2018年2月26日月曜日

今週で2月が終わって3月、年度末相場入りです。

2月は米金利上昇にVIX指数急騰などの事件があって、
株は比較的大きな下落となりましたがダウは半値以上の反発をみせています。

ところが、ドル円は105円台まで円高が進行、107.80円台まで反発を見せるも
再び失速するなど、上値が重いですね。

どうもドル円相場には、年度末を意識した特殊な売買があるようです。

◆まずは金融市場全体の指標である米株。

週末23日㈮セントルイス連銀総裁が年4回の利上げに懐疑的な見方を示しました。
ボストン連銀総裁もこの先、量的緩和が必要となる可能性は相当程度あると
ハト派的発言をしており、米債券利回りが2.862%まで低下、
おそらく金利低下で楽観が戻ったと思われる株式市場、
ダウは347ドル高と大幅上昇となりました。

かといって米株市場、底入れしたとみるには早計かと思いますが
2月の極度の恐怖と緊張からは解放されつつあるようです。

平昌オリンピックも閉幕し、パラリンピック(3/9~3/18)も閉幕すれば
米韓軍事演習を実施するとサンダース大統領報道官が表明していますが
北朝鮮への圧力強化の姿勢は変わらず。

これに対して北朝鮮は、米国による新たな制裁は「戦争行為」であると反発。
パラリンピックが閉幕する3月18日以降には、再び緊張が高まるリスクがあります。

これでマーケットが反応するかどうかはわかりませんが、
(これまでは北朝鮮リスクは買い場となってきた)
2月の米株急落以降は、センチメントも神経質ですので、これまでと反応が
変わってくる可能性は否定できません。

3月は、地政学、有事への警戒思惑での変動にも注意が必要かと。。。

また、3月はFOMCがありますね。
新パウエル議長の手腕はいかばかりか、現状では3月の利上げは必須ムードですが
3月に利上げがあれば、年4回利上げできるスケジュールとなりますので
年4回への思惑が広がると、金利が上昇し株が崩れる可能性があるという見方もできます。

かといって、市場に織り込まれてしまった3月利上げを見送れば、それはそれで
一時的に株が上昇したとしても、後々のリスクが大きい。
パウエル氏の手腕に疑問の声も上がれば逆効果になりかねず、
もし3月利上げがなければ、その瞬間の株高は売り場かな、と思っています。
どちらにしても、マーケットの地合いが変わってしまったので
FOMCはリスクが大きいと思っています。

そして、株高にも連れ高とならぬドル円ですが、
やはり、日本の生損保などの機関投資家らの外債損切が影響している模様。
前週の対外中長期債投資は5531億円の売り越しで、
3週連続で売り越しています。その総額なんと2兆3850億円。

http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/itn_transactions_in_securities/week.pdf

もちろん、この円高を好機とみて外債買いに回っている機関投資家もありますが
ネットで(相殺して)売り越しが大きいわけですから
その分は外債が処分されているというわけで、
これがドル売り買い圧力となっている可能性が大きいんじゃないかとみています。

3月期末が迫ってきているため、米長期金利の上昇で被った損失に、
外債の処分という形で対処しているという指摘がありますが、
損切、、ですよね(;'∀')

年度末に向けて、このような損切がまだ出てくるのかどうかがもポイント。
金利が再上昇すると、出てくると思われ、
これが、足元で米金利上昇でもドル高にならないからくりでしょう。
日本勢の動きがカギだったとは。

ドル円107.04円S
ユーロ円132.12円S
豪ドル 0.7809ドルS すべて継続です。
豪ドルは今アゲインスト、0.7860ドル超えたら切ります。


◆米債券王ガンドラック氏がビットコインが市場の先行指標であるとしています。
確かに2月の金融混乱、株下落の前に、ビットコインは崩れていましたが、、、

ということで ダウとビットコイン(ドル建て)チャートです
 
hart:TradingView https://jp.tradingview.com/chart/

確かにビットコインがトップアウトしたのは12月、崩れ始めたのが
1か月半ほど早かったのですが、、、

◆またガンドラック氏は「今こそコモディの投資の好機である」とも指摘しています。

今こそコモディティ投資機会=ダブルラインCEO ガンドラック氏
https://www.cnbc.com/2018/02/23/gundlachs-favorite-idea-in-the-financial-markets-today-is-commodities.html

景気サイクルの終盤では、常にコモディティが大きく上昇する
現在の景気拡大局面が、史上稀にみる長さで続いている
これまでの同局面ではコモディティ価格が100%、200%、
あるいは400%も伸びたケースがある


FOMC後のゴールドに注目かな。

今週は金利動向を占う指標が多く出てきます。
3月FOMCが近づいてきたことと、一部に3月見送り説が出てきていることから
経済指標の重要性が増しているように思います。
雇用統計は来週9日ですね。

PCEデフレーターとか、ISMなんかには注目しておきましょう。
また、週末はイタリア総選挙にドイツ連立政権を巡る党員投票。
週末はユーロのポジションは軽くしておくべきか。


26日㈪ 米1月鉱工業生産(予想 前月比2.7% 前回▼2%)

27日㈫ 米1月米耐久財受注(予想▼1.5% 前回2.8%)
    ◆パウエル氏新FRB議長下院金融委員会 議会証言 24:00

28日㈬ 米2月消費者信頼感指数(予想126.0 前回125.4)
    中国2月PMI製造業・非製造業購買担当者景気指数(前回51.3)
    米10-12月米GDP 改定値(予想2.5% 速報値+2.6%をやや下回る可能性)
    米2017Q4 PECコアデフレーター(前期比年率 改定値 (前回1.9%)
  
  
3月1日㈭ 米2月ISM製造業景況指数(予想58.7 1月59.1)
     米1月PCEコアデフレーター(前年比 前回1.5% 前月比 前回0.2%)
  
2日㈮  米2月ISM製造業景気指数(予想58.6% 前回59.1%)
  
4日㈰ イタリア総選挙(多数政党不在であり、政治的混乱が続く可能性
    ドイツ連立政権発足是非をめぐるSPD(社会民主党)の党員投票も控えている。

※当初28日に予定されていたパウエル議長の議会証言は
27日日本時間24:00に前倒しされています。
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