2018年12月18日火曜日

今週のヤマは18~19日のFOMCですが、
マーケットのセンチメントは悪化の一途を辿っています。
「FOMCを前に株式の持ち高を落とす動き」などと解説されていますが
今回の利上げにさえ懐疑的な声も出てきました。

◆利上げ反対の筆頭が米大統領ですが💦
「FRBがなお利上げを検討していることすら信じられない」
「ドルはとても強いし、ほぼインフレも無い」
                  ~17日Twitterで批判。

※利上げにより、トランプ氏自身の負債も増加する模様。

トランプ大統領、利上げで借入金の負担増加-すでに年5.8億円か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-17/PJVP4I6K50XX01
個人的にも利上げには反対なわけね。

◆ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長
「今週は利上げすべきではない」
「独立性を示すためだけの利上げは不当」~17日CNBCとのインタビュー

◆ジェフリー・ガンドラック氏(新債券王)
「金融当局は利上げすべきではないと思う」
「債券市場は連邦準備制度が利上げする必要はないと告げている」
                     ~17日CNBCとのインタビュー

◆スタンリー・ドラッケンミラー氏(著名投資家/資産家)
「景気が減速しつつあり市場が低迷している時期には、
利上げと流動性の引き締めという「二面作戦」を休止する必要がある」
                      ~16日WSJ寄稿記事

CMEフェドウォッチの利上げ織り込みは、昨日75.8%あったのですが
今日現在70.6%まで落ちてきています。
70%あれば、、、利上げせざるを得ないでしょうけれど
(織り込みが高いので、やらないことのネガティブサプライズも大きい)

「だから言ったじゃん、やめろって」
と株や債券市場の波乱の全てをFRBのせいにしてしまうことができますので
言ったもん勝ちって状況になってきたように見えます。

利上げすべきではない、という指摘にも説得力が増してきている背景には
解りやすく言えば株式市場の軟調があげられますが、
Fedのデュアルマンデート(使命)は雇用とインフレの安定なので
株価を理由に利上げを停止したと思われるようなことはできないですね。
今回利上げをしなかったら、トランプ大統領の圧力に屈したようにも見えますし…。

◆それから、米指標が急激に悪いものが目立ちだした。
17日発表された2つの指標ですが、

米・12月NY連銀製造業景気指数:10・9(予想:20.0、11月:23.3)
米・12月NAHB住宅市場指数:56(予想:60、11月:60)

NY州製造業業況指数は前月から12.4ポイント低下で19カ月ぶりの低水準。
6カ月平均(22.8)の半分以下の水準で
内訳の10項目中、9項目が低下しています。

NAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は2015年5月以来の低水準。
12月としては12年以来の低さ。

◆さらに中間選挙で米議会がねじれたことで政府機関の閉鎖、
シャットダウンリスクにも警戒しなくてはならない状況に。

メキシコとの国境の壁建設でトランプ大統領と下院で多数を占める民主党とで
意見が対立しています。

トランプ大統領は
「国境警備のために政府機関を閉鎖することを誇りに思う」と述べており
シャットダウンも辞さぬ構え。

21日に一部の連邦予算が期限切れとなります。

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ということで、米金利は下押し圧力が強く長期債利回りは2.8%台

※米長期金利推移

これを嫌気して、いよいよドル円相場も下落し始めました。

※ドル円日足

上昇トレンドの下値サポートを下抜けそうです。
ここが下に抜けると111円半ばまでは落ちそう。
それで済まないかもしれません…。

豪ドル円S再参戦中ですが、ドル円が下がってきたので
クロス円が下がり始める可能性が出てきました。
ユーロ円とか、面白そうですね。
これもレンジ下限に到達しているので、下抜けで大きく下がりそう。

※クロス円一覧

クロス円はドル円が反発できるかどうか重要なポイントに差し掛かっています。

豪ドル円Sは継続です。

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今週のFOMCの利上げがさらに株式市場を押し下げる要因となってしまうのか。
来年の利上げ見通しがゼロ回になってもおかしくないところまで急激に
マーケットのセンチメントが悪化していますが、
昨日はガンドラックの発言も米株下落を加速させたようです。

・ジェフリー・ガンドラック氏
「米株式市場は長期的な弱気相場入りした」
「S&P総合500種は新たな安値に向かっている」
「これは長期化するとみている」
「政府が景気サイクルのかなり遅い時期になって財政赤字を大幅に拡大させる一方、
FRBは金利を引き上げているといった極めて異例な状況と関連している」

さらに、悪いことにWTI原油価格が50ドルの大台を割り込んできました。
原油先物は昨年9月以来の安値。

※WTI原油先物

石油受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫急増を
データ提供会社ジェンスケープが報告したと伝わった、と報じられていますが
週間在庫統計が発表されるのは水曜日なんですけどねぇ、、、
何で統計前に情報が洩れるんでしょうか。

まあ、このニュースがなくても下げたのかもしれません。
ロシアの12月産油量は日量1142万バレル、記録的水準となっていることも判明。

これは旧ソ連崩壊後で最高となった10月の日量1141万バレルを上回る水準。
OPECプラスで合意した減産は来年1月からスタートしますが、
10月の産油量に基づいて実施することになっています。

ロシアのノバク・エネルギー相は先週、
12月の産油量は10月と同水準になる見込みだと述べていましたが
10月の産油量は日量1141万バレル
11月の産油量は日量1137万バレル。
12月の産油量は日量1142万バレル。(現時点で)

来月からの減産を前に、駆け込み増産でしょうか。
これがほかのOPEC産油国でも確認されるとかなり需給が緩みますね…。

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さて英国ですが、12月20日から議会が休会に入ります。
12/20~1/6迄休んじゃう。

メイ首相はEU離脱合意の承認を問う下院での採決は、
来年1月14日の週に実施するとコメントしていますが、
その間は英国内でのブレグジット承認って放置されるわけ??

今度は英労働党がメイ首相に対する不信任案を提出しました。
https://www.bbc.com/japanese/46601025

これが実施されるかどうかわかりませんが
こうしたニュースが出てきているのに特にポンドが売られている気配はありません。
基本的には下落基調ですが今は戻り基調かな。
というわけでポンドはどう動くか全くわかりませんね・・・・。
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