2016年1月31日日曜日

日銀がやってくれました~これぞサプライズ、超ど級です。

タイミングという意味では年初からの金融不安で一部には強い期待があった
ことは事実で、可能性ゼロというムードではなかったのですが、

21日のECB理事会でドラギ総裁が3月の追加緩和の可能性を示唆したところから
下落に歯止めがかかっており、ドル円相場も118円台まで回復していたので
油断していましたねぇ…。

2014年10月のバズーカ2や昨年10月強い追加緩和期待があったが緩和なし
といった局面をズバリ予想してきた「人工知能」も予想できなかったサプライズ。

日銀金融政策、人工知能は据え置きを予想-決定会合
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O1NDW26JTSFS01.html
それにしても、日銀が次に打つ手は
年間80兆円買い入れている国債を100兆にするとか
ETFの買い入れ枠を3兆から6兆にするとか、地方債まで含めるとか、
量的緩和策を打ち出すだろう、というのが大方の市場予想でした。

(ただ、現状でも2017年には国債購入の限界が来ると目されていたため
買い入れ額拡大はその限界が前倒しになるとして、リスクだとの
指摘もありました)

付利の撤廃、マイナス金利導入というのは
これまでの「量的緩和策」を否定することにもつながる全く違う
ベクトルの政策であり、黒田総裁もこれまでそれを否定していました。

国債やETFという形で株を購入して株価を支える、という
量的・質的金融緩和策が限界に近いということを日銀が認めたと
受け止められかねないということですね。

日銀展望レポートでは、2%の達成時期をこれまでの
「来年度(2016)後半頃」から「再来年度(2017)前半頃」へ3度目延長。

「量」「質」に加え「金利」とした3次元緩和でやっていくことを明言。

◆株式市場の反応

市場はこの発表に驚きすぎて乱高下。
日経平均は最初小幅に上がって下がっての乱高下
(日経電子版がマイナス金利が議題に上がっていることを報道し動いた)
その後、実際にマイナス金利導入が発表された後は
680円上げて870円下げて730円上げるという大乱高下(( ;゚Д゚)))

安値16767円までありましたから、暴騰後の870円下げで
過去2日の安値を割り込んでいるのです。テクニカル的には心折れて
売りたくなるところまで下げているわけですね。
ここで売ったら命取り。その後の急反騰はそのままNYクローズまで
反落することなく日経平均先物は17780円まで上昇して先週の取引を終えています。

金曜の現物市場の日経終値が +476.85 17515.30ですので
270円くらい金曜引け値から高く終わったことになりますね。
明日月曜の寄付きは高く始まるでしょう。


※一応日銀政策をメモしておきます。

市中銀行が日銀に資金を預け入れる際の金利(当座預金)について、
3段階の階層構造を導入

「日銀当座預金残高現在およそ250兆円」のうち、

①「基礎残高」の金利は+0.1%、 

2015年の平均残高(これまでそこに置いてあった部分)は変わらず。
これまでと変化なく0.1%の金利がつく

②「マクロ加算残高」の金利が±0.0%、

貸出支援基金および被災地金融機関支援オペにより資金供給を受けている場合、
その残高に対応する金額ですが、基礎残高に掛目をかけて算出する部分もあり
日銀がある程度柔軟に決めていくようです。
基礎残以外の出し入れがある(動きがある)部分の金額で
正確な定義はよくわからないということかな??

③「政策金利残高」の金利がマイナス0.1%

①の基礎的残高と②のマクロ加算残高を上回る部分にマイナス金利適用
つまり、今後新たに積まれる部分はマイナス金利ですよ、金利分減っていきますよ、
ということで、この③の部分が重要なわけです。

市中の銀行は国債を日銀に買ってもらって受け取った資金を
当座預金に預け入れていました。もちろん、ニーズがあれば
貸出に回すのでしょうけれど、ニーズがない、、、(借り手がいない)
というのがホントのところだったかもしれません。

使い道がない資金は、この当座預金に積まれたままになっていましたが、
今後新しく積まれる部分に対してはマイナス金利を使うということですね。
これまでの残高にはこれまでの0.1%の金利がつくのですから
すぐさま「銀行の収益が圧迫される!!」と騒ぐこともありません。

マイナス金利導入で日経平均やドル円が急騰したのは
「アルゴ取引」によるマイナスとうワードに反応したためと思われますが、
その後、急騰した分よりも激しく下落したのは「銀行株」主導でした。

