10日金曜日、米国は予告通り対中輸入品2000億ドル分の10%の関税を
25%に引き上げました。
マーケットはこれを1週間織り込んで下がっていましたので
週末金曜はむしろ材料出尽くしというムードで買い戻し基調が優勢で
ダウ平均は 25942.37(+114.01 +0.44%)
と反発して引けていたのですが、、、。
NY大引け後に出てきたのが対中関税第4弾のニュース。
世界の供給網を直撃 米の対中関税第4弾、13日公表へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44690520R10C19A5EA2000/
米通商代表部(USTR)
「トランプ大統領は残るすべての中国製品の関税を引き上げるよう指示した。
金額はおよそ3000億ドル(33兆円)分になる」
残る全ての製品に?!
~第4弾の検討対象は中国からの輸入品の残りすべての3250億ドル分だ。
製品群別で最も多いのは携帯電話(432億ドル)で、ノートパソコン(375億ドル)が続く。
いずれも世界中から部品を調達し、中国で組み立てているハイテク製品だ。
現実に関税が引き上げられれば、米国の企業や消費者を直撃するだけでなく、アジアに広がるサプライチェーンの混乱も避けられない。
ということで、これ、米中貿易摩擦ほとんど決裂状態なんじゃないの…(*_*)
トランプ大統領は、ツイッターに交渉が長期化した場合、
「中国にとってさらに不利な取り引きになるだろう」と投稿しています。
これがNYクローズ後のニュースなので
10日㈮のマーケットが吸収できていないのが怖い。
また日本市場がまともにこれを消化せざるを得ないということで
10日のNY株式市場は下げ止まり、VIX指数も落ち着きをみせたものの
第4弾の対中関税ニュースを嫌気して大きく下がるリスクがあります。
連休最終日とか、週末にビッグニュースを発表するパターン、
止めてほしいですね(^-^;
これで想像できることは、これまで半導体や電子部品など、消費財が含まれて
いなかった関税引き上げに消費財が加わることで
いよいよ米国の消費者、国民に見える形での価格上昇がやってくる可能性がある、
ということです。
なかなかインフレが加速しなかった米国もいよいよインフレでしょうか。
となるとFRBは利下げなどする必要がなくなるわけですが、、、
しかし、米国としては株価動向を無視できないので
米中貿易摩擦の影響で株価が大きく崩れれば、トランプ大統領から
利下げの圧力が増すのでしょう。利下げすれば、さらにインフレ加速です。
米国は本格的なインフレに悩まされる可能性もあるんじゃないか、、、、
って気がしますが、この場合、米ドルは下落するはず。
ということで、ドル円は下方圧力。
そして、ドルインデックスもいよいよ下がってくるんじゃないかと思うのですが
これは机上の空論にすぎないかもしれません。
相場は教科書通り動かないのよね。
ちょうど10日㈮、米消費者物価指数が発表されました。
米4月消費者物価指数 前月比 0.3%(予想 0.4% 前回 0.4%)
コ ア 0.1%(予想 0.2% 前回 0.1%)
前年比 2.0%(予想 2.1% 前回 1.9%)
コ ア 2.1%(予想 2.1% 前回 2.0%)
週明け13日㈪には日本の3月の景気動向指数が発表されます。
これは複数の統計数字から機械的に指数を算出するものですが、
これまでの統計を見る限り、3月の景気判断は「悪化」となる可能性が高いようです。
「悪化」となった場合、日銀の異次元緩和が始まる前の2013年1月以来のことですが
景気後退局面入りしているとの認識となれば、消費増税実施は実現するのか否か、
再び議論されそうです。
14:00に発表されますが、数字が悪いだろうことは予測されているので
これを受けてマーケットが驚くということはないと思いますが
政争の具になりそうという意味では注目。
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セルインメイとは言いますが
不思議と5月は相場が崩れるものなんですねぇ、、、。
現在米株は史上最高値圏にあることや、GDPや雇用統計などの数字もよく
トランプ大統領は、今なら多少マーケットにマイナスの影響が出ようとも
強硬に出られると踏んだとの見方もできます。
来年が大統領選挙。来年株価を崩し人気を落とすわけにはいかないんです。
株価を崩すなら今。そして今年の秋から来年に向けては回復のシナリオ。
これが選挙を戦う上で理想的なシナリオ、、、、という観測ですね。
ということで、史上最高値圏にある米株はある程度の調整は
覚悟しておいた方がよさそう。
となると日経平均も同様。
ドル円は105円から100円方向も覚悟なんでしょうか。
今週はリスク資産の売りがメインシナリオだと思いますが
安値を叩かず戻りを待つ方針。
NOTE
米軍、中東にパトリオット追加配備へ イランへの警戒強める
https://www.cnn.co.jp/usa/35136809.html
イランの「脅威」に対抗! 米軍、空母打撃群を中東に派遣 —— その中身とは
https://www.businessinsider.jp/post-190325
米国はイランに対する強硬姿勢も強めています。
原油が下がらない背景にはこうした地政学上のリスクプレミアム分が
上乗せされているという見方もありますね。
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2019年5月13日月曜日
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