サウジのムハンマド副皇太子が、イランが参加しないなら
ウチは増産凍結絶対合意しない!と強硬姿勢を崩さず、
草案では合意するものと受け止められていた増産凍結合意が見送られました。
4/17ドーハ会合、合意ならずの番狂わせで原油相場が急落しています。
これには集まった18か国【サウジを抜くと17か国か】も戸惑いを隠せずにいるようです。
原油価格のつり上げとまでは行かなくても、安定的に一定の価格で推移するような
コンセンサスを得られると思っていた産油国の落胆は大きいと思われますが、
金融市場で三重苦の下落に見舞われているのが日本市場。
先週末の熊本地震、G20でのルー財務長官から飛び出した日本への通貨安牽制
そして原油安ということで、週明けの日本株市場、為替市場はギャップダウンの
大幅安スタートです。困ったものです…。
震災については復興に向けて大型財政出動、消費増税見送りも出てくるでしょう、
為替市場でもあまりに投機的に急激に円高が進行するようなら
介入の可能性も高まったと考えていいと思います。
そういう事態に陥ったのですから。
しかし原油安だけはどうにもなりません。
年初からの海外勢の日本売りの主体はオイルマネーだった可能性が
指摘されており、原油安が再開すれば、彼らの日本株売りも再開する
リスクにつながるのではないか、と思うのですが、、、。
ただし、これまでの原油安の背景には「ドル高」という金融要因がありました。
需給面、ファンダメンタル面からは決して買える相場ではないことは明白ですが、
金融面から見れば、原油は底入れした可能性が高いのです。
こちらはJ.P.モルガン・アセット・マネジメントのアプリInsightsから。
2016年Q1(1-3月期)のGuide to the Marketsが更新されています。
Insightsについてはこちらを。
https://www.jpmorganasset.co.jp/Insights_App_Jp/index.html?cid=201512jb
膨大な資料の中から見つけたのが
原油とドルについて書かれたスライドのページですが、
2016年まではドル高が進行した半面商品価格が下落していた綺麗な逆相関が
見て取れます。原油下落の一因にはドル高があったと考えていいでしょう。
そして米国は2016年に入ってから、かなりあからさまに米ドル安政策に
シフトしたように見えます。利上げ見通しを年4回から2回へ引き下げ、
日本や中国に向けて通貨安政策を取らぬよう厳しく牽制する
要人発言が相次いでいます。大統領選挙にらみという側面も大きいとの指摘も。
ドル高が続くと、ドル高是正を声高に叫ぶトランプ氏に有利な選挙戦となるため、
この面の優位性をなくす狙いがあるとかないとか、あくまで噂のレベルですが。
しかし、もしこれが当たらずとも遠からずであるならば
今年の11月くらいまでドル高は沈静化したまま、ということとなります。
つまり、ドル安ですから、原油価格はそれにサポートされるはず?!
ですから、再び20ドル台へ下げてさらに安値更新となる相場ではないと思います。
30ドル台でレンジ。。。というイメージかなぁ。
左側のチャートを見ると、過去20年のWTI原油価格の平均価格は54ドルなのですね。
54ドル、、、せめてこのあたりまで回復する相場かと思われたのですが、
足下ではサウジとイランの対立により原油価格がコントロール不能となって
しまっており、ファンダメンタル的には上値は重い相場が続くのでしょう。
この他にも、世界経済、米国、日本、欧州、中国、新興国経済と
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JPモルガンのこのような膨大な分析資料、データーを無料で見ることができます。
https://www.jpmorganasset.co.jp/wps/portal/highlight?cid=16ho
J.P.モルガン・アセット・マネジメント
上記のように引用URLを入れれば、資料の引用、転載もOK
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