2019年1月14日月曜日

1月4日、パウエル議長がマーケットフレンドリーな発言に転じ、
12月のFOMC議事録でも多くのメンバーが慎重だったことが確認されたことで
戻り基調を強めていた金融市場ですが、ダウなど米株は
下落幅の半値近くまで反発してきており
ここからの一段高には、さらなる上げ材料が欲しいところかな。

※ダウ平均 最高値からの下落幅の半値近く反発してきた・・・


ここから株式市場の上昇を見込める最大の材料は
アメリカの利上げが打ち止めになる、バランスシート縮小の見直しなど
金融政策の修正への期待(緩和的となる)によるところが大きいと思いますが、
これに加えて、市場の懸念材料がひとつひとつ潰されていく(解消される)過程で
さらなる上昇の燃料追加となっていくんだろうと思います。

リスクが潰される、解消されなければ上値が重い相場が続く=レンジ入り、
と考える局面でしょう。

昨年秋からずいぶん下げましたので、短期的には、底入れしたと思っていますが
さらなる上昇には、リスクが解消できないとねぇ。。。
あ、底入れというのはあくまで年前半くらいまでの期間で見て、です。

ではどんなリスクがあるかというと、、、、

①政府機関一部シャットダウン長期化 14日月曜で22日目

シャットダウンが短期的に株価を下落させる要因ではないですが
景気を冷やし指標にそれが出てくるところまで行く可能性を織り込み始めると
マーケットも嫌気し始めるでしょう。

2013年10月の暫定予算成立遅延でシャットダウンが2週間以上続いた際、
10-12月期のGDpが0・6%押し下げられたとの試算も。

※3月2日にはデットシーリング(政府債務上限)が復活する可能性も。
債務上限を引き上げるには議会の承認が必要です。

3月1日までに引き上げの承認がなされなければ国債の新規発行が止まり、
債務不履行のリスク。
財務相が倹約することでの特例措置でしのぐものとみられますが、
倹約ということは財政の引き締めであるため、
景気への影響が懸念されることは必至。

メキシコの壁問題で
トランプ大統領と議会の対立が続き政府機関がシャットダウン中。
3月1日はまだ遠いですが、市場がいつこれを懸念材料とするかもわかりません。

逆にみれば、議会と落としどころが見つかってシャットダウンが解消すれば
デットシーリングへの警戒も後退します。

問題解決は、株価上昇の燃料となると思われます。

②FBI トランプ氏をロシアと内通の疑いで捜査 
https://mainichi.jp/articles/20190112/k00/00m/030/238000c

トランプ大統領は反論していますが、、、

トランプ氏、プーチン氏との会談内容を隠していないと 米報道受け
https://www.bbc.com/japanese/46859834

14日月曜、ダウ先は200ドル超の下落スタートとなっています。

テクニカル的な戻りもそろそろ50%近くに近付いており息切れする局面ですが、
ここまで戻ってくると、リスクに反応しやすい地合いかな。

③中国の景気失速鮮明に~
12月中国貿易収支~570.6億ドル黒字
(予想516.0億ドル:前回418.6億ドル(447.4億ドルから修正)

輸出 ▼4.4% 予想2.0% 前回3.9%(5.4%から修正)
輸入▼7.6% 予想4.5% 前回2.9%(3.0%から修正)

輸出と輸入の両方が予想外に減少、16年以来最大の落ち込み

④中国対米黒字、過去最大~全然解消に向かってない!

