2015年3月8日日曜日


週末の大注目だった2月米雇用統計で、
6月利上げシナリオが濃厚となってきたようです。
週明けからの値動きで、株に天井感が出てしまうと話は別ですが。

◆2月雇用統計(寒波による悪影響も懸念されていたのですが。。。)

○非農業部門雇用者数(NFP)29.5万人増(予想23.5万人増)驚愕の好結果。
・産業調査~僅かながら一時雇用(テンポラリーサービス)は減少が続く。
・家計調査~やむを得ずパートタイム労働に就いている労働者も減少傾向。

雇用者数の伸びが20万人超を記録したのは2月で12カ月連続。
これは1995年3月までの19カ月連続以降で最長と。

○失業率 5.5% (前回5.7%より改善~6年ぶりの水準に改善)

今月3月のFOMCでフォワードガイダンスが変更される、
「辛抱強く」の文言が削除されるのでは?という見方が
一気に高まりました。つまり、利上げへの道が一気に開けたと
マーケットが受け止めたのです。

この日、ラッカー米リッチモンド連銀総は、
・利上げ時期は6月が有力候補
・3月のFOMCでは「辛抱強く」文言が主要議題になるとの見解を示しました。

3月のフォワードガイダンス変更なら
早ければ6月利上げは十分に考えられるということ。

だから一斉にドル高が進んだわけです。

116~121円にダブルノータッチオプションがあるため
目先1か月程度は121円はタッチしないだろう、なんて話も
あったのですが、あっさり121円をタッチしちゃいました(笑)

こんな情報が一般的になる頃にはすでにその注文の存在は
陳腐化してるってことが、改めて確認されたわね~
こういう記事が出ると、割にすぐ破られます(^^;

・ドル円は121.29円まで(12/8高値は121.83、ここには届かず)
・米10年債利回りが昨年末以来の高い水準となる2.25%台に上昇
・ダウ平均▲278.94 17856.78で米株は大幅反落

さて、ドル円相場は121.83円を超えてレンジブレイク、
新たな上昇相場となるでしょうか。

121.29円を付けた後120円台まで下落しており、
高値を超えずに終わっています。
雇用統計が高値となって、週明けから下落するパターンは
昨年から幾度となく繰り返されてきました。

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気がかり材料も無きにしも非ず。
イエレン議長が気にしている平均賃金の伸びや労働参加率は
相変わらず冴えないままです。

・平均時給は前月比0.1%増(予想は0.2%増で予想下回る。前月は0.5%増)
・労働参加率は62.8%(前月62.9%から低下)

今回失業率が5.5%まで改善したのは、雇用増のほかに
この労働参加率の低下が影響したということです。

この賃金上昇率と労働参加率というのはFRB議長が注視しているため、
この部分がしっかりとした改善とならないならば、
イエレン氏からすれば利上げは時期尚早という判断となるかもしれません。

マーケットや、一部タカ派FRB関係者は6月にも利上げの可能性あり、
と前のめりになっていますが、この点には留意しておかねばなりません。

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また、ドル円は一時121円台まで上昇したのですが、
「クロス円は上昇していない」ことも気がかりです。

つまり、上がっているのはドルだけで、
ユーロや、ポンド、豪ドルといった「ストレート通貨」は
軒並み安で、クロス円はコチラに引っ張られて、逆に下がっています。

ユーロ円などは1/26の安値をトライしに行ってますね。
ECBが量的緩和策を発表したときの安値に接近、
下値模索の展開となっているのです。

つまり、この相場、「円安主導ではなくドル高主導」であることから
クロス円の下落がドル円の足を引っ張ってしまって、
ドル円がレンジを上抜けできない可能性は十分に考えられます。

4月の統一地方選挙に向けて、管制相場(株安にならぬようにETFや年金で
支えている?)といわれていますが、同時に過度な円安を望まぬ姿勢に
変わってきていることも一因でしょう。

しかも、最近の日本株買いは本邦勢ではなく、海外勢とされており、
単純に日本株を買っても為替市場で円ショートのヘッジをしていない
ことによる日本株とドル円のデカップリングといわれています。

管制相場というのは、「崩さない」ことが目的であり、
高値を買って吊り上げることが目的ではありません。
管制相場による日本株の高値追いはないということですから、
ここからの日本株、は海外勢の動向次第では
「下がらなくとも膠着してしまう可能性がある」ことになります。

このところ非常に強かった日経平均ですが、
米株が3月17-18日のFOMCに向けて調整するようなら
日経平均だけが高値を更新し続けるということは考えにくく、
海外勢の日本株買いも一服すると考える方が自然よね。
そうなると、日本株上昇に伴ってドル円もじわりと上がりだすという
シナリオはFOMCに向けては難しくなるんじゃないかと思うのですが、
これは、週明けからの株価動向次第。

ユーロドル、ポンドドル、豪ドルの下落が進み、
つまりは全面ドル高が加速するならば
ドル円の上昇もあり得るわけで。
株があまり落ちなかったならば、ドル金利上昇に連れて
ドル円がレンジブレイクする可能性もあります。

今週のドル円は、米株動向と、米国債利回りを睨みながらの
神経質な値動きとなることが予想されます。

ただ、ユーロドルの下落は続くと思われ、
先週ユーロ円ショートを構築しましたが、
ユーロドルショートも新たに作りました。1.0985

単純に考えて、日本サイドが問う一地方選を控えて
これ以上の円安を望まないスタンスとなっていることで
ドル円の上値はそれほど伸びないと仮定するなら、
ユーロドルやポンドドルなどのストレート通貨が下落すれば
クロス円は素直に下落しちゃいますよね。

だから、ユーロ円は1/26の安値を割り込んで125円くらいまで
下落する可能性があるんじゃないかと思っています。

ただし、米株に天井感が漂って来れば
ユーロキャリーで欧州ものに投資していたマネーが逆流し、
ドイツ株下落、欧州債券売りで、ユーロドルが吹き上がるリスクも
あります。ユーロ下落は、安定した相場が続けばこそのシナリオで
米株に異変があれば、ユーロ高になるかもしれない、というのが
私の今のポジションのリスク打と思って居ますので、
やはり、今週から17-18日FOMCに向けては株価動向が肝になってきますね。

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