2016年9月4日日曜日

注目された米8月雇用統計。
微妙な数字でしたが、結果はドル高。

発表直後こそ、103円半ばから102.80円近辺まで下落したものの
その後猛烈リバース!104.30円程度まで高値がありました。
先週のジャクソンホールの時の値動きと似ていたわね。
あの時ほどの上昇ではありませんでしたが。

米10年債、2年債金利は雇用統計後、低下したのですが
反転上昇したことでドル円相場も切り返したという動き。。

結果的にドル高となりましたが、、、
しかし、利上げに関しての市場の見方は割れているようです。

※8月雇用統計

NFP 前月比 +15.1万人(予想+18.5万人 前回+27.5万人)
失業率 4.9% (先月と同じ)
平均時給 前月比+0.1%&(予想下回る)
6月が下方修正、7月は上方修正。
3か月平均は23.2万人。

CMEのフェドウォッチですが、9月利上げ確率織り込みは
ジャクソンホール会合後に36%にまで上昇し、9月利上げの可能性も
織り込み始めたという流れだったのですが、
雇用統計を受けた後の9/2時点では21%にまで下落しちゃってます。
12月の利上げでさえ41.1%で50%を割っているのね・・・。

ここで確認できます。
http://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html

※現在の金利が0.25-0.5%ですので、「25-50bps」
0.25%利上げするならば「50-75bps」になるってことで、
「50-75bps」のところの数字が織り込みの確率。
上記タブで「14 Dec 2016」というところに切り替えると
12月利上げの確率のグラフを見ることができます。

あれあれ、、、9月利上げの確率が21%にまで下落しちゃってるって…。
このままの状態で9月に利上げしちゃうと、想定が低い分、衝撃が大きくなって
しまうということですから、かなりリスキーってことになります。

それから加えて気になる材料が先週発表された
ISM8月製造業景況感指数 49.4、前月52.6から大幅に低下の結果。
2015.11~2016.2月までの4カ月間50を割り込んでおり、
ドル高で製造業への影響が大きいため利上げに躊躇していた、
という指摘もありましたので、ここがまた悪化してくると、
利上げはできないという見方が増えてしまいます。

FOMCメンバーは超タカ派発言を繰り返してるにもかかわらず、
現在の市場はFOMCに懐疑的になっていて超ハト派反応ですよね。
12月利上げ以降8カ月利上げを見送ってきたことで、
年内利上げはしないという見方も広がっています。。。

たしか、FOMCの2週間前くらいからブラックアウト期間といって
Fed関係者は金融政策についてコメントすることができなくなりますが
だからこそ今週7日水曜前までの5日、6日までには
FOMCメンバーによる要人発言が出てくるでしょう。

6日にはウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁
9日にはローゼングレン・ボストン連銀総裁が講演
(9日はブラックアウト期間じゃないかな?)
ウィリアムズ総裁発言には注目度が高まると思います。

本当に9月にやる気ならタカ派発言を出してくると思うんだけど、、、。
だから、今週前半まではドル高基調は続くと思ってます。

しかし。。。織り込みが低すぎる💦
やはり、ドル円相場も一目の雲に阻まれて一度深押しが来るのかなぁ。。。
だとすれば、今回の円高の99.80円から雇用統計直後の円安の104.30円の
半値押し、101.90円くらいまでの調整はあるかもしれない。


週明けは大きな調整が来る前の高値で利食いを考えるかもしれません。
再度下がったところを買う所存。

しかし、先週火曜8/30までの1週間のIMM通貨先物ポジションには
驚きました。志摩力男さんがメルマガで書いていたのを読んでびっくり。
http://fx-on.com/rikio/

「ジャクソンホールを見た後も円ロングを増やしたプレーヤーがいたということです。」

ということになりますね(; ・`д・´)
どんだけ円高にかけてる向きが多いことか・・・。

※IMM通貨先物ポジション

円 63661枚の買い越し 3345枚の買い越し増
円の買い越し幅は5週連続で増加。

だからこそ、ここから上がる余地は大きく本格上昇はむしろこれから、
とみることができると思いますけれど。

しかし、米株上昇、金や原油などのコモディティも上昇って、
これ、利上げはないとみた向きのショートカバーなんでしょうか??

ドルは上がったのに、株やコモディティも上がるという整合性のない動き。
あるとするなら、米景気絶好調で資産は全て上がるというポジティブな
シナリオですが、雇用統計の数字が弱くてそのシナリオでの全部高はないでしょう。

ということで、市場の9月利上げの見方は割れているということに尽きますね。

ダウ平均 18491.96(+72.66 +0.39%)
WTI原油  44.44(+1.28 +2.97%)
NY金   1326.70(+9.60 +0.73%)

◆ただし、8月の雇用統計って

米雇用統計、8月はクセモノ 速報値上方修正は過去10年で7回

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL02H75_S6A900C1000000/

ってことですので、18万人予想が15万人程度だった程度で
Fedが利上げを躊躇するとも思えません。

まだまだ、懐疑的な市場に対して、どうやって利上げを織り込ませるのか、
これが今週の相場のポイントかなぁ…。

21日FOMCまでに市場の折り込みが低いままだと9月利上げは見送るかも
しれませんが、その場合でも12月利上げの折り込みが始まる形で
下値は固いだろう、というのが今のところの私のシナリオです。

今週のポイントは7日発表の米地区連銀経済報告(ベージュブック。
景気回復の動きが確認出来れば利上げ織り込みが進むと思いますが・・。


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