ドル円相場は今日は120円台後半まで値を上げています。
まだ年初来高値の122円台が上に待ち構えていますが、
それでもこのところの狭いレンジの上値抵抗を抜けてきました。
今週は、エバンスシカゴ連銀総裁が
「16年まで利上げを見送るべき」と発言したところから
スタートしていますが、この発言自体は「ドル安」に繋がるものの
ドル相場はあまり反応せず、むしろ「株高」という形で大きく反応。
昨日はECBクーレ専務理事の
「債券市場の流動性が鈍る夏休みを前に資産購入を前倒しし
9月に追加購入も」という趣旨の発言をしたことには
ユーロ相場が大きく反応。
ユーロ売りとなったことで逆にドル高が誘発されました。
勿論こちらも「株高」要因。
その後のNY市場で、このところでは珍しく米指標の好材料に反応。
米4月住宅着工件数は113.5万件となり、
市場予想の101.5万件、前月改定値94.4万件を大きく上回りました。
これは2007年11月以来の高水準だそうですから、
リーマンショック以前の堅調なころに戻っているということでしょうか。
建設許可件数も114.3万件と、市場予想の106.4万件、
前月の改定値103.8万件を大きく上回っています。
この住宅指標を受けてドル円は4月13日以来の高値
120円台後半まで上昇しました。
こちらは逆に「利上げ時期が近いかも?」ということでの
ドル買いですね。
利上げ時期が近いかも_・・という思惑は株にはマイナスなんだけど、
最近にないいい景気指標が出たことを素直に好感して
ダウ平均も小幅高。株は崩れていません。
おまけに今日は今日発表された日本の
1-3月期 国内総生産(GDP)速報値が
良かったことも株価押し上げ要因となり、
為替市場でも円安ドル高基調継続の材料となっています。
◇日本 1-3月期GDP 前期比 年率換算 +2.4%(予想+1.6)
前期は+1.5%から+1.1%に下方修正されていますが、
前期比ベースでも2四半期連続でプラス成長。
現在日経平均は20255円まで高値更新。
今年の高値を超えました。
東証1部上場株式の時価総額、過去最高
=バブル期ピークの1989年末の水準超えたようです。
昨日の東京時間(クーレさんの発言前)に
作った日経平均ショートは、今年の高値20252円までは
耐えて保有しようと思ってたんだけど、
あのクーレさんの発言以降の世界のブルブルの様相をみて
萎えちゃって、20100円台で損切りしました(^-^;
ドテンロング出来る水準にないので、何もできず(笑)
今夜はFOMC議事録が出ます。
現在のところ6月の利上げ可能性はほとんど無いという見方が強いですが
果たして本当にそうなのかどうか。
年内利上げに向けてどのようなヒントが得られるかに注目です。
日経平均が高値更新でもドル円がまだ、年初の高値に
迫っていない・・・レンジはまだ続くのかしら?
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昨日からはオーストラリアやニュージーランドといった
オセアニア通貨にもポコポコ材料が出ています。
そして値動きはさえません。
昨日19日に発表されたオーストラリア準備銀行(RBA)の
金融政策決定理事会の議事録では
さらなる豪ドルの下落が必要との認識があったことに加え
中国経済・鉱工業投資へのリスクを警戒していることが
明らかになり、市場は一段の金利の引き下げの思惑が広がり
豪ドル売りが加速。
また、昨日はニュージーランドドルも神経質に動きました。
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の四半期調査で
インフレ期待が上向いていることが示され、
数カ月以内の利下げ観測が後退し、
NZドルが急伸する局面がありましたが
その後、NZ乳業大手フォンテラの乳製品価格オークションで
乳製品価格が前の週に比べマイナス2.2%に低下。
NZドルは一転下落が加速となりました。
NZ消費者物価指数(CPI)の向こう1年間の上昇率予想は1.32%と、
2月の前回調査の1.11%から上方修正されています。
※ニュージーランドは不動産規制に乗り出すというニュースが
あったばかり。
不動産は上がるけど乳製品価格は下がっちゃう。
金融政策のハンドリングが難しいですねぇ。
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そしてイギリスですが、
4月消費者物価指数(CPI)が前年比マイナス0.1%と
統計開始以来初のマイナスを記録、
生産者物価指数(PPI)も市場予想を下回ったことで
ポンド売りが加速しました。
…利上げの思惑が遠のいちゃう?!
4月は旅客輸送料金が大きく下落していたのですが、
例年物価が上昇する復活祭の祝日が昨年よりも早く、
調査対象期間に含まれなかったことが一因という指摘もあり、
一時的なノイズの可能性もあるようです。
※ただ食品価格が4カ月連続で前年比3%程度下落しており、
これほどの落ち込みが4カ月も続くのは異例という指摘もありますが。
日本の経験したようなデフレに陥るとの見方はほとんどない
と伝えられています。
というのもここ数カ月間賃金が上昇しているんだとか。
21日に公表される4月の小売り売上高は前年比4%近い上昇が
見込まれているようですから、この数字で下がったところは
むしろポンドの買い場なんじゃないか?
なんて気もするのでポンドドルの買い場さがし。
イギリスの利上げは米国の次になるだろうという
コンセンサスには大きな変化はないと思うので
下がったところでポンド買いをしたいということです。
ポンドドルは安値から先般選挙後の高値までの
フィボナッチリトレースメントの
23.6%押しのところで踏ん張れるかどうかという局面。
ここで戻れば、まだまだ上昇トレンド。
戻らねば38.2%押しの1.5338ドル近辺まで下落の可能性。
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