2015年5月12日火曜日


このところ注目度がググッと上がっているのがドイツ国債利回り。

先週5/8ドイツ10年債利回りは0.799%までぐいぐい急騰して急落、
利回りチャートだけを見ると「天井ウチ?!」ってな形になっていて、
国債利回り上昇が落ち着いて、つまり再びドイツ国債が買われる地合い
となれば、ユーロの戻りは再度売られてパリティを目指すんじゃないか、
って思ってみていたのですが。

またしても今日12日㈫夕方
ドイツ国債利回りが再び急上昇となっています…。
つまり、ドイツ国債売りが再度出てきたってこと。

そもそもドイツ10年債利回りは4月に0.05%近辺までで猛烈に低下、
(つまりドイツ国債が買われすぎていた)
そのタイミングで債券王ビル・グロスが
「生涯最大のドイツ国債ショートのチャンス」という主旨の
発言をしたことがキッカケ?となりドイツ国債が猛烈に売られて
利回り急騰、これがGW中のユーロ上昇の一因でした。

これは、ビル・グロスの発言がトリガーとなったということも
あったのかもしれませんが、季節的には6月末に集中する
ヘッジファンドの決算に合わせた「45日ルール」も影響していたのでは?
と思ってみて板のですが、、、。
(※解約の申し入れは45日前までにしないと運用継続となる)
つまり5月15日までの期間に、投資家からの解約申し入れが多ければ、
利益が出ているアセットのポジションの決済が加速すると思われる
季節要因がもたらしたポジションの巻き返しね。

だから、債券市場のバブルは修正され、割高?な株は利食われて、
売られすぎていたユーロは買い戻され、原油も買戻しが大きく入った、
ということなんじゃないかと思っていたのですけれど、

今夕の国債市場の動きはなんだか不穏なものを感じる…。

Reutersにはこんな記事

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0Y32TB20150512

ドイツ国債だけじゃないんです。
今日は円債も金利急上昇となっているのね。
なんでも今日後場はパニック的な国債売りになっていたとか。

10年利付国債入札が不調となったことが発端だったようで、
国内勢にとどまらず、海外勢からの円債先物売りが膨らんだみたいです。
先週のドイツ国債の乱高下で損失を抱えた海外勢が
入札不調に驚き、円債市場でロスカットに動いた、という指摘もあるようで、
先週のドイツ国債の動きは何かの引き金となるリスクを孕んでいたということか?

何事もなく、巻き戻しが一巡すれば再びドイツ国債が買われて
利回り上昇も落ち着くと思っていたのですけれどねぇ。

そもそもなぜ今日の円債入札が不調だったか、というと、
昨日から、米金利の上昇が大きくなっているんです。

じゃあ、その米金利がなぜ上がってきているのか。

どうも先週のFRBのイエレン議長の発言
「株は割高」は、早期利上げを示唆しているんじゃないか、
という受け止め方も出来ないことはないのですが、
そこに重ねて、こんな記事

◆米財務省が4─6月に債務返済中止、手元資金確保優先=当局者
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0NP22120150504

予測不可能な市場機能の混乱などが起きた場合に備え、米政府はより多くの手元資金を確保しておく必要がある

◆FRB、米デフォルトに備えた緊急対策用意か
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0NW28U20150511

米国のデフォルト(債務不履行)に備え、返済繰り延べや投資家への資金貸し出しなどの緊急対応策を設けている

う~ん、気になる記事でしょ。

米国の債務上限問題って、毎年やってくるネタなんだけど、
今年は確か3月15日前後に債務が上限に達すると見込まれる、
って話だったはず。。。そういえば、なんか無風だったわよね。
緊急措置でなんとかなったのかな?気に留めていなかった(^^;

3月が乗り切れれば次のリスクは10月ってことで
それまでに議会が債務上限引き上げに応じなければ
米国はデフォルトします。

まあ、このリスク今に始まったことではないのですが、
こんなニュースが今出てくるってことが、ポイント。
10月リスクならまだ先でしょ。
しかし、すでに米国が備えに入っているって、、、
つまり、米国は利上げによる「ショック」に対しても
備え始めているってことじゃないの?!って見方もできないでもない。

だからでしょ、米国利回りが上昇してきてるの。
違うかな?

それをみて、円債市場にもちょっと変化が出てきた、
日銀の国債大量購入があるから国債は大丈夫!!っていう
楽観でいいのかどうか、動揺が走っているってことじゃないかしら。

なんかねぇ、債券市場見てると、米国利上げって意外に6月に
やっちゃうんじゃないの?っていう気がしてくるわ。

だったら、ドル買いじゃないの?というのが正論だけど、
そう簡単じゃないのが今の相場のやっかいなところ。

ドイツ国債なんか、日本国債異常にバブルだったんだから。
ビル・グロスが生涯最大のドイツ国債の売り場到来だ!って発言するくらい。
利上げするぞ、するぞ、って長いこと構えてきた米国債市場より
楽観が蔓延していたドイツ国債の方が揺り戻しは大きい。
これで金利が急騰すれば、ユーロ高になっちゃうから、
米金利上昇リスクに備える、ってことが、なぜかユーロ高になっちゃう、
っていうワケのわからないことが起こっているじゃなかろうか。

難しい~

だから、ドルとかユーロには手を出せず。

今日は、今日も堅調なポンドをキープしているのみ♪

◆3月英鉱工業生産や3月英製造業生産指数は
いずれも予想を上回る結果となりポンド買いが進みました。
ポンドの利上げ時期が早まるんじゃないか、という思惑に繋がった模様。

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◆豪政府、2015-16年の名目成長率を+3.2 
     2016-17年が+5.5%と
     今後、成長が加速するとの見通しを示し豪ドル高。

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ギリシャはどうなってるのかな~

ギリシャ、IMF融資返済で緊急準備金取り崩し=関係筋
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0NX11820150512

IMFの口座から緊急準備金を取り崩して返済?
IMFに返すのに、IMFから引き出したのか。。。

数週間以内に同口座に入金しなきゃいけないんですって。
自転車操業の綱渡り状態ですね・・・(^^;

それでも今日はユーロが上がっているのです。
国債市場に異変。これは今後の注目ポイントとなるんじゃないかな。

夕刻から世界の株価も下落基調です・・・。
やはりSell in Mayはくるのか?
気が抜けませんね。

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