中国2018年の貿易統計
対米では、3233億ドル(約35兆円)の黒字。
前年2757億ドルより17.2%も増え、過去最大を記録。

中国から米国への輸出額は前年比11.3%増の4784億ドル(約51兆円)と大幅増。
7月の関税引き上げ前の駆け込み輸出が大きかった模様ですが、、、。

トランプ大統領がより強硬姿勢を示すリスクにつながる数字。

⑤12月の米消費者物価指数(CPI)が 前月比0.1%低下となり
9カ月ぶりにマイナスとなったことでFRBによる利上げペース減速観測が
より強まったことでドル安に。ドル/円相場が反落気味。
ただし、予想通りの結果でしたのでサプライズではありません。

12月消費者物価指数 結果 -0.1% 前回 0.0%(前月比)

米指標悪化は金融政策の修正期待が高まるため短期的にはプラス要因かもしれませんが、
米国景気事態が失速する指標が目立つようだと、景気後退リスクが広がるリスクでもあります。

※ドル円日足 米指標悪化、金利低下、ドル安のサイクル


でもちょうどフラッシュクラッシュ直前の高値から安値の半値戻りで
もみ合い入り。ここでトレードしてもみ合いで資金を減らしたくないので
ドル円も様子見。レンジで消耗したくありません。

⑥英、ブレグジット議会採決15日に迫る

15日の英国議会におけるEU離脱合意案の議会採決が行われます。

これに先立ち、9日からイギリス下院でメイ首相がEUとまとめた
離脱協定をめぐる審議が再開されていますが、どうも可決されそうにありません。

ブレグジット審議再開で与党から造反相次ぐ メイ首相窮地か
https://www.bbc.com/japanese/46819668

下院では元法務長官のドミニク・グリーヴ議員(保守党)が
下院が離脱協定を否決した場合の代替案の提出期限について、修正案を提出。
政府が反対するも保守党議員17人が造反し、308対297の賛成多数で可決。

これにより、

離脱協定否決の際に政府は今月21日までに代替案を提出しなくてはならず、
否決の場合、2度目の国民投票などの代替案が提示される可能性も出てきた。

とあります。否決が前提で動いてるのね。

否決前提で動いているのにポンドが上昇基調にあるのはどういうことでしょう。。。

その後、2度目の国民投票があって、ブレグジットを取りやめるかも、、、
ってところまで為替市場が織り込んでいるというのでしょうか。
だとしたら、為替市場は随分楽観的よね。

※ポンドドル月足 上昇基調?!


この上昇についていくのはリスクが大きいと考えています。
ポンドの戦略としては、15日の採決で否決となった場合のポンド急落を拾う、
というのがいいかな。
1.2000近くまで落ちてくれば買い下がり。
ただ否決のショックがポンド下落という形で現れるかどうかわかりません。
すでに買いが旺盛なポンド、否決でも急騰するかもしれませんしね。
その場合は1.2940ドルあたりまで上昇してきたら
逆指値で買うというのもありかとは思いますが、、、

私は今はポンドには手を出さず、15日の採決後の値動きを見てから動きます。

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ポジションですが、豪ドルドルロング、ドルカナダショートともに手仕舞いました。

豪ドルドル0.7001ドルL ⇒ 0.71920ドル買戻し
ドルカナダ1.3560ドルS ⇒ 1.32699ドル買戻し

豪ドルドルについては、中国の貿易収支が良くないというのが再確認されたことと
米国への黒字、つまり米国にとっては対中赤字が全く解消されていない
ことが明らかになったことで
トランプ大統領からの圧力が強まるリスクが高まるんじゃないか・・・。
足下ではシャットダウン問題やロシア疑惑などで忙しそうですが、
いつまた中国に矛先が向くか。。。ということで、手仕舞い。

カナダにつてはBOC(カナダ中銀)が1月9日、
政策金利を1.75%に据え置期を発表。2会合連続の据え置き。

声明では追加利上げを示唆。
「インフレ目標を達成するため、
政策金利を時間をかけて中立レンジまで引き上げる必要がある」


ただし“時間をかけて”の文言が今回追加されたため、カナダ売りに。

これで、いったんはカナダ上昇が止まって修正局面入りするかも、ということで。

ただしBOCは政策金利の中立水準を2.50-3.50%と推計しており、
0.25%ずつの利上げ想定なら2.50%到達には、あと3回の利上げ余地があります。

またどこかでカナダロングを狙います。
1.3350アラウンドまでドルカナダ上昇となれば再ショートが理想ですが
そんなにうまくいくかわかりませんね。

現在ノーポジとなりました。

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