2018年7月22日日曜日

先週は、米国サイドからのドル高牽制ともとれる要人発言が相次ぎました。
ドル円相場は111.60円アラウンドのレジスタンスを超えて
レンジを上にブレイク。市場にはドル円相場はレジスタンス超えで
115円~120円との強気の声が広がっていたところに水をかけられました。

①発端は19日、米CNBCのインタビューでのトランプ大統領の発言。
「金利の引き上げに必ずしも同意しない」
「高い金利は米国にとり不利になる」との発言。


②その後20日夜にもTwitterで
「中国・EUや他国は自国通貨を操作し、政策金利を低く抑えている」
「現在の引き締めはこれまでの努力全てを損なう。」
「米国に輸入される中国製品全てに追加関税を課す用意がある」

と更なるFRBへの利上げ牽制ともとれる発言と、中国・EUの金融政策批判。
ここで日本が名指しされなかったのは不思議。


③20日夜、ブラード米セントルイス連銀総裁
「長短金利が逆転する「逆イールド」のリスクを回避するために
一段の利上げを控える必要がある」

「予想通りに年内にあと2回の利上げを行えば、
名目イールドカーブは2018年終盤には逆転する」

「FRBは更なる利上げは遅らせるべきだ」と発言。

ただし、今年のFOMCで投票権は持っていません。

④20日、米CNBCテレビがホワイトハウス高官の話として
「トランプ大統領がFRBが年内にあと2回利上げするのを懸念している」
と伝える。

19日にトランプ大統領が同メディアインタビューで話していたことの踏襲ですが、
改めて報じられたことで、ドル売りを加速させる結果に。

⑤20日、ムニューシン財務長官はロイターとのインタビューで
「人民元安を牽制、為替操作の兆候が無いか注視している」

と、中国による為替相場操縦の疑いに言及。
10月15日公表予定の半期毎の為替報告書とりまとめの一環として
人民元安を精査する意向。

今の中国の為替市場って、
中国当局により管理された変則的な「変動相場制」です。
完全な変動相場制ではありません。
要するにコントロールされているってことです。
この状況で、世界と公平な貿易がなされて来たとは言えません。
これを世界が黙認し続けてきた結果として、
中国のGDPは米国に次ぐ世界第2位にまで成長できたという
側面もあろうかと思います。

いよいよ、ここにもメスを入れる可能性がある、ということです。

⑥日銀、長期金利目標の柔軟化検討=一定程度の上昇容認と報道
これも20日の報道です。

日銀が大規模な金融緩和策で「0%程度」としている長期金利の
誘導目標の柔軟化を検討することが明らかになった、というもの。
つまり、一定程度の金利上昇を容認する可能性があるということ。

これは、ダイレクトに円高要因ですね。

日銀が掲げる2%の物価上昇目標の実現が展望できない中で
現在の緩和策は一段と長期化する見通し。
ということで、緩和策は長期化するのですが
それでは金融機関の収益悪化や国債取引の低迷など副作用も長期化する、
ということで死に体となったJGB市場救済措置、ということでしょうか。

イールドカーブコントロール政策の緩和です。

そうなると、足下でおう盛となっていた本邦機関投資家勢の外モノ投資に
ブレーキがかかる可能性がありますので、その分円安要因が減ります。
日本国債投資に妙味が出てくれば、日本国債を買う向きも増えますので円高、ね。

まだ決定したわけではありません。
今月末に開催される日銀会合での課題ということのようです。

これがどのような内容になるかを見極めないうちは、
円ショートはリスクでしょう・・・。
トランプ政権からの牽制発言だけだったら、
ドルロングを押し目買いで継続しようと
思っていたのですが、このニュースは想定外。

久しぶりに7月30、31日の日銀で為替市場が動きそうです。

ブラード氏はその後
「トランプ米大統領のコメントはFOMCの金利決定に影響しない」と発言。
ムニューシン財務長官も「トランプ大統領に為替介入する意向は全くない」
と発言しトランプ大統領の発言の火消しに追われていますが、
日銀リスクが出てきたのでドル円相場はひょっとしたら111.50円で
反発できずにずるずる下がるかもしれません。

というわけで、押し目買いするつもりでいたドル円、押し目買いするどころか
112.30円台ロングも111.80円台で撤退です、、、、
損切するつもりがなかったのですが
日銀の出口論がテーマとなってくる可能性があるので、
粘るのは得策じゃないと判断。
ドル円チャートって週足・月足で見るとレンジ内での動きにすぎないのよね。

さて、今週のポイントです。

①25日:EUユンケル委員長・米トランプ大統領会談

自動車関税の回避に向けた話し合いを行う予定。

①26日木曜:ECB理事会:
現状では来年夏までは据え置きとされています。
資産購入を年内に終了の見込み。

あまり大きな変化は予想されていませんので、ドラギ総裁声明に注目。
貿易戦争による世界経済への影響などに言及があるかもね。

②27日金曜:米国4-6月期GDP

トランプ政権はドル高牽制に踏み出したようですが
足下景気は絶好調、4−6月期GDP予想は 
前期比年率+4.2%(1−3月期+2.0%)

4%超える予想が出ています。
予想が高いだけに4%超えなかったらドル売りかも、
という気もしないでもないですが、1-3月期が2%なので3%超えていれば
ドル買い旺盛となる可能性もあるかな~発表されるタイミングでの
センチメントがドル買い旺盛なのか、売り旺盛なのかにもよるかと思いますけど。

ポジションはなくなりました。

チャート的にはドル円相場は110円台に落ちてきてもまだ強気継続で
いいと思うんですが、そこまで落ちてきたときのセンチメント、
市場の材料なども鑑みてから考えます。
31日の日銀に向けては、ポジション取りたくないかな。。。(自信喪失)

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