辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、『申酉騒ぐ』、戌は笑い、亥固まる、
子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる
という格言がありますが、2016年は申年。
申酉騒ぐとされていますが、「騒ぐ」というのは
ボラティリティが高いという意味だとされています。
前回の申年2004年の日経平均株価は、前年末の10676.64円から11488.76円まで
上昇、年間の騰落率は7.6%程度でそれ程ボラは高くなかったのですが、
前々回の1992年は前年末の22983.77円から16924.95円まで下落。
最高値は23901.89円、最安値は14194.40円で年間騰落率は▼26.4%の大暴落。
(バブル崩壊が顕著化した年)
ボラが高いというのもまんざら大げさでもなさそうです。
西暦年の下一桁が6の年が「丙」の年。2016年は丙ですね。
丙年は前半が堅調になりやすいという特徴があるのだそうです。
戦後の相場変動の平均パターンでは、丙年は年末までに15.5%上昇するうち、
6月までに13%上昇するようです。
前回の丙申だった1956年には、日経平均は年間29%上昇。
今年2016年は上昇、下落どちらにボラが高まるでしょうか。
年末年始に各メディア、アナリストの皆様の2016年の展望をいろいろと検証しました。
今日は「ドル円」に絞ってどのような見方があるのかを列挙します。
◆2015年のドル円相場振り返り
*1/1:119.65円寄 12/31:120.17円終 年間で52銭円安ドル高 年足陽線
*2015年最高値6/5:124.84円 最安値1/16:115.84円
*2015年のドル円値幅10.2円1973年に変動相場制に移って以降最狭
*2015年ドルは主要通貨に対して8.4%上昇のドル高の年
*2015年円はドル以外の通貨に対して円高の年
(ブラジルレアルや南アフリカランド、トルコリラといった通貨に対して20%以上円高
カナダ、ノルウェー、オーストラリアなど資源国通貨に対して10%以上の円高)
~年初来円安となっているのは、対スイスフランとドル
年間のボラティリティが低かったってことは、今年はボラが高まるってことかも?!
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◆2016年ドル円相場予想
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【円安論】 ~野村証券16年末に1ドル=130円など
①日本・欧州と米国の金融政策の違い
米国は政策金利を正常時に戻すプロセスに入っている。
2016年末までに3回~4回の利上げで1%超がコンセンサス。
一方、欧州は、デフレファイトのために継続金融緩和を表明。
日本もインフレターゲット未達成であるため日銀の金融緩和継続。
利上げする米国と、ゼロ金利(マイナス金利)政策に加え量的緩和策を
継続する日欧とのベクトルの違い、金利差拡大でドル高。
2013年以降の日米2年債金利差とドル円の関係では、
金利差が1%に拡大した時のドル円の水準は130円超え
②燻る日銀の追加緩和期待
12月18日の補完政策はあくまでつなぎであり、次なる追加緩和発表までに
現在の緩和策を継続するための技術的なものであり、
これを手詰まりととらえるのは間違い。
参院選などを前に1月~3月の日銀での追加緩和の思惑が出始めている。
③政局安定~高い安倍内閣支持率
安倍政権支持率は、安保採決で一時下がったものの、
アベノミクス2.0のリリース、矢継ぎ早の海外へのトップ外交など、
経済最優先の政権運営に立ち戻ったことで支持率を回復。
政局安定は、外国人買いを呼び込む可能性も高い。
7月に参院選(衆参ダブル選の可能性も)があり、選挙に向けては
相場安定政策をとるだろうという見方。
④現状は過度な円安ではない
2015年はドル、フラン以外の通貨では円高進行。
14年後半以降、単純移動平均に対して実勢レートの円安方向への
かい離が進んだものの今ではほぼ解消している
⑤継続する日本企業の海外投資(M&A)
少子化の日本では内需拡大は難しく、企業は日本国内だけでなく海外でも
収益をあげられる構造へのシフトが急務。海外企業への投資、買収による
ドル買い需要(海外の会社を買う際はドルで買うでしょ)が継続。
生損保の大型M&Aを含めると直接投資による資本流出は年間約15兆円ペース。
⑥現状円ショートはそれほど大きくない
円キャリーの規模を図る1つの目安とされる外国銀行在日支店の本支店勘定の
資産規模を確認すると、2015年5月の約11兆円をピークに
10月は約7兆円まで縮小傾向。(過去最大規模は07年20兆超)
⑦原油安のメリットも
原油価格動向が実体経済に影響を与えるまでには18カ月のタイムラグがあるとの指摘。
プラスの影響はこれから出てくる
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【円高論】 ~JPモルガンなど 110円も?!
①変動相場制移行後、4年以上継続した円安局面はない
3年陽線となったのは、95-97年、2012-14年の2回のみ、2016年4年目?!