しかし、よくよく見れば3段階構造、喫緊に銀行収益を圧迫する
ものではないということが理解されると銀行株が買い戻され、
日経平均も大きく跳ねた、というストーリー。

しかし、銀行株は買い戻されたと言え半値戻し程度、セクターとして
先行きに懸念があることには変わりありません。
これまでのように、新たに日銀に国債を買い取ってもらった分の
資金は当座預金においておけば金利がもらえるという
楽な商売ができなくなるということで、今後、この分の資金が
どこに向かうのか、という思惑が相場を動かすものと思われます。

日本国債ではなく、外債に向かう可能性はないか?
だとすれば円安が加速しますね。

あるいは大倉キャプテンなどは「札割れ」の可能性がある、と(( ;゚Д゚)))

そうそう、このマイナス金利を受けて債券市場も大きく動きました。

長期金利の指標となる10年物国債の流通利回りは急低下。
一時、年0.090%まで下がり初めて0.1%台を割り込みました。

少しでも金利が高いうちに国債を買う動きが広がったためと解説されてます。
イールドカーブのフラット化が進むとも言われています。
短期債より長期債の方がリスクが高いために金利が高いのが
正常なのですが、その金利差がなくなってしまう、、、。

これからは国債を日銀に買ってっもらってキャッシュにしても
当座預金に積んでおけない…金利分減っていくわけですから。
じゃあ、何に換えて運用する?!となった時に金利のあるものを
先に先に買いに動いた結果、ということか。


マイナス金利はこれまで
デンマーク、、スゥエーデン、スイスなどが導入しています。
(スウェーデンではすでに大口預金金利がマイナスだとか)
デンマークは住宅ローンがマイナスになっており貸出が増えています。

一定の評価があるといってもいいんじゃないかな、、、と思いますが、
スウェーデンでは▼1.1%までのマイナス金利となっており、
元日銀副総裁の岩田氏は▼2%まではマイナス金利の拡大余地があり、
日銀は「質」「量」による緩和策意外に「金利」という新たな緩和カードを
増やしたことになります。▼2%まで余地があるというなら
今後追加緩和策はマイナス幅拡大、ということになるんでしょう。

この先、何が起きるのか・・・・

マイナス金利導入は賛否あるでしょう。
意味がないとか効果がないとか、政策議論も出るでしょう。

でも大事なことは、足元のマーケットがどう反応するか、ですね。
これまでの政策を180度転換したことのインパクトです。

これがデフレ脱却、景気浮揚を成功させる政策かどうかなんて
わかりません。成功するかどうか、という視点は目先のトレーディングには
不要です。重要なのは黒田さんの方向転換と、カードが増えた事実です。

素直に買いでいいと思うんですけれど、、、。

市場には戻り売り目線が多いようですね。
その方が(評価しない、どうせまた下がると思って売る人)が
多い方が上がると思いますので、それはそれでいいのですが、
高値掴みにならぬようにだけ気を付けたいですね。

私は乱高下の中17000円割れで日経平均をロングしました。
怖かったのですが、、、、知人が買った!!とメッセしてきたこともあり(笑)
これは大正解でした。今週以降も押し目を拾っていく予定。

為替なんですが、素直にドル円を買えばよかったのですが
ポンド円を買ってしまったので、欧州時間に苦労しました、
172円を買い下がり短期的には利益でしたが171.20円台まで下落。

NY時間に、なぜか全面ドル高となり、ポンドや豪ドル、キウイなどが
ドルに対して下落、これに連れてクロス円が落ちてきた格好。

何故ドル高が加速しているのか、、、
これで先手を打たれたECBドラギ総裁は3月に思い切った緩和策を
取らざるを得なくなった、ということで、日欧の通貨切り下げ競争が激化?
ということで、利上げバイアスにあるドル高が際立つだろうという思惑に
つながった結果かもしれません。

ん~クロス円は難しいわね。

素直にドル円がよさそうです。
早速こんな予想が出てきました。

日銀マイナス金利導入、125円までドル押し上げの公算=ドイツ銀
http://jp.reuters.com/article/global-forex-deutsche-idJPKCN0V724R

大倉キャプテンと同様の見解です。
キャプテンも強気継続。

もちろん金曜日に行き過ぎた分の修正もあるでしょうから、
まだまだチャンスはあると思いますよ。
人気ブログランキングへ

【人気ブログランキングへ登録しています。応援ありがとうございます。】

※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。

以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。

運営:豊トラスティ証券株式会社