2019年1月3日、流動性が低い中で投機筋らの仕掛け的な
ドル円、クロス円の暴落、
ドルストレートでの豪ドル・キウイ・ポンドなどの急落がありましたが
翌日1月4日は、ものすごい勢いでこれが巻き返されています。
中期的には戻り売りの相場だと思ってみていますが
浅い戻りで売り参戦すると踏みあげられるパターン。
過去に何度も失敗しているので、まだショートでの再参戦はしませんよ。
※ドル円、クロス円一覧 軒並み長~い下ヒゲが
これだけの下ヒゲを蓄えたのですからしばらく戻ると思います。
短期的には買いでもいいかもしれませんが、クロス円には手を出していません。
※ドル円、ドルストレート一覧 豪ドル、キウイ、ポンドドル巻き返し大きいですね。
ドル/カナダをショートしていますが、うまく下がってくれています。
加えて、先週金曜に豪ドルドルを0.7001ドルで買っています。
4日の日足レベルでのろうそく足が3日の下落をすべて取り戻し陽転した時点で
テクニカル的に買い参戦を決めたのですが、
その後、豪ドルロングを後押ししてくれるニュースが出てきました。
-----------------------------------------------
先週4日金曜の材料を振り返ってみましょう。
①12月米雇用統計で非農業部門雇用者数が10カ月ぶりの大幅な伸びを記録。
非農業部門雇用者数 31.2万人(予想18.4万人 前回:17.6万人←15.5万人)
失業率 3.9%(予想:3.7% 前回:3.7% 悪化)
平均時給 前月比 0.4%(予想:0.3% 前回:0.2%)
前年比 3.9%(予想:3.7% 前回:3.7%)
NFP31万とは予想をはるかに超える強さ!!
この数字だけを取り上げて議論すればFedは今年も利上げのペースを
緩めるべきではありません。
ところが、この後すぐにパウエルFRB議長が講演でハト派発言。
②米、利上げ一時停止も FRB議長「柔軟に見直す」:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39671470V00C19A1MM8000/
パウエル議長は「リスクに対する市場の懸念に十分耳を傾ける」とし、
「必要であればバランスシート縮小計画を変更することもためらわない」
と述べました。
市場は利上げの一時停止の可能性を読み取り、リスクオンへ。
ダウ平均はなんと+746.94ドルの23,433.16ドルと大幅反発を見せました。
※ダウ平均日足 トレンドは崩れていますが200EMAタッチまで戻るかも
FRBは利上げ + 米国債など保有資産を圧縮するバランスシート縮小を実施しています。
パウエル議長は12月のFOMCの記者会見では記者からの質問に
「バランスシートの圧縮は見直すつもりはない」と冷徹に回答していましたが
これをわずか半月ほどで撤回した格好。
ならば何故12月の時点で慎重に言葉を選べなかったのか…。
背景にはトランプ大統領からの利上げをするなという圧力があったため、
よりFRB独立性を示そうと頑なになったためとの指摘もされていますが
もしそうだとすれば、トランプ大統領も罪作りよね。
しかし、理由はどうあれ
パウエル議長が市場との対話がうまくないことは否めません。
FRBが金融引き締めスタンスを修正するとなれば、ドル金利上昇は抑えられ
2018年独り勝ちだった米ドル高が修正される可能性が大きいと思います。
つまりドル安です。
そして、株は反発局面を迎えリスクオンに。
ドル安でもドル円相場は、下がりにくく、クロス円の上昇に妙味あり、です。
③4日、中国人民銀、預金準備率を1ポイント引き下げへ-景気てこ入れ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-04/PKSWLQ6K50XX01
預金準備率を15日に0.5ポイント、25日にさらに0.5ポイント引き下げる
により正味で8000億元(約12兆5900億円)の流動性が供給される。
中国が動きました。
中国の経済指標は信用できないとささやかれていますが
中国内部からもこんな声が上がっています。
中国人民大学の学者が講演、GDP実質マイナス成長と言及
https://www.epochtimes.jp/2018/12/38781.html
実質マイナスとな。
ということで景気テコ入れの流動性供給と大型減税が実施されます。
これは中国と貿易関係が太い豪州にとっても朗報。
具体的に効果があるかどうかは別として、
売られ過ぎていた豪ドルは買い戻されます。
④米中が次官級の通商協議、北京で7、8両日開催-「停戦」後初めて
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-04/PKSC596S972901
米中次官級の通商協議が7、8日に開催されます。
トランプ大統領は先月29日、中国の習近平国家主席と長時間の電話会談を行い、
交渉が「大きな進展」をみせているとツイートしていますが、
米国株も年末年始に大きく崩れていることから、この場では前向きな話合いが持たれ
株価をサポートするのではないか、という期待もあるようです。
ということで、特に豪ドルの戻りに期待大の内容。
※豪ドルドル 月足
