先週7月17~21日の週は、世界の長期金利の上昇が一服。
全般金利低下傾向でしたが、これで金利上昇が止まってしまったのか、
単なる小休止でまた上昇再開となるのか、それともこのレベルでもみ合うか。
私はこのレベルで多少揉みあってから、金利は全般再上昇するものと
思っているのですが、これが2017年後半のマーケットのポイントだよね。
というのも6/27のECBフォーラムで飛び出した、
欧、英、加らのタカ派発言。
実際にその後カナダは利上げを実施、
先週のECBではドラギ総裁は
慎重なスタンスを誇示してみせるも、ECBの複数の政策立案者が、
資産買い入れの将来について決定するのは10月になる可能性が最も高い、
とし12月では遅すぎると考えていると、関係筋4人が明らかにした、
などと伝えられており、市場は今回緩和縮小について何も出てこなくとも
年内には必ず着手するということで、ユーロ買い止まらず、という反応。
市場は完全に欧州もいよいよ年内には緩和縮小に踏み切るとみています。
世界的に不動産市場にバブルの兆候が出ているってことも、早期緩和縮小の
必要に迫られる背景の一つかと思われます。
不動産マネー、世界で過熱
http://www.nikkei.com/article/DGKKASGD12HCO_T10C17A7MM8000/
。低金利下の運用難に悩む年金や金融機関からお金を集め、不動産やインフラを投資対象とするファンドは2017年上期に過去最高ペースの875億ドル(約10兆円)を調達した。ファンドの攻勢で不動産価格に過熱信号が点灯。金融引き締めに動き始めた米国など欧米主要国の中央銀行は価格高騰を警戒し始めた。
不動産価格上昇って、格差を広げますよね。
格差是正のためにもマネー膨張をそろそろ何とかしないといけないと・・・
というところまで来ているんだと思う。
ということで、先週は金利上昇一服も、年後半は再上昇となる
局面があると思います。そうなれば、ゼロ近傍に長期金利を固定する
政策を取っている円売り再開は明白。
年後半のテーマは、円売り、そしてドル売り。。。なのかなぁ。
というのも、米国の緩和縮小と利上げは2013年からテーマとなって
すでに4年が経過しています。
2013年5月22日の前バーナンキFRB議長のテーパリング言及から、
米国の出口戦略をテーマにした相場が始まり、
新興国市場からドルへの資金の逆流が起こりました。
2014年1月からテーパリング開始、
2014年10月テーパリング終了。
次の焦点は利上げへとシフト、
実際に利上げが実施されるのが2015年12月ですが
この間、ドル独歩高の時代が続きました。
(ドル独歩高は2014~2015年)
そして、ダメ押しとなったドル高がトランプラリーでした。
トランプ大統領誕生で、米国の金融政策を背景にしたドル高を
超える水準にまでドルが買われてしまったんです。
2016年12月、FRBが2回目の利上げを実施するまでそのドル高は続きました。
それを起点に、現在半年にも及ぶドル安が進行しています。
そして、その反面、新興国通貨などが上昇してきています。
新興国へ、ジワリ資金が戻り始めているんですね。
足元でのオセアニア上昇もそうですが、カナダの上昇なども
その大きな流れの一環だと思います。
(ただし、今年前半はフランス大統領選への警戒などから
一時的に大きな調整で、新興国通貨も下げていましたが、
波乱なく通過したことで、再びその流れが再開したと考えています)
トランプラリーでダメ押しのドル高となった後は
その後2回も利上げしていても結局はドル安となっている。
ここが重要なポイント。
足元のインフレ指標を見ていると、年内後1回の利上げ実施も
怪しくなってきた。ただし、将来の金利上昇に備えて
FRBはバランスシート縮小には着手しておきたい。
(金利が上昇するとFRBの銀行への利払いが増加してしまう)
将来の金利の急騰前に資産を減らしていきたい。
ということもあって、年内にバランスシート縮小に着手することは
あっても利上げには極力慎重になると思うんです。
CMEフェドウォッチを確認すると
今年12月以降来年6月までの利上げ確率はわずか40%台です。
(60%台を超えてこないと利上げはないとされています)
つまり、市場はもう利上げはしばらくないと見ている。
ってか、直近2回の利上げにも反応薄だったことからみても
米国の利上げは市場のテーマとしては賞味期限が切れているということよね。
だから、年後半のテーマは、日銀の政策が際立つことでの円安と
米国の金融政策の賞味期限切れのドル安がテーマで
いよいよ出口が近いと目される欧州、ユーロや、そのほか緩和縮小や
利上げを迫られる国の通貨を買うというのがコンセンサスとなる、と思います。
その相場はすでに始まっいるので、もちろん押し目を拾う形での
参加が重要ですが。。。
ということで、ドル円相場は、ドル安円安で結局レンジだと思う。。。
あんまり妙味がないということね。
レンジ下限で買って、レンジ上限で売ればわかりやすいかな。
それなのに、週末金曜111.90円台でドル円をロングしてしまい
見事損切りヒット(*´Д`)ゲンナリ 111.50円割れで止めました。。。
もーーー110円割らないとドル円は買いませんっ!
