではあるものの、
なかなかドカンとは上がりません。
意外にしつこいドル高基調に一進一退。
先週はイエレン議長の議会証言でドル安局面もあったのですが、
結局利上げの思惑が後退したわけじゃないので
下がると買い直される流れ・・・。
金曜夜は米国の10-12月期GDP改定値が出ました。
+2.2%となって予想の+2.0%上回ったことで、
119.30円前後でのもみ合いから119.80円くらいまで値を上げましたが、
2月PMI(米シカゴ購買部協会景気指数)がなんと45.8と50を下回りびっくり。
(好況と不況の分かれ目が50)
しかも予想は58.0だったので、凄いへこみ方よね。
米国の指標は玉石混交。
時折びっくりするくらい悪いのが出てきます。
それでも利上げはあるだろう、というところに帰結しての
ドル高が続いているわけで、これ、6月に利上げがなかったら、
一時的にはかなりドル売りが強まりそうな気がします。
**************************
IMM通貨先物ポジションはギリシャ支援問題の決着見通しを背景に
ユーロショートが急減しているのですが、
それでもユーロ高になった、とは言えず、週末にかけて
またユーロが下がってきていますね。
ショートポジションが急減した、とはいえ、
高水準であることには変わりはなく、
大倉キャプテンは、ユーロショートは減らせない状況にある、と
見ていらっしゃいます。というのは、世界の中央銀行が外貨準備の
ポートフォリオの中で、高金利である南欧債なんかを
組み入れちゃったりしていて
(韓国がギリシャ債をかなり持ってるって噂があるようです)
そうでなくても、ドイツの債券利回りを見れば、機関投資家らも
ドイツ国債を相当持っているだろうことは分かりますね。
リスク後退した、とみて欧州債、あるいは欧州株なんかを保有している場合、
ヘッジでユーロを売らざるを得ないでしょう。
これはアベノミクスで日本株が上がっていた時に
円売りのヘッジ玉が大きかったのと同じ構造です。
つまり、この高水準のユーロショートはリスクオンポジションで
あるということで、今後ユーロが上がると思われる最大のきっかけは
ドイツ株が下がるなどの、ショックが欧州に起こった時。
つまり、リスクオフ時にユーロが上がる、ということになります。
今週からECBの国債買入れも含めた量的緩和政策が
いよいよ始まりますし、ギリシャのリスクも4か月先延ばしになっただけ
ですので、ユーロは新規に買いにくい環境にあり、
その切り口からみても大きく上がる見通しもないのですが、
何か欧州にリスクが生じた場合、むしろユーロが上がる可能性が
あるということは留意しておいてもよさそうです。
************************
今週はRBA豪州の政策委員会もありますね。
もう一度利下げするとの見通しが市場にあって、
それがいつになるかはわかりませんが、今週政策委員会がある
ということで、利下げを警戒する流れによる豪ドル売りが出そう。
しかし、そこは狙って買ってみたい局面です。
3月上旬くらいまではリスクオン相場継続とみているので(^^;
人気ブログランキングへ
【人気ブログランキングへ登録しています。応援ありがとうございます。】