2016年3月20日日曜日

明日21日春分の日祝日がコワイですね。

前回ドル円相場が急落し110円台に突っ込んだのは2月11日祝日でした。
この時、ドル円相場は2円もの円高となりました・・・。
日本勢が休んでいる時を狙って。
この3連休最終日もまた、日本勢が休んでいるわけですが…。

19日(金)ドル円相場NY終値は111.50円アラウンド。
18日(木)には110.67円と、今年の最安値を更新していますが
何とか反発しレンジ内に戻っていますが戻りは弱いですね。

ドルの上値が重い背景には

①3月決算期末に向けてのレパトリ
(輸出企業や機関投資からが海外での収益を円に戻す動き)

②米利上げペース鈍化を材料にヘッジファンドが円買い仕掛け

③上海合意観測広がりつつある

①、②はいいでしょう、この相場の裏にこうした実需勢と投機筋の
円買いがあることは、何ら不思議ではありません。

では③とはいったいどういうことか。

上海G20財務相・中央銀行総裁会議で
「外為への協調介入を決めた1985年のプラザ合意や
87年のルーブル合意に似た非公表の合意が上海であった」との観測が。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O47TJM6TTDS301.html

適切な金融政策行動を通じて主要通貨に対してドル相場を
おおむね安定させるという合意があったのでは?


との観測です。

中国が米金融当局が利上げで行き過ぎず、
ドルがユーロと円に対して過度に上昇しない限り、
自分たちは積極的な切り下げを追求しないと提案したのだろう


つまり、ドル高が加速しないように、との合意があったのでは?
ということですね。

それによって、中国人民元も過度に切り下げたりはしない、
という交換条件。中国側からの提案という観測のようです。

主要中銀がドルの安定化に動くことで、中国を大幅な通貨切り下げに
追い込む圧力は緩和する。人民元の大幅切り下げは世界経済の破綻に
つながりかねない。


とありますが、確かに昨年夏に始まったチャイナショックは
人民元の切り下げが衝撃となりました。
年末~年始の混乱も、再び人民元が急落したことが一つの背景でした。

市場の安定は望ましいことであり、それにより株価の急落などが
避けられるというのであれば歓迎すべき合意ですが、
ドル円相場に関しては、ドル高円安は望めないということになります。

120円から上への上昇はかなり難しくなった…という印象です。
G20 合意があったとするならば、日本が独自に
円安を演出することは難しいということですね。

すでに115円が重くなってしまっていますが、、、。

ドル円相場には 110.00円~115.00円のダブルノータッチオプションが
設定されているという指摘があります。
こういう話が出てきた時には間もなく破られるのが常。
今可能性が高いのは110円タッチですね。
この仕掛けを明日、祝日に仕掛けられはしないか、、、、
ってのが足もとの懸念です。


特に111円台では逆張りの日本の個人投資家のドルロングが
かなり増えたという話で、、、それが狙われないか心配。

110円を割り込むと108円台くらいまで急落するリスクがあると
思われますが、では、そのまま100円方向に落ちていくでしょうか。
市場関係者の間には100円割れの予想も増えてきました。

足もとでは3月である、ということが支えになるように感じています。
 3月下旬は株高の特異期間とされています。

連休明けの22日から年度末31日まで残り8営業日。
日経ニュースの記事によると
過去15年のラスト8営業日の勝敗は11勝4敗
騰落率は1.72%上昇

ドレッシング買いははいるか?

決算対策を目的とした国内機関投資家による「お化粧買い」
についてもリサーチされていますが、
3月最後の2週間、東京証券取引所のデータを過去10年分検証では
投資家の運用資金を預かる信託銀行を含め、金融機関が買い越した年は
08、09、11の3年にすぎず、買越額も小規模だったとのこと。

11勝4敗とのことですが、、、では誰が買っていたのか?

実は買い越しが目だったのは外国人なのだそう。
10年中8年買い越していたのです。

意外です…。

今年の場合、3月第2週(7~11日)
外国人が10週連続で売り越し中です。
売越額は1兆1932億円と1982年7月に統計の公表を初めて以来、最高。

では、そろそろこれを買い戻す可能性は大きいのでは?

アベノミクスが始まった2013年1月以降、
外国人による日本株の累積買越額は
15年5月の21兆6000億円がピーク
16年3月11日時点では8兆7000億円に縮小してしまいました。
13年6月以来の水準までしぼんでいることになります。

さらにさらに日本株を売ってくるでしょうか。海外勢。
本当にアベノミクス終焉とみているのならあり得るでしょうけれど、
先日ご紹介したようにノルウェーのSWFなどは日本株買ってます。

また、マイナス金利時代に突入して本邦機関投資課税も
新年度入りでいよいよ外債投資や外株投資を増額せざるを得ない、という
指摘もあります。ポートフォリオを外貨建て資産にリバランスする影響で、
ドル買い需要が増す、との見方もあります。

それから、この春そう遠くないうちに消費増税凍結が発表になるでしょう。

16日 ノーベル賞学者・スティグリッツ教授
「引き上げるのは今のタイミングは適切ではない」

18日 ヌリエル・ルービニ米ニューヨーク大教授 
「消費増税「延期の場合には早期に決断を」

最終的に決断するのは安倍首相。発言が変わってきました。

18日安倍首相 参院予算委員会で
「消費に力強さがない。世界経済が不透明さを増している。
経済が失速しては元も子もなくなる」

上海合意があろうとも、金融政策ではない部分でドル円がサポート
される可能性は残っています。
ただ、120円というのはもうなさそうな気が…。

少なくとも、この連休に投機筋の仕掛け的な円買いが起こって
110円を割り込んだら、(108円とか107円とかはあり得るかも)
そこではドル買いが入って、115円に向けたドル高となるのでしょう。
(と妄想)

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日本だけでなく欧州も金融政策が効かずに困惑していると思われますが

プラートECB理事、追加利下げ余地と発言
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O48BXK6K50Y201.html

さすがにFOMC後の全面ドル安は、今週修正が入ると思われます。
ただし、ユーロ安トレンドにつながるかどうかは。。。

ドル円相場も円安トレンドになっていくのかどうか、
難しい環境ですものね。

もし、上海合意なるものが存在するならなおさらです。
中国と米国がドル高是正で手を組んだとなれば
ユーロ安、円安は難しい。

しかし、かといって、利上げする国の通貨がそれほど下がるわけでは
ありません。今年は年初にあまりに大きく動きましたので
この後はレンジ相場となっていくのかもしれません…。

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