日足レベルでも長い下ヒゲが大反発を期待させますが
月足で見ると、下げ止まるべくして下げ止まったと見えるレベルで反発したんですね。
ポジション取った時は短期トレードを考えていましたが
月足レベルでの反発が見込めるなら中期に考えてもいいかもしれません。
どちらにしろ、0.7001ドルコストにストップを置いておきます。
ドルカナダショートは継続中ですが1月9日BOC政策会合があります。
金利は据え置き予想ですが、3月会合での利上げを匂わせることがあれば
カナダドル上昇、つまりドルカナダショートにとっていいニュースとなりますが、
ポロズ総裁がハト派的であれば、カナダドルは売られちゃいます。
会合前には決済するかな。
------------------------------------
足下ではFedのスタンス修正と中国のバラマキでリスクオフ後退相場ですが
12月22日に始まった米国のシャットダウン(政府機関の一部閉鎖)は、
解決のメドが立っていません。
トランプ大統領は譲歩する気が全くないようですね。
国家非常事態宣言し“壁”建設も トランプ大統領
https://www.fnn.jp/posts/00409066CX
非常事態宣言・・・・?
議会の承認がなければ数年でも政府閉鎖が続くとまで発言しています。
短期的には金融政策や米中通商交渉の材料が株価に及ぼす影響が大きいため
すぐに株に悪影響が及ぶ材料ではないのですが
数か月、数年も続けばそりゃダメでしょう。
この材料はネガティブに違いありません。
中国ですが、経済面では今週の通商協議に注目も、安全保障というか、
覇権闘争面では緊張が一層高まっています。
習近平主席、軍事闘争準備を指示 米国との対立を念頭に危機感
毎日新聞2019年1月4日 22時20分(最終更新 1月4日 22時46分)
http://mainichi.jp/articles/20190104/k00/00m/030/234000c
中国も軍事行動の準備?!
個人的に気になるのがこのニュースで
英、アジアに軍事基地新設へ
https://this.kiji.is/453363590423676001
まるで、アジアでの戦争を予期しているかのようです。
英国が動くということは、米国が動くことを知っているということでしょう。
きな臭いですが、新設ということで今すぐにということではないでしょう。
2020~21年がリスクでしょうか。
---------------------------
フランスの黄色いベスト運動は沈静化の兆しがありません。
仏各地で今年初の大規模デモ、計5万人が参加
https://www.cnn.co.jp/world/35130872.html
これで8週連続です。
フランス経済に悪影響がないわけない。
ということで、欧州はダメです。
だからと言って直ぐにユーロ売りというわけじゃないのが
為替の難しいところね。
※ユーロドル いやになるくらいの膠着レンジ相場・・・・
12月のECB理事会では2兆6000億ユーロ(2兆9500億ドル)規模の
QEを終了させることが正式に決定されました。
※保有債券の償還資金の再投資は、利上げが実施された後も
長く継続するとの方針。しかし四半期ごとに発表する経済予想は
2018年後半に予想以上に景気が減速したことを受け、
成長率予想を引き下げ、インフレ率予想を調整しており
利上げの時期は遠のいているようです。。。
QE終了はユーロ強気材料ですが、すでに上昇させるパワーはありません。
利上げ時期が見えてくれば買い材料となりますが、
今のところ不透明ですね。ユーロはまだもみ合いが続くのかしら・・・。
-------------------------------------
メイ首相はEU離脱案の議会採決を当初予定の12月から
1月14日の週に延期しており、
それまでに議会が納得する確約をEU側から得る公算。
英国議会は1月7日に再開しますが、採決が否決されそう、、、
なんてニュースが出てくるとポンド売りが出そうです。
3月29日の期限までに議会の承認が必要ですので時間的に
今度は採決延期はできないでしょうから、
今週から採決まで大詰めの1週間となります。
ポンドは荒れそうですが、もし英議会が承認すればポンドは暴騰します。
その可能性はゼロではないことにも留意しておきたいですね。
つまり、安易にショートは怖い、ということです。
あ、採決が否決され期限までにまとまらなければ合意なき離脱で
ポンドは暴落するリスクもありますので、どちらにしても値動きが大きいので
ポンドの売買はレバ低めでね。
人気ブログランキングへ
【人気ブログランキングへ登録しています。応援ありがとうございます。】
2019年1月7日月曜日
※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。
※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。
※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。
以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。