さすがに今週はドルが巻き返すんじゃないかな、、、と思います。
今は、ドル金利が動かず(むしろ低下圧力が強い印象)
ECBの緩和終了へと市場の関心がシフトしており
ユーロドル、ユーロ円などユーロクロスの値動きが派手。
取引の主体もユーロを軸にしたものが主流で、
ユーロドルの上昇は、ドルがテーマではなくユーロがテーマ。
このテーマは、6月27日のECBフォー^ラムでドラギ総裁が
デフレからリフレ圧力が強まっている、として
緩和終了を匂わせる発言をしたところからスタートしており、
まだ始まったばかり。長期的にユーロ主軸の相場は続くと思います。
ただし、それにしてもユーロは短期的に上がり過ぎていますね。
一度ユーロにも調整があってもいい、、、ような。
ですから決してここでドルが大底をつけて、
ここからドル高GOGOというわけじゃないですが💦
ドル巻き返しのいくつかの兆候が…。
①米7月雇用統計
NFP:非農業部門雇用者数 20.9万人(予想18万人)
失業率 4.3% 前回4.4から低下
平均時給 0.3% 前回0.2%から上昇
労働参加率も上昇、失業率も再び低下、平均時給上昇しており
力強い米労働市場が示された格好。
結果を受けて一気にドル買いとなりました。ドル円は111.04円まで高値示現。
②NEC:国家経済会議議長のゲーリー・コーン氏が減税案を秋に法案提出すると発言
このニュースに関しましては
志摩力男氏の有料メルマガに詳しく、週末の配信が非常に参考になりました。
http://fx-on.com/rikio/
以下、志摩氏の有料メルマガから情報を引用させいていただいています。
コーン氏は減税の規模をOECDの平均23%以下にしたいと目処を示しました。
トランプ氏は15%と主張していますので、それには及ばずとも現在は35%。
現在の税率からはかなりの減税が期待されますね。
現在米企業が海外に滞留させている資金はおよそ300兆円規模。
その殆どは欧州だそうですが9割は既にドルの形で預金されているため、
HIA減税のインパクトは30兆円程度とかなり小さく試算されてます。
それでも、これが米国に還流するとなればそれなりにユーロドル相場での
ドル高の影響は出てくるものと思われます。
志摩氏も書いていますが、問題はその「実現性」。
減税するにしてもその財源がどこから出てくるのか?
など問題山積ですが、
ただ市場は、いないと思っていた幽霊に出くわしたように
腰を抜かしてしまった、と書かれています。
これが先週の雇用統計と共にドル高を誘引したと言えそうですね。
どこまで材料視されるかわかりませんが、
あまりに足元でトランプ期待の剥落によるドル安が進み過ぎたので
これをきっかけにした揺り戻しがあるかも・・・・。
③7月末~8月初旬
スイス円の急落がドル円はじめクロス円の円高を誘引した
スイス円の急落の背景は東芝にあったようです。
東芝傘下のスイス企業「ランディス・ギア」が7/21にIPO
上場によって東芝は持ち分60%の全てを放出することを発表。
売却金額は1617億円。株式の譲渡日は25日。
スイスフランは26日から急落しています。
これは、ユーロスイスの急騰という形で、
そして、ユーロ円の急落という形で、影響が出ています。
東芝がランディスギア上場益で円とユーロを調達した、
ってことでしょうか・・・。
ドルスイスでは動きがあまり大きくありませんでしたが
同じ日から若干ドル高スイス安ですので、多少のドル調達も
あったかもしれません。
これが26日から出ていたようですが、8月1日にはすべての
通貨ペアで天井というか、スイス売りが一段落しているようですので
全て出切ったんじゃないか、と推測できます。
つまり、スイス円主導で他通貨が上昇するという
東芝による需給という特殊要因での値動きは一段落したものと
思われる、ということです。
というのは、スイス円が急落することで、ドル円も下落しちゃうんですね。
クロス円が主導してドル円が円高となることもあります。
2016年はポンド円が下落する圧力がドル円相場の頭を抑えたように。
※ドル円とスイス円比較チャート 青いラインがスイス円
同じような動きでしょ。
ということで、東芝によるドル円下落という特殊要因が消えたなら
一度は揺り戻しのドル円上昇があってもいいと思われる、ということです。
レジスタンスラインもかろうじて回復しています。
④今週は米インフレ指標に注目
雇用統計が良かったことでのドル金利上昇が続くかどうか。
今週のインフレ指標が良ければその勢いが加速する可能性も。
★10日 PPI生産者物価指数 予想 前年比 +2.3%
(前回6月は 前年比+1.9% 前月比+0.1%)
★11日 CPI消費者物価指数 予想 前年比+1.8%
(前回は予想下回る+1.6%)
予想より悪ければドル売りですが…。
米議会が夏休みでヘルスケア法案など重要案件が9月以降に先送り。
8月24~26日のジャクソンホール会合まで重要な政治イベントがありません。
材料がない中で、特殊要因がなければドル金利や欧州金利に
反応しやすい冴えないレンジ取引が続きそうですが、
シーズナルアノマリーとしては、8月の円高確率が高く
お盆時期に向けて円高を予想する向きが多いのが現状。
過去27年、円安は8回、円高が19回、円高確率およそ71%。
経験則から8月は円高になりやすい月ですね(;´・ω・)
ちなみに8月1日の始値は110.24円
これよりも円高で終わる?!
北朝鮮問題とか、有事リスクも楽観できませんし
中国への経済制裁リスクだってあるかもしれません。
予断を許さない中ですが、短期的にはドルの巻き返し期待の週。
ドル指数は、7月もマイナスとなっていて、5カ月連続で下げ続けています。
2011年以来の継続的な下げ・・・・。年内どこかで大きく反転すると思いますが。。。
まずは短期的戻り期待。
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