2015年8月31日月曜日

短期的には戻り相場です。

先週のYMTVセミナーで大倉キャプテンが
抗日戦勝パレードまでは高いんじゃないか、
今年の高値を超えちゃうところまでのリバウンドがあっても不思議はない、
というような話をされていましたが、
中長期は悲観も、
短期目線では戻り売りで参入してくる
空売りポジションを飲み込んで、暴力的な上昇もあるのかも、、、?!

というのも
注目されたジャクソンホールでフィッシャーFRB副議長は
「人民元相場や中国情勢を注視する」
「9月に利上げを決めるかどうかを判断するには時期尚早」としながらも、
「米経済はかなり良好に推移している」として
4日に発表される8月の雇用統計の内容次第では
利上げに踏み切る可能性を否定するものではなかったのです。

さすがにこの環境で9月に利上げするとは思えませんが、
8月の雇用統計の数字がよくて、ドルがさらに上昇する可能性はありますね。
ということで、週末金曜のNYクローズに向けてドルが一段高となって終わりました。
ドル円相場は121円台後半まで上昇しています。
ユーロドルも1.11ドル台半ばまで下落、ドルが戻す展開です。

利上げの可能性を否定せず、ということで株にはネガティブなはずですが
米株、ダウ平均は11ドル安で終わっており粘りました。

今週は、9/3の中国の抗日戦勝記念パレードに向けて相場は一段高となるんじゃ
ないかな、と思っています。その後は、、、次の日の4日が雇用統計ですね。

雇用統計の数字がよければ、こんな中でも利上げの思惑が広がって
ドル円上昇ってシナリオは否定できませんので、
さらにドル円クロス円の上昇があるかもしれません。

今回の暴落で
日経平均は17200と17500円でロングしていますのでいいんですけど、
下手に戻りを売りで入ると踏み上げられそうな感じね。

この流れ、FXトレードでは最初から乗れなかったのですが、
遅ればせながら先週末に
ポンド円を186.27円でロング。
(米国の次に利上げの可能性がある通貨で通常相場では強い)
そして豪ドル円を86.80円でロング。
(コモディティが底入れし戻りを入れ始めましたので)
***************************************
ただ、あまり長く持つつもりはありません。

この上昇はあくまで「戻り」にすぎないと思っているからです。
気になるのが中国の米国債売りです。

「中国が米国債売り」に気をもむ市場
http://www.nikkei.com/markets/kaigai/nyexpress.aspx?g=DGXLASGN29H0X_29082015I00000

売っているのは米国債だけじゃないようです。
エージェンシー債と呼ばれる政府機関債や
住宅ローン担保証券(MBS)も売っているらしい。
米機関債などの国別保有額では中国が最大。

中国、人民元買い支えを狙い米国債を売却中
http://mybigappleny.com/2015/08/27/china-treasury/
この中国の米国債売りが、いったいどんなリスクをもたらすのか。

外貨準備取り崩しが招く中国発「量的引き締め」http://jp.reuters.com/article/2015/08/28/column-yuan-reserve-tightening-idJPKCN0QX08Y20150828?sp=true

中国は7月に外貨準備を前年同月比5000億ドル超も取り崩した。一方で様々な報道によると、人民銀行は8月11日の元切り下げ以来、1000億ないし2000億ドルを費やした可能性がある。
つまり
~「人民銀行は外貨準備を売却し、世界の固定利付資産の保有を減らすことによって人民元を防衛している。この行動は量的緩和(QE)の巻き戻し、言い換えれば量的引き締めに相当する」

~人民銀行が買って抱え込んでいた資産の規模は、米連邦準備理事会(FRB)のQEをすべて合わせた額より大きい

MaketHackの広瀬さんのブログがわかり易いです。

アルゴも「ぎゃあああああ」 ガクブルすぎだろ、QT(笑)http://markethack.net/archives/51979777.html

広瀬さんは「Quantitative tightening (量的引締め)」略してQTが起こってしまった、
と書いています。今後このQTという言葉が、頻繁に出てくるかもしれません。

アメリカが利上げする前に、中国によるQTでマーケットが逆流するリスクが
高まってしまったということですね。

広瀬さんはこうも書いています。
「もう一度、人民元が切り下げられる可能性も高い」

金融波乱は終わっていないのです。
中国の景気後退がジワリ影響を及ぼし始め、
中国が人民元切り下げを実施、
このことが中国からの資金流出を加速させ
元安が止まらなくなったことで、
中国はドル売り元買いの介入を行うことで暴落を阻止。

そのための至近調達に米国債売却を始めた。。。

中国への投資はリスクが大きい。
今回の一連の事件(上海株暴落、天津工場爆発、突然の元切り下げ)で
中国からの資金流出は続くと思われます。

となると、米国債売却も続くリスクがありますね。
せっかくFRBがQEで支えてきた資産ですが、大量保有していた中国が
これらを売却し始めたってことで、シャレにならない混乱を
招くリスクだと思っています。

大倉キャプテンがセミナーで指摘していましたね、
リーマンショックの後、中国は5兆元もの資金をばらまいて
リーマンショックからいち早く立ち直りました。
デカップリングなどといって、先進国がもたつく中
いち早く中国主導で新興国が上昇、相場をけん引したのです。

その際の過剰投資がコモディティ価格を上昇させ、新興国の上昇に
つながったのですが、それが逆流するということでもあります。
まあ、コモディティや新興国はすでに米利上げを恐れて下げまくっていますが。

というわけで、本当のリスクは中国の成長がとまり
中国への投資が引き上げられていることですね。
中国当局がどんなに支えても、上昇は一時的でしょう。
ただ、この過剰在庫を使うための巨額の公共投資事業などの政策が
発表されれば、気運が変わることもあるかもしれませんが、
その資金はどうやって調達するんだ?という話も。。。

こんな記事を見つけました。
よく似てるわね~


Time To Pull Out The Nasdaq/China Comparison Chart
http://www.zerohedge.com/news/2015-08-26/time-pull-out-nasdaqchina-comparison-chart

ナスダックのITバブルと崩壊以降の下落チャートと
今回の上海株バブル上昇と頭打ちの形が酷似しています。

つまり、今後1年かけてゆるゆると下がっていると思われ
2000P割れもありうるということかな。

現在は戻り局面。ナスダックも1~2か月は戻りを入れているのね。
ということで以外と1~2か月くらいは強い相場が続き、
本当のリスクは10月くらい?!というシナリオもありかも。
ただ、戻り相場はせいぜい半値程度ね。
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