クロス円の押し目買いや
ストレート通貨でのドル売りのほうがわかりやすいもの。
ユーロドル1.1557ドル、キウイドル0.7370ドルロングは継続。
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ドル安の背景にはぐだぐだのトランプ政権スキャンダルがあるとの指摘も。
トランプ氏、弁護団と広報チームの人事断行-スパイサー報道官は辞任
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-07-22/OTGSRQ6JTSHZ01
ヘルスケア法案はまだ成立せず・・・。
ロシアゲート問題もくすぶり続け、
何も進みません。
トランプラリーの失望のドル売りが続いている、と指摘されれば
それを否定できないのも事実。金利低下の一因でしょうね。
◆今週は25日~26日がFOMC
今月、イエレン議長による議会証言において、
インフレについても不透明性に言及があり、ハト派的な姿勢が意識されました。
今回の7月FOMCは記者会見がないのであまり注目されていませんが
今回の議論については、3週間後に出るFOMC議事録が注目との指摘も。
議事録では声明文では確認できない詳細な議論内容が確認できることで
意外と相場が動くことがありますが、
記者会見のないFOMCの時は、議事録で動くことも多い。
今回の議事録要旨公表は8月9日です、覚えておかなきゃ。
8月はその後ジャクソンホール会合もありますね。
3年ぶりにドラギ総裁が出席することが話題ですが
勿論イエレン議長の出席します。
◆今週はFOMCよりも28日発表の米第2四半期GDP速報値が注目との指摘も。
1-3月期は 前期比 速報値+0.7% 改定値+1.2%、確報値で+1.4%に修正
昨年10-12月期は+2.1%なので、上方修正されたとはいえ、最初の0.7%は
かなり悪い数字が出た印象でした。(3年ぶり低水準、個人消費が弱かった)
1-3月期の悪化の背景は個人消費。
速報値+0.3% 改定値+0.6% 確報値+1.1%
昨年10-12月期の+3.5%から凄まじい低下で衝撃が走りました。
今回の個人消費の予想は+2.9%程度のようですから強いですね。
GDP速報値が予想通り強ければ、足元で後退した利上げ思惑が
回復するとの見込みからドル反発につながる可能性が指摘されています。
2017年後半大局ではドル安となると思いますが
今週は米GDPによってはドル巻き返しもあるかもしれません。
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先週は豪ドルが急落する局面も
豪中銀(RBA)のデベル副総裁が、アデレードでの講演テキストを公表
「他国が利上げを行っているからと言って、
豪州が金利を児童に引き上げなければいけないわけではない。」
「豪ドルの上昇は豪経済の支援とならず」
「通貨の強さは経済の調整を混乱させる」
などの発言内容が、豪ドル売りにつながりました。
ブロックRBA総裁補佐は
「高水準な住宅ローン債務のリスクを注視」
「シドニーやメルボルンなど住宅価格が急上昇している地区の動向にも注意」
などの発言を行っており、住宅価格上昇を意識している側面も。
今週は豪ドルがもっと下がれば買ってみたい局面です。
米GDPで米ドルが上昇すれば、全体的にドルストレート下落と
なるでしょうから、そのタイミングがねらい目かな??
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2017年7月23日日曜日
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