2016年9月11日日曜日

さすが、月間騰落率が悪いとされる9月ね、、、。

9月9日金曜のマーケットでは

①米株大幅下落
ダウ平均   18085.45(-394.46 -2.13%)

ダウだけじゃなくて世界の株式が急落しています。


②債券利回り急上昇

2年債   0.782(+0.012)
10年債  1.675(+0.076)

世界の債券市場で利回りが上昇しています。

③コモディティも大幅下落

WTI原油 45.88(-1.74 -3.65%)
NY金  1334.50(-7.10 -0.53%)

通貨市場では緩やかに全般ドル高。



円は若干売られている、というのが妙ですね。
リスクオフの時は真っ先に買われるのが円ですが。
代わりに豪ドル、キウイ、カナダなど資源関連通貨は
急落しています。このセクターが下げているというのは
やはり、ドル高によるコモディティ安が嫌気されたか、
これまでの金利に連れて買われていた分の剥落ってとこかしら。


◆さて、何が起きたのでしょうか。

1・再び9月利上げを急激に織り込み始めた?!

ローゼングレン・ボストン連銀総裁
「完全雇用を確実するには緩やかな引き締めが必要。」
「引き締め見送り、過剰な長期化はリスクに。」

カプラン・ダラス連銀総裁
「ここ数ヵ月で利上げシナリオは強まった。」
「現在の低水準の金利には代償がある。」

FOMCボードメンバーによるタカ派発言ですが、しかし
これまでも幾度となく繰り返されてきたFOMCメンバーの
タカ派発言、これが常任メンバーである主要メンバーの
フィッシャー副FRB議長やダドリーNY連銀総裁の発言ならまだしも、
今さら要人発言で過剰に相場が反応したと考えるのは無理があります。

実際、CMEフェドウォッチの9月利上げ織り込みはわずか24%です。
12月でも46%ですからまだまだ利上げを織り込んだ動きでの
株急落、債券売りということではなさそう。

そして軒並み上昇した債券金利をみても
FRBの金融政策の動向をより大きく反映するはずの短期金利は
それほど上がっていません。長期金利のほうが上昇しています。


2・日銀のマイナス金利深堀り思惑が金利市場に影響?!

8日に日銀の中曽宏副総裁の講演でマイナス金利政策に副作用があることを
認めたうえで、マイナス金利を深堀りすることはコストを考えたうえで「なお必要と
することは十分にあり得る」と発言しています。

9月21日の日銀会合では「総括検証」が話題ですが、
さらなる緩和策が出される可能性が強く、副作用が強いとされるマイナス金利の
拡大がその手段の一つである、ということが意識され始めました。。

マイナス金利政策を深堀りは副作用が強く、銀行などの収益に打撃となる、
として不評なのですが、今回の総括検証では、このマイナス金利政策を継続させる為、

金融機関の収益に打撃を与えないように配慮する政策が発表されるのでは?
という思惑が広がっているようです。

米国はFRBは短期債を売って長期債を買い入れる「ツイスト・オペ」
というのを導入したことがあります。保有する資産総額を増やさずに
長期金利の上昇を抑え込み、イールドカーブの平坦化を狙った政策でした。

この逆をやるんじゃないか?という予想ですね。
日銀は長期債を売って短期債を買い入れる。そうすれば長短金利差を拡大させ
金融機関が利ザヤを稼げるようにしながら、マイナス金利政策をさらに
推進することができる、というものです。

週末のセミナーでマネックス証券の大槻奈那氏に伺ったのですが、
四次元の緩和政策とでも呼ぶのでしょうか?

これまで過剰流動性相場のなかで行き場のない資金が債券市場に向かっていましたが
長期金利が上昇させる政策が採られれば、資金が一気に逆流するリスクも
否めないわけで、まだ日銀会合は先ですし、思惑に過ぎないのですが
フライングで動き出しちゃった、って可能性もあるかな??


3・アノマリー季節要因による下落?!


1985年から2014年までの過去30年間におけるダウ平均と日経平均の
月間騰落率で最もパフォーマンスが悪いのが9月です。

欧米のヘッジファンドの多くの決算月が11月であることが指摘されています。
資金を効率的に運用するために、HFは解約できるタイミングが3ヶ月に1度、
あるいは半年に1度に制限しているケースが多いのですが、
ファンド出資者は解約の45日前までにその旨を伝えることとなっています。
これが45日ルール。11月末決算の45日前となると、9月半ばですね。
この時までに解約の申し入れをするというのがルールであり、
ファンドは解約を申し入れられればポジションを締めて現金化しなくてはならいため、
この時期に相場が崩れやすくなる、、、、とされています。

そして、今年は特にヘッジファンドのパフォーマンスが悪く、
すでに多額のファンドからの資金の引き上げが起こっており、
この流れが継続するならば、利益が出ている市場と思われる米株などからの
資金流出は今後も警戒しないといけないかなぁ、と思っていたのですが、
まさにそういう動きが出てきたんじゃないか、っていうタイミングですね。

というわけで、米利上げが米株に打撃となると仮定しても、21日のFOMCまでは
不安定な値動きとなるでしょうし、日銀の逆ツイストオペ思惑による混乱だと
しても、これもやはり、21日日銀会合までは結果が見えないため不安定な値動きは
続くと思われます。アノマリー、45日ルールが影響しているだけならば
今週15日までには落ち着くはずですが、例年9月はパフォーマンスが最低の月です。
米株のある程度の下落は覚悟しておいたほうがいいかもしれません。

ただし!ドル円はあれだけダウが下落したのに、それほど下げていません。
これは21日日銀でマイナス金利引き下げと共に長期金利を上昇させるような
逆ツイストオペが採用されるのでは?という思惑が支えていると思われ、
それであるならば、ドル円相場は下げたところは買いでOKということになります。

101.80円で再ロングしたドル円はまだいけるんじゃないか、と思っております。

それから、ユーロ円にも注目しています。
日銀政策によってもし、ドル円が強い相場になるならば、
クロス円も比較的底堅くなると思われます。

ユーロドル相場は先週8日にECB理事会ですべての政策が
据え置かれたことで、瞬間上昇しましたが、ECBも手詰まり感が出てきています。

ドイツ銀行問題などで、ユーロを売り崩したい向きが常に存在するため
ユーロはなかなか上がりませんが、(レンジですが)
ユーロ圏の経常黒字額を見ると、ユーロ安になるとは思えないのよね。

ということで、ユーロ円の押し目買いをしてみようかなぁと思っています。
資源国通貨は混乱期には最も弱いので、様子見ね。

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