すっかり値動きが小さくなってしまっている為替市場。
今や雇用統計もトレンドメイクイベントではなくなっていますが
3月分の結果が先週末に発表されましたので振り返っておきましょう。
米雇用統計:3月雇用者数19.6万人増、予想上回る-時給伸び鈍化
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-05/PPHMYX6JTSE801
・3月 NFP :+19.6万人(予想:+17.7万人、2月:+3.3万人←+2.0万人)
平均時給:前年比+3.2%(予想:+3.4%、2月:+3.4%)
失 業 率:3.8%(予想:3.8%、2月:3.8%)
①NFP/非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を上回る。
②2月の雇用者数も速報値から上方修正。
③平均時給は鈍化
④失業率は3.8%/ほぼ50年ぶり低水準付近で推移
サプライズはないですね。
発表を受け米10年債利回りは2.5%まで低下しましたので
この結果を受けての利上げ気運の高まりはゼロということかな。
ドル円相場は111.50円~111.80円の30銭幅を乱高下してお終い。
方向感ゼロ。
金利は雇用統計の結果よりも、
トランプ大統領の発言を嫌気した可能性も。
トランプ大統領:米金融当局は利下げすべきだ-資産縮小は中止を
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-05/PPHSWJ6K50XU01
米金利は現状でもすでに年内利上げ停止どころか
利下げを織り込むまでになっているのですが、
欧州もオセアニアも日本も再び緩和スタンスを強めているので
結局最も高金利通貨である、という事実から、ドル高傾向が続いています。
トランプ大統領は、株式市場も意識していると思われますが、
米国が本当に利下げでもしない限り、ドル安にはならないでしょう。
ということで、最弱通貨競争の様相を呈してきた為替市場。
膠着相場は今年も続くのかもしれません💦
※ドル円、クロス円チャート ほとんどレンジ、、、
でも、世界が緩和競争なら過剰流動性相場が続くわけで
Moneyは行き場を探してはどこかへと流入します。
世界の金利が低下傾向なら、株式の益回りの妙味が際立ってきますので
結局株が上昇するというのが今年の相場のような気がします。
上がりにくくなったら、何かをきっかけに一斉に利食いと手仕舞いが
入って急落する局面はあろうかと思いますが、
そうした急落時に拾っておけばその後の反発を取れる気が。。。
GW前後、そしてセルインメイで売られるような相場があれば
株を買いたいと思っています、現時点では。
現時点では、どこにもリスクオフ的要素は見られません。
米株高、上海高、低金利、VIX定位置、原油高。。。
※主要インデックス 定点観測
さて、GWも近いのですが、
面白いニュースがありました。
JTBによると、GW中の海外旅行の消費額は前年比8.6%増の1774億円。
比較可能な1993年以降で最高です。そりゃ10連休ですものね。
日本から海外に出る旅行者は、外貨を買いますね。
これこそ実需です。円を売って外貨に換える、それを使ってくるわけで、
この円売りに反対売買は起こりません(基本的に)
この1774億円というのは
財務省が毎月発表する国際収支統計の
旅行収支の1カ月分の支払いほぼ匹敵する規模だそうです。
18年12月1976億円、
11月1934億円、
10月1885億円ということで、わずか10日間のために
この規模の支払いが生じるってことですから、無視できないって話。
単純に円安要因ですが、さて旅行に出かける皆さんが
一斉に外貨に換えるのはどのタイミングでしょうね。
もう出てるかな?
という期待もちょっぴりあってドル円ロングは継続です。
しかしレンジ辛い・・・。
それからこのニュースも興味深い。
ノルウェー年金基金、新興国市場債を放出へ-保有見直しで政府了承
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-05/PPHH2F6KLVR801
ノルウェーの年金基金はSWFとしては世界最大です。
2018年末時点で運用残高は8兆2560億クローネ(約107兆円)
SWFとは政府系ファンドのことね。
韓国やメキシコ、ロシア、マレーシアなど、インデックスから除外
円やオーストラリア・ドル、カナダ・ドル建ては継続
株式の比率をポートフォリオの70%に引き上げることを提言。
提言は議会の同意が必要で、6月に可決する見通し。
債券指数の構成通貨を従来の23から減らし、
ドルとユーロ、英ポンドの3通貨に限定するよう
世界の国債相場の連動性が高まっており
株式保有を通じて多様な通貨へのエクスポージャーが得られるため、
世界のさまざまな国の国債を保有することの意義は薄れた、
というのが理由。
つまり株式のポートフォリオで
すでに為替リスクを取っている、ということね。
これは2017年に提案されたものの公式公表ということですので
インパクトはそれほど大きくなるとは思いませんが、
その2017年の提言では債券指数の構成通貨を従来の23から減らし、
ドルとユーロ、英ポンドの3通貨に限定するよう求めていたため
(ここに円が含まれていない)今回の発表で円債も外されるとの警戒も
あったようなんです。ところが円債は外されなかった・・・
何故でしょう、わかりません。
日本の金利はずっとずっと上がらないとみているということかな。
それと、ここから新興国投資は止めておいた方がいいかな。
主要国が緩和政策に逆戻りってことは、金余りではありますが
景気の先行き不安があるということです。
緩和マネーがバブルを形成した暁には盛大に弾けるでしょうから、
その際にはリスクの高い投資先からは真っ先に
資金が抜けていくものと思っています。
多分その時にはとても逃げられないスピードで破裂はやってきます。
巨大ファンドだと、身動きが取れなくなる可能性が大きく、
今からそのリスクを避けておこうと考えるのは自然なことですね。
あ、株式を通じてはリスクを取っているということではありますが。。。
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英首相、6月30日まで離脱延期要請-EU大統領は1年猶予支持か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-05/PPHBKM6KLVR801
メイ英首相は6日深夜、ブレグジットについて
野党・労働党の支持を取り付ける以外に事態打開の道はない
とする声明を出しています。
10日に開かれるEU首脳会議で、延期要請する見通し。
EUがこれに同意しなければ、ノーディールブレグジットとなります。
今週は、これ重要です。
EUが応じないわけがない、とは思いますが、
何が起きるかわかりませんので、10日以降はリスクは小さめに。。。
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2019年4月7日日曜日
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