2019年1月31日木曜日

英国は3月29日にEUを離脱しますが、
英国議会は未だ「どうやって離脱するのが良いか」合意できていません。

そんな中で英下院は29日、ブレグジット修正案の採決を実施。
議員たちが提出した7つの修正案が採決の対象となりましたが、
そのうち5つは否決され、2つが可決されました。

可決されたのは、、、

(1) アイルランド国境の再交渉の可決

メイ首相が昨年11月にEUと交わした協定では、
北アイルランドとアイルランドの間に
「厳格な国境」は設けないという内容が含まれました。
この措置を「バックストップ」と呼びます。

アイルランドはEU加盟国で、「北」アイルランドはイギリスの一部です。
これまではイギリスもEU加盟国でしたので、人、モノ、サービスの移動に
制限はありませんでした。

ところが、イギリスがEUを離脱すれば、
北アイルランドもそれに準じることとなります。
ブレグジット後は、イギリスとEUの唯一の
地続きの国境ができることになるのです。

「厳格な国境」を置かないバックストップ案は
ブレグジット後も厳格な国境検査をせずに
モノが通過できるようにするということです。
そんな都合のいい話はありませんよね。。。


バックストップ条項によると、ブレグジット後の
移行期間が終わる2020年12月までに国境の扱いが解決できなかった場合、
北アイルランドはEU単一市場の一部ルールに従うことになります。
つまり、北アイルランドに入る製品はEU基準で検査されることになります。

さらに、このバックストップでは一時的な単一関税区域が設けられるため、
実質的にはイギリス全体がEUの関税同盟に残ることになります。

ということで。

EUときっぱり手を切りたい与党・保守党のブレグジット派議員は、
バックストップ条項に猛反発しています。
これを受けて29日夜、大多数の下院議員は、
バックストップ条項を変更する新しい協定が必要だと表明したということです。

これをもって、メイ首相は近くEUと具体的な対策を協議する方針ですが
残念ながら現時点ではEU側は再交渉には応じないとしています。

英議会が再交渉を決めてもEUがそれに応じるわけじゃないんです。

(2) 「合意なし離脱」を回避する修正案の可決

大多数の下院議員は、
何の合意もないままEUを離脱することがないように求める動議を可決。
英議会としては「合意なき離脱」を避けるということです。

ただ、「どうやって」合意なしを回避するかの方策があるわけじゃないんです。

ですから、まだ合意なき離脱となる可能性はあり得るという状況です。

EUがバックストップの再交渉に応じず、
最終的に英下院が妥協案を見出せないなら、
「ハード・ブレグジット」のリスク大です。

となると3月29日、英国はEU加盟国でなくなります。
なにもきめられぬまま、にです。

可決したのは上記の2つの修正案だけです。

3月の離脱期限の延期に関する提案や
議会にブレグジット交渉の主導権を持たせる案などは否決されました。

今後、メイ首相はEUとの再交渉を踏まえ、
2月13日までに修正作業を終えるとしていますが、
スムーズにいくんでしょうかねぇ。。。

さっそくゴールドマンは合意なき離脱のリスクが高まったとしています。

ゴールドマン、「合意なき」離脱の想定確率を上げ 英議会採決受け
https://jp.reuters.com/article/goldman-brexit-idJPKCN1PO0SK?utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_content=5c519d7e04d3017808b9099a&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter

やはりポンドは落ちてきましたね。
大倉キャプテンのポンドショートも花開く?!

※ポンドドル


ただ、これはポンドの問題であって、日米の株式市場に影響を及ぼすような
センチメントにはありません。

今夜はまた米株が高いですよ。

あれれ、Appleの決算、良くなかったのに。

アップルの決算発表、業績の落ち着き示す-時間外取引で株価上昇
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-29/PM456I6JTSEB01

うう~ん、思ったより踏みとどまってるってことでしょうか・・・。

ま、FEDの金融政策修正で、マクロ環境は悪くないというのが私の短期的なビューなので
強い分には文句はありませんが。

※ダウ日足 おっと、一目均衡表の雲、上抜けちゃう?


それから、やはり、30日の東京市場はサンバイオショックがきましたね・・・。

マザーズ銘柄のサンバイオが再生細胞医薬品の臨床試験の不調を発表したことで
東証マザーズ全般大幅下落し、
サンバイオと共同開発する大日本住友薬(東証1部)もストップ安。
マザーズ先物はサーキットブレーカー発動で
一時取引が停止の大波乱となりました。

私も新興銘柄持ってるけど、今日は随分食らいましたね。
その前に1月中の反発期間を取れていたので何とかなってますけど、
今日のマザーズショックはちょっとやめて~って感じ・・・。

サンバイオは2~3日寄らないんじゃないかと指摘されていますが、
今夜ダウも高いので、銘柄によっては、明日、今日あんまり関係ないのに
サンバイオの代替で売り込まれたものが買い戻されるんだろうと期待。

今夜FOMCですが、政策変更は見込まれていませんが
今年からすべてのFOMCでパウエル議長の記者会見がありますので
パウエル波乱があるかも、です。

でもポジションはカナダロングを継続。

※ドルカナダとカナダ/円


ドルカナダ1.3263ドルショートに加え、
今日はカナダ/円を82.61円でロング参戦。

今夜は原油も堅調です。カナダドルにはプラス要因

※WTI原油


人気ブログランキングへ



【人気ブログランキングへ登録しています。応援ありがとうございます。】









※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。

以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。

運営:豊トラスティ証券株式会社