週末のニュースはジャクソンホールシンポジウムと北朝鮮のミサイル発射。
◆北朝鮮ミサイル
26日早朝、北朝鮮が日本海に短距離ミサイルを連続発射。
ミサイル3発のうち1発目と3発目は約250キロ飛行、2発目は発射直後に爆発。
NYクローズ後ですので、マーケットには織り込まれていない材料となりますが
ミサイル発射自体はマーケットは慣れっこになっちゃってて
これが日本に着弾したとか、米国が反撃に動いたというような新たな展開でも
なければ、市場へのインパクトは低いと思われ、これを意識して週明けから
リスク資産が売られることはないんじゃないかと思います。
◆ジャクソンホールシンポジウム ~講演前いったんドル買いが強まったのですが、、。
23:00イエレン議長講演~ 金融政策への言及なし
講演前にテキスト公開となるのですが、今後の金融政策への言及がなかっただけでなく
金融規制緩和について慎重な姿勢が示されていたことで一気にドル売りに。
テキスト公開前は109.84円までドル高円安となっていたものの109.11円まで円高に。
それでも、ドル円でのドル売りはユーロドルと比較すると小さなものでした。
その後のドラギ総裁講演で、ユーロが一気に吹き上がりドル安は対ユーロで鮮明に。
28:00 ドラギECB総裁講演 ~金融政策への言及なし(ユーロ高の牽制もなし)
ドラギ総裁は7月に「(緩和縮小は)秋に議論する」としていたため、
ジャクソンホールでヒントとなる発言が期待されユーロ高が進んでいました。
しかし、8月に入って関係者から政策に関する講演ではないとのコメントが出てから
ジャクソンホールでの緩和縮小の示唆への期待は剥落し、ユーロ上昇も止まっていました。
むしろ、緩和縮小を示唆した6/27ECBフォーラム以降、前のめりにユーロ高が
進んでしまっていたことから、市場の一部にはジャクソンホールでユーロ高を
けん制するんじゃないかとの予想もあったことで、それもなかったことが
逆にユーロ買いにつながってしまった、ということのようです。
ユーロドルは一時1.1941と、2015年初め以来2年半超ぶりの上昇となりました。
※通貨インデックス一覧
圧倒的にドルの独歩安、そしてユーロ上昇が際立ちました。
こうしてみると円インデックスはレンジのままです。
ドル円が108円台を踏ん張っていて、一段の円高にならないでいるという形ね。
109円から下には日本の機関投資家勢のドル買いが旺盛で支えになっているようです。
果たしてこうした機関投資家らの買いでレンジ下限が支えられるかどうか。。。
※ドルインデックス 黄色のラインを割れるとドルはさらに下落
◆今週はもう雇用統計、、、8月末~9月入りです。
今週金曜日はもう9月1日です。米国の雇用統計(8月)が発表されます。
8月雇用統計NFP予想+18万人 (前回+20.9万人(予想18万を超えていい数字だった)
前回7月は予想を超えて20万超えの数字だったうえ、
平均時給も+0.3%と6月から0.1%上昇するなど非常にいい内容でした。。
その割にドル買いは続きませんでした・・・。
もう雇用統計はあまり材料視されない時代にはいったのかもしれません。
というのも、米国はすでに4回利上げを実施していますし、
市場の関心はECBの緩和縮小へとシフトしてしまっているからです。
今、年内の米国の追加利上げの可能性がかなり後退してしまっていますので
いい数字が出れば多少年内追加利上げ思惑の高まりでドル買いとなるかもしれませんが、、、
いい数字というのは、予想を大幅に上回るケースだけです。
それよりも欧州指標?!
今週は30日21:00にドイツの8月消費者物価指数 (予想0.1% 前回0.4%)
31日18:00にユーロ圏の消費者物価指数が発表されます。(予想1.4% 前回1.3%)
インフレ加速が確認される結果であれば、ユーロ高に弾みがつく可能性が高い気が。
今回ジャクソンホールでの緩和縮小への言及はさけたものの
9月7日はECB理事会です。年内のスケジュールだと後は10月26日と12月14日。
11月がないので、年内はあと3回しか会合がないんです。
6月に緩和縮小を示唆、実際に年内までに始めるとするならいつからでしょうか。
10月に示唆して、12月開始の可能性もありますが、
インフレ指標次第では9月に示唆して10月開始の可能性だってあるかと思っています。
9月7日に緩和縮小についてどこまで踏み込むか。
これがユーロを巡る最大の焦点で、その意味で今週はドイツとユーロ圏の
消費者物価指数に注目が高まるものと思っています。
※ユーロドルは、日足で一気に下降チャネルを突き抜け、、、
※週足でも200SMAを終値で抜けてきた・・・。
ということで、ユーロは押し目買い方向でまだまだ上昇するかも。。
今週緩む局面があればユーロを買ってみたいと思ってます。
ドル円はユーロドルが下がれば、ドル安加速なので弱気に傾く可能性もありますが
ユーロ円が大きな上昇となるようなら、それほど下がらないかもしれません。
クロス円に引っ張られる展開もあるかな。
※ドル円とユーロ円比較チャート
足元ではユーロ円上昇もドル円は上昇鈍いですが
基本的には同方向に動いている相関がみられます。
ポンド円、キウイ円、キウイドルショートはまだ継続。
ドル円ロング、日経平均ロングも継続です。
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NOTE
「安さが際立つ」トルコ・リラ、ゴールドマンやブルーベイが強気
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-25/OV8HKC6K50XT01
トルコ・リラは7カ月連続の月間ベース上昇に向かっているが、ゴールドマン・サックス・グループやソシエテ・ジェネラルはリラに強気だ。上昇は小幅にとどまり、過去1年で見るとパフォーマンスは依然、主要通貨中で最悪だからだ。
経済協力開発機構(OECD)の購買力平価に基づけば世界で最も過小評価されている通貨で、ヘッジファンドなどを運用するブルーベイ・アセット・マネジメントはリラの実質実効為替レート(REER)が割安だと考えている。
ブルーベイの新興市場担当シニアストラテジスト、ティモシー・アッシュ氏は、REERの比較で「安さが際立っている」と指摘する。ソシエテのストラテジスト、フェニックス・カレン氏も「他の新興市場通貨に比べてリラを強く選好している」とし、強い成長と景気刺激措置、慎重な中央銀行を理由に挙げた。
リラはドルに対して昨年17%下落した後、今年これまでは1%の上昇にとどまっている。
さて、そろそろ私のトルコ投信も復活するかな。