2016年1月11日月曜日

日経平均が1950年9月の算出史上初めて年初から5日続落、
1週間連続安の幕開けって、波乱どころじゃないわよね。
2015年の大納会比で1335.75円安、率にして約7%下落しました。

震源地は中国でしょう。人民元安誘導による円高と中国株下落です。

人民元安に驚いた市場がパニックとなり中国株も急落する、
という流れは2015年8月にも経験していますね。

2015年8月も、3日続けて人民元を切り下げたことが発端となって
世界同時株安の様相を呈し、大株主に保有株の売却を禁じたり、
空売りしたものを捕えたりと常識では考えられぬ株価維持策が飛び出して
関係者を驚かせました。この時、かなりのテコ入れで市場に資金投入しています。
これは後述します。

今回はなんと年末から1/7までの8営業日に渡って人民元の
中心レートを安く設定。要するに切り下げたわけです。

何故昨年のパニックがあったにもかかわらず、中国は再び人民元安誘導を
行ったのでしょうか。だって、今回も急激な人民元安進行で人民銀行は
通貨市場で元買い介入を行っているのです。元を切り下げて置きながら
買い介入するというのはどういうこと?何がしたいのか理解に苦しみます。

市場の一部には輸出産業のテコ入れに動いた、という指摘もありますが、
この答はおそらく、
「IMFのSDRバスケットの構成通貨として認められた」ことにあります。

2015年11/30、IMFは人民元をSDRバスケットに加えると発表しました。

しかし、その代わりに中国は金融システムを国際化、
つまり自由に解放しなくてはなりません。

これまで中国は海外からの資本流入や為替相場を厳しく制限していました。
国際通貨としての道を歩むためには、
このような規制を取り払わなくてはなりません。

人民元には
オフショア(中国本土外の取引)と
オンショア(中国本土内取引)の2つの取引市場があります。
http://www.mizuhobank.co.jp/corporate/world/info/cndb/rmb/pdf/double.pdf

先週はオンショアとオフショアのレートの乖離幅が過去最高にまで拡大しました。
オフショアレートのほうがオンショアよりも大きく下げてしまっているのです。
つまり中国本土以外の海外の元取引で
元安がものすごい勢いで進んでいるということです。

中国の景気減速や資本流出への警戒感などを背景にした元売りが
止まらず、2010年の取引開始以降で最安値を記録していますが、
オンショア(本土取引)の方は、毎日基準値が発表されます。

これがだいたい10:15~16分かな?この時間帯から、マーケットが混乱
するのは、人民元の基準値発表のせいです。

オンショアの取引ではこの「基準値から上下2%」までに値動きが制限されています。
しかし、オフショア(本土以外=海外)ではこうした値動きの制限がない。

だから、現在オフショアの方で人民元安が大きく進んでしまっているのですね。

このオフショアの値動きにオンショアの基準値を合わせる、ということを
中国人民銀行は行っていると思われます。

つまり、海外取引=実勢レート に近づくように、
基準値を引き下げていかなくてはならないということです。
これが、IMFのSDRに採用されたことの代償です。

現在のような中国減速危機がない時期なら何も問題はなかったと
思われますが、オフショア市場で元売りが勝手に進んじゃうような
リスクを皆が感じているタイミングでのSDR採用と、ルールの遵守に
中国は逆に苦しい状況に追い込まれてしまったということなのでしょう。

中国当局にこの危機を回避するために出来ることは
オンショアの規制とオフショアへのドル売り介入ということくらいで
オフショアを規制することはできないのですね。

しかし、先週、オフショアとオンショアの乖離拡大にかけて
裁定取引を行っている外資系銀行など3社に取引の停止を命じています。
この値動きを見て、投機筋がさらに拍車をかけるような鞘取りを
行っていた模様ですが、自由化された市場での自由な取引に停止命令を
下すなんてことは、本来できないはず…。そのくらい困り果てている、ってことでしょう。
これではせっかくIMFのSDRに採用されたのに
まだまだ人民元取引はリスクが大きいってことよね。

というようなことで、オフショア(実勢レート)に合わせるという
国際化への道を歩む1歩が市場の大混乱を招いてしまったために
1/8、の基準レートは1ドル=6.5636元と、前日終値に比べ
約0.5%の大幅な元高水準へ設定しました。。

これで、足元での急激な元安は止まる可能性が見えた?ということで
少しは市場も落ち着いたかに見えたのですが、、、。
(ひとまず、実勢に合わせるのは止めて混乱を回避することを選んだのでしょう)

金融市場はその後のアメリカの雇用統計の数字を受けて
さらに大きくリスクオフ方向に動いてしまいました^_^;
あれだけいい数字だったのになぜ?!というのは後述します。

しかし、中国はいよいよダメなのかもしれません。
昨年8月のチャイナショックを受けて中国自身が中国のバブルを認めましたが
バブルは崩壊してしまったことは事実です。

後はこの事後処理をソフトランディングさせることができるかどうか。
それが、2016年のマーケットの大きなテーマとなるのでしょう。
後は原油価格ですね、オイルマネーの資金撤退も大きい。

一つ驚いたニュースがあります。
昨年のチャイナショック後、中国が投入した株価支援資金が
リーマンショック後に投入した資金より大きいというのです。

中国の株価下支え策、官民合わせて5兆元規模 効果に疑問符
http://jp.reuters.com/article/china-markets-rescue-idJPKCN0PX12320150723

 中国が株式市場下支えのために打ち出した対策の規模が、官民合わせて5兆元(8052億ドル)相当に上ったことがロイターの分析で分かった。
~
「問題なのはこれらの措置がファンダメンタルズを変化させるのではなく、需給を変化させただけということであり、市場の安定は一時的なものにすぎないだろう。政府が手を引けば、株価はファンダメンタルズを反映して再び下落するのではないか」と述べた。


2008年リーマンショック後の景気刺激策の規模は「4兆元」(およそ80兆円)
内訳は下記の通り。
(1)国の負担          1兆1800億元(29.50%)
(2)地方の負担         1兆2500億元(31.25%)
(3)その他(国有銀行・民間企業)1兆5700億元(39.25%)

地方政府の負担が全体の3分の1を占めています。
この地方政府負担分は、自ら金融子会社を設立して調達したものであり
この多くが不良債権化しているとみられます。

この資金がリーマン後「デカップリング」「Brics]などと言って
新興国が牽引して世界の景気減速を阻止し支えたとされていますが、
この資金が、過剰設備投資を招き、消費もないのに在庫の山を作って
しまったために、現在の投資資金の回収ができず焦げ付き、
消費の計画もなしに生産供給されたコモディティが在庫となり
商品安を招いてしまっていると思われます。

そのようなバブル崩壊に、再び5兆元が投じられたというのに、
株は再び下落に転じているのです。

ソフトランディングできるでしょうか…^_^;

かなりドラスティックな崩壊となる可能性は否めない気がします。

それがひょっとすると米国の利上げに影響するかもしれません。
中国クラッシュが米株に及べは、FRBも計画通りに利上げを
することはできないでしょう。

そもそも、オフショアの元安が加速し始めたのも米利上げの
影響である、という指摘もあるくらいです。

しかし、日銀の株価支援のETFは年間3兆円です。
中国はあの後株価対策に90~100兆円です・・・・
どこに消えて行っちゃうんでしょうか^_^;
雇用統計については長くなるので、また明日書きます。

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