2019年5月9日木曜日

米国は中国製品2000億ドル相当への関税引き上げを官報で正式に通知しました。

米、25%に関税上げ正式通知 中国「必要な反撃措置」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44547000Y9A500C1MM8000/

5月10日 午前0時1分に関税が引き上げられます。
(日本時間 10日(金) 午後1時1分:東京時間ってことになるの?)

これに対し中国商務省は
「もし米国が追加関税の措置を取るならば、
      中国は必要な反撃措置を取らざるを得ない」
                     との声明を発表しています。
報復として中国も米国製品600億ドル分への追加関税を
引き上げるとかなんとか。

米中貿易交渉は決して政治パフォーマンスではないようです。
お互いの国の経済のために落としどころを模索し
友好的に合意が取り付けられるだろうという、
というマーケットの期待は泡と消えそうです。

いえ、交渉自体は合意目前まで詰められていたようなんです。
ところが、中国がちゃぶ台返しをしたことが米国の逆鱗に触れたようで…。

米中貿易交渉、中国が合意文書案に大幅な修正=関係筋
https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-backtracking-idJPKCN1SE15O
中国政府は、米中貿易交渉の合意文書案の全7章に修正を加えて、米国側に提示した。合意文書案は150ページ近くに及ぶが、中国政府が加えた修正は、これまでの交渉を白紙に戻すような内容だったという。

中国は知的財産・企業秘密の保護、技術の強制移転、競争政策、金融サービス市場へのアクセス、為替操作の分野で、米国が強い不満を示していた問題を解決するために法律を改正するとの約束を撤回。

中国は約束を守らない・・・だから米国側は中国での法制化を求めたのですが、
直前になって、この約束を反故にする修正をしてきたことで
事態が急変したようです。


今夜トランプ大統領は
 「中国が(すでに合意した内容を)再交渉しようとしている理由は
その内ジョー・バイデンのような弱い民主党員と
交渉できると期待しているからだ!」
という趣旨のTweetしています。あ、これはエミンさんの翻訳。

つまり中国はのらりくらりと時間稼ぎをして、トランプ政権下の今をやり過ごし
時代が変わることを待つ戦略だ、と見抜いているということですね。

また、こちらもエミン・ユルマズ氏のTweetですが
https://twitter.com/yurumazu/status/1125352168653877249

トランプ大統領の貿易戦争のコストを払っているのは
アメリカの消費者ではなく中国の生産者であるという研究結果が出ています。

~25%の追加関税で米個人の負担は4.5%増加するだけで、
残りの20.5%は中国の生産者のコスト
~米国は追加関税をランダムを課しているわけではなく、
代替できる中国製品を狙っている



これまでは貿易摩擦のコストは結局米国が支払うことになると報じられてきました。
しかし、米国は自国にダメージが少ない製品を狙っており
中国のダメージが大きいということが解ってきたようです。

だから、この貿易交渉、10日に関税引き上げがあったとしても
米国の株式市場が大暴落となるような事態には結びつかないのでは・・・
一定の修正安がある恐れは否定できませんが。

劉鶴副首相は9─10日に訪米する予定ですが、
ここで中国が米国を説得できるのでしょうか。

中国が合意文書案の修正を撤回し、
中国の法改正に同意しなければ、関税引き上げは逃れられないと思われますが、
今夜のマーケット、意外と落ち着いているんですよね。
これは、関税引き上げがない可能性もある、と、
まだマーケットが楽観シナリオを持っているせいなのか
それとも、引き上げられたとしても米国のダメージはそれほど大きくない、
とすでに織り込み始めたのか、、、まだわかりませんが。

今夜のダウ平均現時点(AM2:30)で100ドルほど上昇しています(';')

---------------------------------------

さてドル/円相場は1時110円大台を割り込みました。

それでも円高が走るということはなく現在再び110円台に戻ってきています。

やはり、ドル/円相場は構造的な変化が起こり始めているんじゃないかと思われます。
リスクオフで円高にはなりにくくなってきています。

44兆円の資金、日本から海外に向かう可能性-円の下押し圧力にも
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-05-08/PR5Y2C6K50XS01

低金利で、本邦勢が海外に収益機会を求める他なくなってきたという事実は大きい。
今年から来年にかけて償還される国債の資金は外債投資に向かうと見込まれ
その規模44兆円とか。ヘッジ付きとなるものも多いでしょうけれど
為替ヘッジなしで裸で投資されるものも出てくるでしょう。

足下は米中貿易摩擦の不透明要因から積極投資は手控えられているようですが
落ち着きを取り戻せば、本邦勢のドル買いが
ドル円を押し上げるんじゃないかと思っています。

---------------------------------------------

NZドル/円ショート、うまく行きました~久しぶり(*^_^*)

今日のRBNZ,NZの中央銀行は政策金利を1.75%から1.5%に引き下げました。
これでオーストラリアと政策金利が並びました。
オセアニア通貨は決して高金利通貨でなくなってしまいましたね。
だって、米国の政策金利は2.5%ですもの。
米ドル持っている方がスワップ収入が得られます。
米ドルを売ってオセアニアを買おうものなら1%前後の金利差分のコストを
支払い続けなくてはなりません。
ましては円ロングドルショートなら2.5%分のスワップコスト支払いです。
そりゃドルが上がりますって。

今回の利下げは予想されていましたので、利下げ発表を受けた急落後には
ショートカバーも入って下ヒゲを蓄えていますが
オア総裁は2020年の利下げも示唆しており、
まだもう少し下げ余地があるかな…とみています。
ドル円が切り返しに入ったらNZドル/円も戻りが大きくなると思いますので
その時は買いもどしますが、もう少し下がるとみてショート継続です。
人気ブログランキングへ



【人気ブログランキングへ登録しています。応援ありがとうございます。】








※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。

以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。

運営:豊トラスティ証券株式会社