②米利上げの過去の経験則
利上げが材料出尽くしとなってドル安に転じる論。
1999年、2004年の利上げ開始の局面では半年近ドル安・円高に。
(ただし、円安論ではこの時の円高は米利上げが米株下落を招き、
株式マネーが日本株にシフトした結果の円高で、
「株式投資に為替ヘッジが付加されていなかった時代の話」としている。
・過去10年間で、外国株投資には為替ヘッジが付くケースが増加している)
③GPIFが公的年金の運用で、15年の日本の対外株式投資は10月までに
18兆5000億円の買い越しへ。投資も一巡し16年はGPIFドル買いを期待しにくい。
④2014年は約10.4兆円の貿易赤字を記録(約2.6兆円の過去最小の経常黒字)
2015年貿易赤字は10月時点で5700億円(経常黒字16.7兆円超)
10兆円近くの円安フローが消滅
・2016年の経常黒字は18.5兆円に拡大予想(JPモルガン)
⑤原油下落とジャンク債の問題化
原油安はデフレ懸念となり世界景気を失速させる。
クレジット市場ではジャンク債を組み入れたハイイールドファンドの
償還凍結やポートフォリオ精算のニュースが出始めている。
ジャンク債を保証するCDSは急騰。
リーマンショックもサブプライムローン関係の損失で
CDSが急騰したことが始まりだった。
⑥中国、新興国の景気失速懸念 中国元安
中国は明らかに人民元安政策に入った。元安加速で中国からの資本流出が加速
するリスクがあり、中国発の金融不安は残されたまま。
⑦黒田ライン顕在
2015年6月日銀黒田総裁は2015年6月に実質実効為替レートでは充分円安であり
125円より円安にはなりそうにない、とコメント。
125円が黒田ラインとして意識されるようになり、実際、それ以降この水準を
超える円安にはなっていない。
⑧米国が望まぬドル高
※米議会が日本の輸出優位につながる実質円安水準を容認しないとの憶測
(1970年代並みの実質実効為替レート)
※TPPが米議会で承認されるためにはドル円の上昇加速は好ましくない
・アメリカ議会では法律の規定によって、大統領署名90日後となる
2月以降、承認をめぐる審議が本格化する見通し。
オバマ大統領は3月1日「スーパーチューズデー」前後の情勢を見極め、
議会に採決を求めるとの見方から今春には承認されるとの見方もあるものの
指名争いが長くもつれたり、TPPそのものが大統領選挙の大きな争点と
なったりした場合には、11月の大統領選挙後にならないと承認は難しいと
いう観測もあり、承認時期が遅れれば遅れるほど、好ましくないドル高には
なりにくいという見方も。
⑨消費税上げによる2017年度の景気後退懸念
2017年4月からの消費税10%への上げが実施されれば、
2014年の8%引き上げ時のように日本経済も一度スローダウンする懸念。
2016年下期くらいから、株価は消費税上げ後の失速を懸念する動きに?!
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こうしてみると円高論の方が材料が多くて、声も大きくなってきています。
個人的には「だからこそ」の円安継続相場となるような気がしてならないのですが、
それにしても、円安の動力が弱い。
だから、一度屈伸運動(大きく跳ねる前に一度下げる)的に
円高となる必要もあるかな、という覚悟はしておいた方がいいのかも。
テクニカル的には2013年のバズーカ2からのドル円上昇の
フィボナッチリトレースメントでの38.2%である116.46円か、
50%押しである113.70円前後、って可能性を覚悟。
ドル円相場はどんなに年間値幅が小さくても10円は動きます。
現在の120円から10円高ければ130円。10円安ければ110円。
上下5円づつと考えると、115~125円の幅でのボラティリティは
あってもおかしくないってことよね。
だから、今年は113円台までの円高がある可能性は否定できずも、
それが示現されるなら、全力で買いたい相場。
ボラが上がってドル円が急落するならドル買いたいです。
だって、基本は米利上げ、日本量的緩和実施中なんだもの。
31日のNY市場ではドル円相場120.005円まで下落してます。
ドル円は下落したのですが、ユーロやポンドなども急落していて、
相対的には「ドル高」だったんですよね。月末であり、年末だったこともあって
ポジション調整の特殊フローがあったと思われますが、
ユーロ売、ポンド売、ドル買 だけど、ユーロ円、ポンド円などの
クロス円が下がってしまったために、ドル円も連れ安となった、、
というような値動きでした。オセアニア通貨は方向感なし。
年末はポンド円ショートを保有したまま年越してます。
今年は、ポンド下落に注目したトレードからスタートということに
なりますね。今年もよろしくお願いいたします。